“万博”がルーツだった!?
エレベータや電話…あの便利なものまで
前編|万博で注目を集め、普及をしていったものとは?

電話や洗濯機など、人々の生活を飛躍的に便利にした発明品は、万博で注目を集め、普及していったものも多い。いまではすっかりお馴染みになっているあの技術も実はそうだった!?
“世界の万博”から普及した技術やアイデア
そもそも「万博(万国博覧会)」とは、世界中からさまざまな国が参加し、各国が文化や技術、産業を紹介し、交流を深めるためのイベント。1851年の第1回ロンドン万博以来、世界各地で開催されてきた万博は、その時々の新技術や新発明のお披露目の場でもあった。万博への出展は商品の宣伝につながり、海外に販路を開くきっかけにもなってきたのだ。
万博で発表されてきた技術やアイデアは、いまではすっかり我々の生活に欠かせなくなっているものも多い。これから紹介するもの以外にも、1889年のパリ万博ではダイムラーとベンツが「ガソリン自動車」を発表。1939年のニューヨーク万博では「ナイロン」や「テレビ」などが出展された。
《電話》
1876年 フィラデルフィア万博

アメリカ合衆国独立100周年を記念して開催されたフィラデルフィア万博では、タイプライターなどの発明品が発表された。中でも人々を驚かせたのが、A.G.ベルが発表した電話である。その後、ベルは電話会社を立ち上げ、電話の普及に尽力。世界展開も行った。
《エレベータ(蒸気動力)》
1853年 ニューヨーク万博

ニューヨーク万博では、多くの機械類が発表される中、エリシャ・オーティスが落下防止装置の付いた蒸気エレベータを出品。自らエレベータに乗り込んでロープを切断し、その安全性を実演で示した。その後、電気の力が示された1893年のシカゴ万博では、電動のエレベータも登場した。
《洗濯機(木製)》
1862年 ロンドン万博

日本の使節団も訪れた第2回ロンドン万博。17世紀から開発されていた手動の洗濯機も出品され、イギリスのT・ブラッドフォード社が出品した木製洗濯機がメダルを受賞した。下の箱に衣類を入れハンドルを回して洗濯し、上のローラー状のプレス機で脱水するという仕組み。
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text: Miyo Yoshinaga
2025年4月号「ローカルの最先端へ。」