《根津美術館》
南青山の真ん中で自然と古美術に浸る
休日は知識や見識を広め、感性が磨かれる美術館巡りへ出掛けませんか? 都内にはさまざまなジャンルのアートが楽しめる美術館が数多く点在しています。また作品のみならず建築や庭園の美を楽しむのも美術館巡りの醍醐味です。気軽に足を運べる東京都内にある美術館の魅力を伝える本企画。今回は、南青山の真ん中で古美術と自然豊かな庭園が堪能できる、「根津美術館」を紹介します。
実業家・初代 根津嘉一郎が蒐集した日本・東洋の古美術品コレクションを保存、展示する場として、青山の自邸に1941年に設立された「根津美術館」。若い頃から古美術品に関心を寄せていたといわれる根津氏の蒐集ぶりは豪快を極め、それらのコレクションを単に秘蔵するのではなく、「衆と共に楽しむ」ことが彼の願いだったといわれている。
コレクションは、日本・中国・朝鮮の古代から近世に至る絵画、陶磁器、漆、茶道具など約7400件を数え、国宝7件、重要文化財88件を含むクオリティの高さを誇る。
2009年に新創された和風家屋を思わせる大屋根が印象的な本館は、現代日本を代表する建築家・隈研吾氏の設計によるもの。絵画・書蹟、青銅器、茶の湯の美術などそれぞれの特性に合わせた、趣の異なる6つのギャラリーがあり、落ち着いた雰囲気の中、多彩な展示が楽しめる。
庭園では四季折々の趣きのある風景が楽しめる
館内ロビー前に広がる日本庭園では散策を楽しみたい。年間7回の展覧会を行うことで、訪れるたびに、移りゆく季節の景観を楽しみながら、さまざまなジャンルのコレクションを鑑賞できるよう工夫されている。コレクションをもとに制作されたオリジナルグッズを取りそろえるミュージアムショップや、庭園を望むカフェなど、さまざまなサービスも充実している。
スタッフが教える!当館の魅力
都会の真ん中でのんびり庭園散策を!
「驚かれる方も多い当館の庭園は、約1万7,000㎡。初夏のカキツバタ、秋の紅葉、春の新緑から冬の雪景色まで四季折々の変化に富んだ風景は、当館伝統の“できるだけ自然のように”を心がけた日々の手入れの賜物です」
当館の名作・名品
「当館コレクションの基礎を築いた初代・根津嘉一郎は、明治以降日本・東アジアの貴重な美術品が欧米に流出するのを憂い、精力的に蒐集を行いました。背中合わせに2頭の羊を配したこの青銅の容器(尊)は、類似の作例がロンドンの大英博物館に1体あるのみの貴重なものです。当館入館券やミュージアムグッズにも登場する人気者ですが、長い歴史に育まれた文化を大切にした初代の思いも感じられる作品です。展示室4でいつも皆さんをお待ちしています」
根津美術館
住所|港区南青山6-5-1
Tel|03-3400-2536
開館 10:00〜17:00(最終入館は閉館30分前まで)
休館日|月曜(祝日の場合は翌日)、展示替期間、年末年始
料金|一般 1300円〜 ※オンライン日時指定予約制
交通|東京メトロ銀座線ほか/表参道駅A5出口から徒歩8分
駐車場|あり
https://www.nezu-muse.or.jp/
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