乱世に幕を引いた天下人、
徳川家康
「戦国武将名鑑」
15世紀末から16世紀末、日本は戦乱の時代。室町幕府が完全に失墜し、守護大名に代わって全国で戦国大名が勢力を増した。日本史上の中でも戦国時代は、現代においてもなお伝説的な武将が多く存在している。人気の武将を図鑑形式で紹介する「戦国武将名鑑」。今回は、150年の乱世に幕を引いた武将、徳川家康(とくがわいえやす)です。
生没年
1542~1616年
Place
三河国(愛知県東部)
Data
由来|松平氏→徳川氏
改名|竹千代(幼名)→松平元信(初名)→元康→家康→徳川家康
正室|築山殿 継室:朝日姫
側室|養珠院、西郷局、茶阿局、英勝院、雲光院、相応院ほか
その性格を例えて「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」と表現されたように、忍耐強く辛抱して頂点に上り詰めた徳川家康。徳川家15代に及ぶ長期安定政権の基礎を築いた点で、世界史上においても稀有な人物である。秀吉に仕えて五大老の地位まで上り詰めるが、秀吉の死後は天下取りへの一歩を歩み出し、関ヶ原の戦いで勝利を収める。1603年には征夷大将軍となって江戸に幕府を開き、1605年には三男の秀忠に将軍職を譲り、1614〜15年には大坂冬の陣・夏の陣を指揮して豊臣家を滅亡させた。1616年に駿府城で没し、久能山に葬られた。あらゆる武術に秀でる一方で多趣味でも知られ、鷹狩りや囲碁などを好んだ。また、新しもの好きの一面もあり、メガネや目覚まし時計を所有していたことでも知られている。
「人の心底を能く察すべし」
「人を知らんと欲せば、人の心底を能く察すべし。言と形とに迷ふべからず」。他人のことをよく知りたければ、上辺だけを見ていてはいけない。相手の心の奥底を観察することが重要なのである。
年表
1542年 三河国に生まれる
1547年 織田氏の人質となり数年を過ごしたあと、さらに今川氏の人質として忍従の日々を過ごす
1560年 桶狭間の戦いで今川義元が織田信長に討たれる。信長と組み、松平家康に改名している
1566年 松平氏から徳川氏に改姓し、徳川家康となる
1573年 三方ヶ原の戦いで大敗
1575年 長篠の戦いに参陣
1579年 嫡男・信康を自刃させる
1584年 信長没後に勢力を伸長した豊臣秀吉との対立が深まり、小牧・長久手の戦いで対峙
1600年 関ヶ原の戦いで勝利
1603年 征夷大将軍に任じられる
1605年 将軍職を三男の秀忠に譲る
1615年 大坂夏の陣で豊臣軍を滅ぼす
1616年 駿府城で病死
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Supervision=Sunao Kawaguchi text=Ken Motoshiro illustrator=Mariya Arai, A&W
2013年2月号「武士道」