《東京造形大学附属美術館》
彫刻家ジャコモ・マンズーの作品を堪能
休日は知識や見識を広め、感性が磨かれる美術館巡りへ出掛けませんか? 都内にはさまざまなジャンルのアートが楽しめる美術館が数多く点在しています。また作品のみならず建築や庭園の美を楽しむのも美術館巡りの醍醐味です。気軽に足を運べる東京都内にある美術館の魅力を伝える本企画。今回は、ジャコモ・マンズーの彫刻作品から若い表現者たちのアートまで幅広く鑑賞できる、「東京造形大学附属美術館」を紹介します。
東京造形大学附属美術館は、横山記念マンズー美術館とZOKEIギャラリー、CSギャラリーの3館で構成され、イタリアの彫刻家ジャコモ・マンズーの彫刻作品を中心に、写真家の高梨豊、絵本作家の小野かおるなど、東京造形大学の教員作品を数多く収蔵している。
現代具象派を代表するジャコモ・マンズーは、鋳物の肌触りをそのまま生かした独特のスタイルが1960年代から1980年代にかけて世界的な人気を博し、その後の日本の彫刻界にも多大な影響を及ぼした。同館がある東京造形大学における彫刻教育の基礎を築いた佐藤忠良名誉教授も「影響と真似とは別なものだが、いずれにしても造形の手順がハッキリ見えて、様式性の強いものほど信奉者にはそのスタイルがのりうつり勝ちなものである。ところが、イタリア作家の中でもマンズー芸術だけは、どこがどうなって、こうなるかがわからない彫刻と言えよう」と、マンズー作品の不可思議さについて述べている。
同館では、創立者でデザイナーの桑澤洋子展など、美術・デザインの魅力を幅広く紹介する企画展を開催。
またギャラリーでは、大学の造形教育の特色を発信する場として、卒業制作展や研究発表展など授業作品の展示も行う。現役美大生の作品を見られるのも見どころだ。
建築は、渋谷区立松濤美術館も手掛けた建築家・白井晟一(しらいせいいち)の設計原案に基づき建てられたもの。
スタッフが教える!当館の魅力
ZOKEI/CSギャラリーで
原石を見つける
「当館は美術大学なので、現役学生のエネルギー溢れる作品をみることができるのも特徴のひとつです。ギャラリーでは授業作品を展示しているので将来有名になるアーティストの原石を見つけられるかも!? しれません」
見逃し厳禁!当館所蔵の作品
「収蔵品の目玉である彫刻家ジャコモ・マンズー作品はもちろん、実は美術館以外の場所にも所蔵の絵画や彫刻作品をみることができます。佐藤忠良や渡辺隆根の作品が図書館や教室、広場などに展示されています。学内を巡ってさまざまな作品との出会いを楽しんでください」
世界の彫刻界に影響を及ぼしたマンズー作品から、大学美術館ならではの学生や教員による新たな作品まで、新旧のアートが混在する同館。訪れれば創造力を刺激されるはずだ。
東京造形大学附属美術館
住所|東京都八王子市宇津貫町1556
Tel|042-637-8111(代)
開館|10:00〜16:30(入館は16:00まで)
休館日|日曜、祝日・大学が定める休日
料金|無料
交通|JR横浜線 相原駅よりスクールバス5分(徒歩15分)
駐車場|なし
https://www.zokei.ac.jp/museum/
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