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「はっぱすたんど」岐阜美濃 のうだつの上がる町並みでお茶しない?

2020.6.22
「はっぱすたんど」岐阜美濃 のうだつの上がる町並みでお茶しない?

江戸風情が色濃く残る岐阜県美濃市。そんな町並みの中にオーガニックな日本茶を楽しめるお茶スタンドができたのが2年前。若き粋人の思いが詰まったその店を訪ねました。

うだつの上がる町並みとは?
江戸時代の領主・金森長近公によりつくられた町並みで、重要伝統的建造物群保存地区。防火壁に小屋根を乗せた「うだつ」が由来。

有機栽培の茶葉によるティースタンド

岐阜県美濃市 ティースタンド HAPPA STAND
古民家を改修した店内では、カウンター席とテーブル席でオーガニックのお茶が味わえる

1300年以上の歴史をもつ美濃和紙や美濃焼の産地として知られる岐阜県美濃。伝統的建造物群保存地区に指定される「うだつの上がる町並み」だ。旅情を誘う町並みに、お茶スタンド「HAPPA STAND(ハッパスタンド)」ができたのが2017年8月。代表・佐藤陽亮さんが、有機栽培の茶葉によるティースタンドをこの町に開いたのは、東京の大学を卒業後、会社勤めを経て24歳のときに訪れたアメリカでの出来事がきっかけだった。

「アメリカで見た“なんちゃって”和食に違和感を覚えました。でも現地の人やツーリストたちはそれを食べて美味しいというわけです。そのとき、日本のものは日本人がやらないと間違って伝わってしまうという危機感をもちました」

の背景にあったのが、日本人として日本に貢献したい、日本の文化を正しく伝えたいという思い。2015年にオーガニック食品の会社を立ち上げ、そこで出合ったのが有機栽培のお茶だった。

岐阜県美濃市 ティースタンド HAPPA STAND
お土産にも最適なオリジナル商品たち。HAPPA STANDのロゴにも起用される、縁起のよい八角形を用いている。おすすめは、美濃焼のKYUSU 3300円・YUNOMI 2200円、OCHA 「GEMMAICHA」、「HOUJICHA」各1800円。

提供する茶葉は、京都府宇治田原「製茶」の有機栽培のお茶を使用。オリジナルの茶器や店内のちょうちんは、地元・美濃の職人がつくる。家紋に見立てたロゴや店内の至るところで見られる八には、縁起のよい末広がり、無限大という意味を込めている。

「HAPPA STANDの立ち位置は、日本の生産者の代弁者です。僕らはデザインしたり提供したりすることはできますが、つくることはできません。つくり手の思いをカスタマーに伝えたいと思っているんです」

お茶スタンドをはじめて今年で2年。日常に当たり前にオーガニックの日本茶がある暮らしを提案したいだけだと、佐藤さんは至って自然体だ。

「コンセプトに掲げている『NOT OLD, BE CLASSIC.』には、クラシックを更新していくという思いを込めています。『時代を越える粋なモノ』が、ものづくりをする上で大切だと思います。僕らの役割は日本と日本の伝統文化を知ってもらうきっかけをつくること。だから歴史と伝統のある美濃のこの町並みでお店をやる必要があったんです。将来は、お茶だけでなくこの国の豊かな食文化を通じて、日本を盛り上げていきます」

岐阜県美濃市 ティースタンド HAPPA STAND
物販コーナーには、美濃のちょうちん職人に特注した3mのちょうちんが下がる

店内でまったり。To Goで街歩きも楽しい

無農薬茶葉のお茶は身体にも優しい。メニューは、焙じ茶らて550円、おちゃ440円〜、抹茶と上生菓子のセット770円〜など。

HAPPA STANDのお茶が購入できます





















HAPPA STAND
住所|岐阜県美濃市常盤町2300
Tel|0575-46-8859
営業時間|8:00~17:00
定休日|水・木曜
https://happastand.jp
text=Kouji Kato photo=Manami Takahashi
2019年6月号「天皇と元号から日本再入門」

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