TRADITION

美少年で気配り上手な信長の秘蔵っ子、
森蘭丸
「戦国武将名鑑」

2021.6.4
美少年で気配り上手な信長の秘蔵っ子、<br>森蘭丸<br><small>「戦国武将名鑑」</small>

15世紀末から16世紀末、日本は戦乱の時代。室町幕府が完全に失墜し、守護大名に代わって全国で戦国大名が勢力を増した。日本史上の中でも戦国時代は、現代においてもなお伝説的な武将が多く存在している。人気の武将を図鑑形式で紹介する「戦国武将名鑑」。今回は、美少年で気配り上手、信長の秘蔵っ子で知られる、森蘭丸(もり らんまる)です。

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生没年
1565~1582年

Place
美濃国(岐阜県南部)
Data
由来|森氏
改名|乱、成利

鶴の丸

若かりし頃から信長の側近として仕え、わずか数年で取次役にまで出世した。蘭丸は信長に気に入られ、特に重用されていたとされている。美少年で顔が信長の好みだったという話もあるが、何よりも蘭丸がとても気配り上手な性格だったことが大きいだろう。彼の性格を物語るさまざまなエピソードが残されている。爪を切っていた信長が、蘭丸を呼び出して捨ててくるように命令した。次の間に移ったときに爪のかけらが9つしかないことに気づいた蘭丸は、急いで信長の部屋に戻って残りのひとつを探したという。信長の行くところには必ずお供し、美濃金山城、もしくは岩村城を与えられるなど出世街道を突き進んでいたが、本能寺の変に巻き込まれ、18歳という若さでこの世を去った。最後まで信長とともに歩んだ人生であった。

森蘭丸に学ぶ気配りの心

地震に驚き、家から飛び出てきた信長に対し、蘭丸は「先ほど地震がありました」と報告。怒った信長は、すぐに報告しなかった理由を聞くと、「天下の大地震を起こしている信長さまに、地震の報告など必要ないと思いました」と続けた。信長はこの発言を聞いて、すっかり機嫌がよくなったという。

年表

1565 美濃国に生まれる
1577 織田信長に小姓として召し抱えられる。以後、側近として活躍
1581 近江国に500石の知行を与えられ、事務官としての役割も果たすようになる
1582 兄の長可が甲州征伐に貢献したとして信濃国川中島に領地替えになったことで、美濃国金山城主あるいは岩村城主になる。同年、本能寺の変で明智方に討ち取られる

ゆかりのスポット

織田信長の中濃攻略にともない家臣の森氏の城となり、美濃金山城と改名したと言われている。乱丸は3代目の城主となる。約400年前の石垣が当時の姿のまま残されており、また、主郭には礎石が残されているため、建築物があったことが分かる。

美濃金山城跡
住所|岐阜県可児市兼山常盤町1418-210
TEL|0574-62-1111(可児市観光交流課)
URL|https://www.gifu-ebooks.jp/?page_id=31718

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Supervision=Sunao Kawaguchi text=Ken Motoshiro illustrator=Mariya Arai, A&W
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