「TDM 1874 Brewery/坂口屋」
創業150年の老舗酒屋が地産素材でつくる“横浜のクラフトビール”
1874(明治7)年から続く神奈川・横浜十日市場の老舗酒店「坂口屋」。本物の美酒だけを取り揃え、日本全国の酒蔵から愛される酒店が、厳選素材と地産地消で新しい横浜産クラフトビールを手がけている。サステナビリティにも取り組む、今注目のブルワリー「TDM 1874 Brewery」とは?
つくり手の想いを伝える情熱の酒屋
「坂口屋」とは
神奈川・十日市場町に創業約150年前から店を構える老舗酒販店「坂口屋」。この店に並ぶのは、焼酎、日本酒、ワイン、クラフトビール、どれも全国各地から厳選されたものばかり。中には入手困難のレア物も置かれており、酒好きが訪れると目を丸くしてしまうだろう。そんなラインアップが実現する背景には、同店の“酒愛”と生産者へのリスペクトがあった。
「坂口屋」では、時間と労力を惜しまず生産者の元を訪ねて直接話を聞き、つくり手の想いが込められた本物の美酒だけを取り揃える、という理念がある。それは酒を工業製品ではなく、“ひとつの文化”であるととらえ、その土地の歴史と風土、そして人に携わる農作物、という考えが根底にあった。そうして選ばれるのは、名ばかりではない本物の美酒。
また酒販売のほか、数種類のワインを飲み比べる「話飲学園」や国内外から生産者を招いて行うセミナーなど、酒の知識を深めることでさらに酒が好きになるイベントも行っている。
酒の持つストーリーに思いを馳せながら、酒文化を伝え続けている。
目利き酒屋が手掛ける
新しい横浜産のクラフトビール
坂口屋は東京や横浜周辺にある800店の飲食店に酒類を卸している。そうした顧客に対し、こだわりを持ってプラスアルファを届けたい、と考え検討を重ねた結果、「ビールの奥深さを知ってもらうために、本物のクラフトビールを届けたい」という気持ちに至り、2017年に「TDM 1874 Brewery」としてクラフトビールの醸造をスタートした。醸造所は横浜十日市場にある本店の店内に設けられた。名前の由来は、「TDM」は十日市場を意味する「Ten Days Market」の頭文字に、坂口屋の創業年である「1874」を組み合わせている。
長年磨き続けてきた知識とセンスを最大限に生かしてつくられるのは、厳選された地産素材を使った、香り豊かでストーリーも愉しめるビール。
素材はビールの種類に合わせて、さまざまなホップやモルトを世界中から厳選。横浜の地元農家からブランド梨「浜なし」や神奈川県のブランド米「はるみ」をはじめとした原料を仕入れている。
またサステナブルな取り組みも行っている。醸造所の製造工程から出るビール粕の全量を地元農家に引き渡し、作物の肥料として使用。その肥料を使って生産される作物もビールの材料として使われ、アップサイクルを実現している。
ブルワリーで醸造を担当するのは、13歳からビール醸造に興味を持ち、醸造学を勉強してきたイングランド出身のブルワー、ジョージ・ジュニパーさん。祖国イギリスのダークスター醸造所で生産部長を務め、来日後は日本国内各地のクラフトビール醸造所で経験を積んできた。
2022年、下北沢にタップルームがオープン!
2022年1月、下北沢駅南西口の新エリア「NANSEI PLUS」に新たなタップルーム「TDM 1874 下北沢」がオープン。自社醸造のクラフトビールをはじめ、ワインや日本酒、フードメニューも楽しめる。リカーショップも併設され、ふたつの顔を持つ新しいスタイルのタップルームだ。
国内外の美酒を知り尽くし、つくり手の想いを伝えてきた老舗酒屋が選び抜いた酒と、彼らが新たに挑戦するクラフトビール。それらのストーリーとともに旨い酒を味わってみてはいかがだろうか。
TDM 1874 Brewery
住所|神奈川県横浜市緑区十日市場町835-1
営業時間|月~木曜・日祝11:00~20:00(L.O. Food 19:00 Drink 19:30)、金・土曜11:00~21:00(L.O. Food 20:00 Drink 20:30)
定休日|水曜
Tel|045-985-4955
https://tdm1874brewery.com
TDM 1874 下北沢
住所|東京都世田谷区北沢2-21-22 NANSEI PLUS 2F
営業時間|水~月曜11:00~22:30(L.O. 22:00)、火曜11:00~21:00(L.O. 20:00)
定休日|年中無休
Tel|03-5787-5411