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ニッポンのカニ図鑑

2020.12.25
ニッポンのカニ図鑑

ひとくちにカニといってもミソがおいしいもの、脚肉がおいしいものと種類も食べ方もさまざまです。旬の詳細は獲れる地域で異なりますが、一般的な情報をご紹介します。

モクズガニ【イワガニ科】

◎地方名 カワガニ、ツガニ
◎時期 9〜11月
モクズガニの魅力はなんといっても内子。かすかに酸味があり、濃厚で甘い。蒸すか茹でるかして食べる。海で生まれ、川で育つ。秋から冬にかけて産卵のため川を下るのを狙って漁をする。上海蟹とは近縁種。

ズワイガニ【クモガニ科】

左がオス 右がメス

◎地方名 越前がに、松葉ガニ、間人(たいざ)ガニ、ミズガニ(オス)、セイコガニ(メス)、コッペガニ(メス)、コウバコガニ(メス)
◎時期 11〜3月
越前がに、松葉ガニ、よく聞く名前だが、実は同じズワイガニのオスのこと。メスはセイコガニと呼ばれ名前が違う。メスは内子の美味しさがたまらない。カニの中でも高級品。日本では日本海側と東北の太平洋側で獲れる。

タカアシガニ【クモガニ科】

◎時期 2〜4月
大きいものだと脚を広げると、なんと最大3mにもなるという、世界最大のカニ。カニのなかでも古い種で、生きている化石とも。太平洋岸の水深200〜600m前後の深海に生息。西伊豆の戸田(へだ)が有名。蒸して食べるのがおすすめ。

ベニズワイガニ(オス)【クモガニ科】

◎時期 9〜6月
ズワイガニより深い水深1000mぐらいのところに生息。ズワイガニの仲間だがより水分が多く、鮮度が落ちやすい。茹でる前から赤いため、この名が付けられている。日本海全域と東北地方の太平洋沿岸でとれる。

タラバガニ【タラバガニ科】

◎時期 3〜11月
たっぷりとした脚肉が美味。カニと名前はついているが、実はヤドカリの仲間。カニ類は爪がある前脚と4対の歩脚をもつが、タラバガニはうち1対が退化して隠れている。北海道周辺の水深30〜360mのところに生息。

ガザミ【ガザミ科】

◎地方名 ワタリガニ、ヒシガニ
◎時期 オスが5〜9月、メスは11〜2月
ワタリガニとして、一般的に知られているカニ。古来から食べられているカニで、国内全域で獲れる。茹でて食べることが多く、なめらかな身は上品な味わい。ミソや内子も美味。一年中とれるがオスとメスで旬が異なる。

ケガニ【クリガニ科】

◎地方名 オオクリガニ
◎時期 通年
北海道を代表するカニ。オホーツク海と太平洋側で多く獲れる。脚が短いため身はあまりとれないが、ミソや内子がとにかく美味。茹でて食べるのが一般的。獲れる場所によって旬は異なるが年間を通じて獲れる。

ハナサキガニ【タラバガニ科】

◎時期 4〜9月
熱を熱を加えると鮮やかな朱色に変わることから、この名がついたといわれている。殻が固く、トゲも多い。カニとついているが、ヤドカリの仲間に分類される。煮たり、味噌仕立ての鉄砲汁にして食べるのが一般的加えると鮮やかな朱色に変わることから、この名がついたといわれている。殻が固く、トゲも多い。カニとついているが、ヤドカリの仲間に分類される。煮たり、味噌仕立ての鉄砲汁にして食べるのが一般的。

text:Akiko Tomoda photo:福井県、静岡県水産技術研究所(タカアシガニ)、道総研水産研究本部(タラバガニ、ハナサキガニ)
2012年12月号 特集「冬の味覚でおもてなし」

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