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北欧ヴィンテージ家具専門店「HIKE」
大熊健郎の東京名店探訪

2020.7.29
北欧ヴィンテージ家具専門店「HIKE」<br>大熊健郎の東京名店探訪

「CLASKA Gallery & Shop “DO”」の大熊健郎さんが東京にある名店を訪ねる《東京名店探訪》。今回は暮らしに合わせた提案を大切にする中目黒の北欧ヴィンテージ家具専門店「HIKE」を訪れました。

大熊健郎(おおくま・たけお)
「CLASKA Gallery&Shop “Do”」 ディレクター。国内外、有名無名問わずのもの好き、店好き、買い物好き。インテリアショップ「イデー」のバイヤー&商品企画、「翼の王国」編集部を経て現職。
www.claska.com

店舗以外にも、徒歩すぐのマンションの一室でHIKEのセレクトを見られる

北欧スタイル、といえばインテリアや雑貨の世界ではすっかり定着した感がある。北欧という風土の中でこそ生まれ、優れたデザイナーたちによって育まれた北欧のデザイン文化は、いまやトレンドを超え世界中で愛される存在となった。

とりわけデンマークを中心とするヴィンテージ家具の人気は今日不動のものとなっている。その魅力をいち早く紹介し、日本における北欧のヴィンテージ家具ブームに火をつけたといっても過言ではないのが今回紹介するHIKEである。

家具はどれもその構造を熟知した丁寧なリペアでヴィンテージとは思えない美しい仕上がり

中目黒の喧騒を抜け、閑静な東山地区にオーナーの須摩光央さんが店を構えたのが20年前。オープン当初から多くの人を惹きつけてきたのは、北欧のヴィンテージ家具を専門に扱う店という新しさもあったが、それ以上にこの店のプレゼンテーション力の高さによるところが大きかったのではないだろうか。

ところ狭しと物が並ぶ従来のアンティーク店とは異なり、HIKEではシーンとしての提案、いまでいうライフスタイル提案を大切にしてきた。それは「限りある資源としてのヴィンテージ家具の価値と魅力を丁寧に伝えたい」という想いあってこその方法論。その姿勢は20年経ったいまも変ることなく、いつ店を訪れても店の隅々まで神経の行き届いた静かで品のある店内を堪能させてくれる。

この店が誕生した経緯がまたおもしろい。須摩さんご夫妻があくまで新婚旅行先として向かったデンマークで、北欧のヴィンテージ家具の素晴らしさに魅了され、結婚のお祝いでいただいたお金を元手に、いきなりコンテナいっぱい買い付けをしたのがはじまりだったという。

ボーエ・モーエンセンの「スポークバックソファ」
左アームの傾きは革ひもで調整可能。シンプルなフォルムながら、機能性を兼ね備えたこのソファは北欧家具の銘品

当時家具店に勤めていた須摩さんだが、家具を買い付けるために旅行をしたわけでもなく、また輸入の経験もない中、現地の日本大使館に連絡して運送会社を紹介してもらうところからはじめたというからその度胸と行動力には驚くばかり。それだけ北欧のヴィンテージ家具が須摩さんを強く印象づけたということだろう。

現在は50、60年代の家具を中心に、その他ビスポーグと呼ぶオリジナル家具、HIKEが選んだエバーグリーンな価値のある現行品の家具や照明も扱う。

50年代と今日では当然ライフスタイルも変化している。ヴィンテージ品だけでは埋められない部分をオリジナルなどで補うことで、よりHIKEらしい現代の暮らしに合った世界観の提案を実現している。核となる部分に日々磨きをかけ続け成熟していく、そんな大人の店である。

HIKE
住所|東京都目黒区東山1-10-11
Tel|03-5768-7180
営業時間|11:00〜18:00
定休日|火、水曜
www.hike-shop.com

photo : Atsushi Yamahira
2019年5月号 特集「はじめての空海と曼荼羅」


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