岡本太郎記念館
「パワーみなぎる芸術の数々に出合う」
休日は知識や見識を広め、感性が磨かれる美術館巡りへ出掛けませんか? 都内にはさまざまなジャンルのアートが楽しめる美術館が数多く点在しています。また作品のみならず建築や庭園の美を楽しむのも美術館巡りの醍醐味です。気軽に足を運べる東京都内にある美術館の魅力を伝える本企画。今回は、パワーみなぎる芸術の数々に出合える、「岡本太郎記念館」を紹介します。
表参道の喧騒を離れた裏通りに佇む「岡本太郎記念館」。
ここは、岡本太郎が84歳で亡くなるまで50年近くも生活し、活動の拠点とした、アトリエ兼自宅だった場所だ。太郎が両親とともに幼少期を過ごしたこの地に、住居兼アトリエを建設したのが1954年のこと。42年もの間暮らしたこの場所を、 1998年に記念館として公開。設計したのは、パリ時代の盟友でもある建築家・坂倉準三。コンクリートブロックの上にレンズ型の屋根を乗せるというユニークな建築は、当時も話題を集めた。
絵を描き、原稿を口述し、彫刻と格闘し、巨大なモニュメントや壁画など、あらゆる作品の構想を練り、制作したこの空間には、彼のエネルギーが今も満ち溢れている。
エントランスを入ってすぐの庭には、バナナの木に似た植物・バショウやカミヤツデなどが生い茂る。その草木と共存するかのように、大小さまざまな太郎の彫刻作品があちらこちらに置かれており、そこに足を踏み入れれば一瞬のうちに〝岡本太郎ワールド〟へ引き込まれてしまう。
サロン内には、太郎の等身大人形とともに、食器や椅子、オブジェなどの作品が並べられている。カラフルで奇抜なデザインの作品たちを見ていると、まるで岡本太郎の絵の中に迷い込んだような感覚すら覚えてしまう。
奥の部屋は、画材道具や本などが生前のまま残された太郎のアトリエ。2階は企画展示室となっており、岡本太郎にちなんだ企画展が年に約4回開催されているので注目だ。
ここを訪れる誰もが、太郎の作品に元気をもらい、想像力をかき立てられるに違いないだろう。
『未来を拓く』『縄文人』など、さまざまな彫刻、陶芸などが並んでいる
スタッフが教える!当館の魅力
作品に座ることができる
『坐ることを拒否する椅子』(1963年)
「大きな目でにらみつけたり、牙をむき出しにしたり、しかめっ面をしたり……。さまざまな表情で座ることを拒否している椅子たちと対話しながら、実際の座り心地を体験してみてください。」
施設紹介
岡本太郎記念館
住所|港区南青山6-1-19
Tel|03-3406-0801
開館|10:00〜18:00(最終入館は閉館30分前まで)
休館日|火曜(祝日の場合は開館)
料金|一般 650円
交通|東京メトロ銀座線ほか表参道駅A5出口から徒歩8分
駐車場|なし
https://taro-okamoto.or.jp/
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photo:Kazutaka Yanai
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