NTTインターコミュニケーション・センター［ICC］
「最先端テクノロジーがアートと融合する」

休日は知識や見識を広め、感性が磨かれる美術館巡りへ出掛けませんか？　都内にはさまざまなジャンルのアートが楽しめる美術館が数多く点在しています。また作品のみならず建築や庭園の美を楽しむのも美術館巡りの醍醐味です。気軽に足を運べる東京都内にある美術館の魅力を伝える本企画。今回は、最先端テクノロジーとアートの融合が愉しめる、「NTTインターコミュニケーション・センター」を紹介します。

白いマシュマロのようなかたちをしたオブジェ『マシュマロモニター』作：岩井俊雄　撮影：木奥恵三

科学と芸術の融合、コミュニケーションをテーマにメディア・アート作品を紹介する文化施設。

施設の基本構想は1990年にスタートし、施設オープンまで8年近い歳月を要した。その間、アート&サイエンスに関わるイベント開催や情報発信のための機関誌『Inter Communication』を発行。これらの成果と蓄積を踏まえて施設のオープンに至った。

オープン以来、バーチャルリアリティやインタラクティブ技術をはじめとした最先端テクノロジーを使ったメディアアートを紹介してきたほか、ジャンルを超えた企画展を開催。また作品展示にとどまらず、ワークショップやパフォーマンス、シンポジウム、出版など、さまざまなプログラムを通じ、枠組みにとらわれない実験的な試みや表現、コミュニケーションの可能性を紹介している。

年度ごとに開催される「オープン・スペース」展は、入場無料で、十数点のメディア・アート作品を鑑賞することができる。また、夏休み期間には小・中学生を主な対象とした「キッズ・プログラム」も実施。

館内には個室のあるベビーコーナーも設置され、家族にもやさしいミュージアムだ。

メディア環境の「多様性」を伝える

同施設では、アーティストたちの最新表現に触れられる2タイプの作品を展示。ギャラリーやミニシアター、映像アーカイブ「HIVE」など、ICCが持つ機能を総合した長期展示「オープン・スペース」では，メディア・アート作品をはじめ、現代のメディア環境における多彩な表現を紹介。また、特定のアーティストやテーマにフォーカスした企画展示も年に1度開催している。

アーティストの発想や考えに触れる

展覧会会期中には、展示作品への理解を深めることを目的とした，出品作家によるアーティストトークやパフォーマンスも行われる。また「オープン・サロン」として、国内外のアーティストや有識者などのゲストによるトークイベントやパフォーマンス、特定のテーマで議論を行なうシンポジウムなども開催され、ジャンルを超えた交流の場となっている。これらのイベントはインターネット中継も行なわれ、世界へ発信される。

これは必見！当館の個性の極み

グレゴリー・バーサミアン 《ジャグラー》1997年　撮影：大高隆

「ICCから制作委嘱されたこの作品は、19世紀に発明された映像装置であるゾーイトロープの仕組みを応用した立体的な彫刻によるアニメーションです」

NTTインターコミュニケーション・センター［ICC］
住所｜新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階
Tel｜0120-144-199
開館｜11:00〜18:00
休館日｜月曜（祝日の場合は翌日）、2月第2日曜、8月第1日曜
料金｜展覧会によって異なる
交通｜京王新線初台駅東口から徒歩2分
駐車場｜あり
https://www.ntticc.or.jp/ja/

2018年別冊「TOKYO美術館」