宗派を越えて信仰されてきた「日本三大霊場」
《いま行くべき神社ガイド》

日本全国には8万を超える神社があるといわれるが、中でもいま訪れるべき神社はどこなのか。宗教史研究家の渋谷申博さんに教えてもらった。
　
三大大仏、三大弁財天、三大稲荷、三大天神など日本の聖地は３つセットで語られることが多い。ここでは霊山に注目し、心身を清めてくれる３種類の「三大○○」を番外編として紹介しよう。今回は「三大霊場」。「霊場」はさまざまな意味に用いられるが、ここでは宗派を越えて信仰されてきた、由緒ある寺院をいう。いずれも全国から参詣者が訪れる聖地である。

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①身延山［山梨県］
晩年の日蓮聖人が著作と弟子の育成に努めた霊山

日蓮の前半生は、庶民への布教と為政者への諫言（厳しい忠告）の連続であった。言葉つきが鋭いため命を狙われることもあり、数度にわたって流罪にもされている。しかし、1274年に身延山に入り「久遠寺（くおんじ）」を開いてからは、著作と弟子の育成に専念する穏やかな日々を送った。遺骨も身延山に埋葬され、修行僧と参詣者を見守っている。
　
身延山久遠寺（みのぶさんくおんじ）
住所｜山梨県南巨摩郡身延町身延3567
Tel｜0556-62-1011
参拝時間｜4〜9月5:00〜16:55、10〜3月5:30〜16:55
参拝料｜無料
www.kuonji.jp

②比叡山［滋賀県、京都府］
各宗派の祖師を輩出した日本仏教の母山

788年、最澄は神が住む霊山と崇められていた比叡山に、天台宗の総本山「延暦寺」を創建。以後、全国から修行僧が集まり、その中から法然（浄土宗）や親鸞（浄土真宗）、栄西（臨済宗）など各宗派の開祖が出たことから、日本仏教の母山と呼ばれる。また都の東北に位置することから、艮（うしとら＝東北）の鬼門を護る霊峰として崇められてきた。
　
比叡山延暦寺（ひえいざんえんりゃくじ）
住所｜滋賀県大津市坂本本町4220
Tel｜077-578-0001
参拝時間｜9:00〜16:00
※境内地区や時期によって一部変動あり
参拝料｜一般1000円、高中生600円、小学生300円
www.hieizan.or.jp

③高野山［和歌山県］
空海がいまも瞑想をする真言密教の根本聖地

伝説によると真言宗の開祖・空海は、密教の根本道場にふさわしい場所を見つけるため、唐から三鈷杵（さんこしょ）という仏具を投げた。帰国後、高野山で金剛杵を見つけた空海は、ここに壮大な伽藍（がらん）の建設をはじめた。「金剛峯寺（こんごうぶじ）」の奥之院では、空海は死んだのではなく、ここでいまも瞑想しているとされる。

金剛峯寺（こんごうぶじ）
住所｜和歌山県伊都郡高野町高野山132
Tel｜0736-56-2011
参拝時間｜8:30〜17:00
参拝料｜一般1000円、小学生300円
www.koyasan.or.jp

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山伏たちが命懸けの修行を行った
「日本三大修験道」
 
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