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京都気分を上げる《丹/たん》の和食
京都で朝ごはん|和食編

2023.6.27
京都気分を上げる《丹/たん》の和食<br><small>京都で朝ごはん|和食編</small>

訪れるたびに旅人たちを魅了する街・京都。料亭のエッセンスが詰まった和食から麺やカレー、スイーツまで、いまどんな朝ごはんを京都で楽しみたいですか? 今回は京都気分を上げる和食をご紹介。

京都気分を上げる和食

丹の朝食 2750円
コースではなく最初にすべての品が提供されるので、自分のペースでリラックスして味わえる。朝食時間は2階でのコーヒータイムも含め、1時間半とゆったり。早めの予約がベター

柳並木が揺れる白川のほとり。古都らしい風情豊かなロケーションに建つ「丹」は、名料亭「和久傳」が2016年、 “小さな台所”として構えた一軒だ。
 
同店のルーツは京都府北部・丹後半島。食材など、かの地で育まれる“本当にいいもの”、そして丹の字が意味する「真心」を届けたいという想いが、料理やもてなしを支えている。山椒をふんだんに使った牛丼をはじめ、カジュアルでいて上質な味わいを提供する昼食、炭火焼きや天ぷらなどをアラカルトでゆるりと楽しめる夜。そして「心身ともに、健やかな一日をスタートしていただけるお手伝いになれば」と、朝8時から用意される朝食にも、「丹」の世界観がしっかりと息づいている。

精米のタイミングも絶妙な無農薬の自家栽培米。伊賀の炊飯用土鍋で炊き上げられ、朝の光の中で一粒ひと粒が輝くよう。まさに何物にも代え難いごちそうだ
丹後の畑から届く無農薬栽培の野菜。旬を先取りして演出する“走り”にとらわれず、味ののりがピークの作物を使う。朝食の和え物や蒸し野菜をはじめ、昼や夜の料理にも欠かせない存在

浅漬けの鯖へしこは炭焼きにして香ばしく。蒸した旬野菜は塩ともろみ味噌を添えて。素朴なようで洗練された品々に目移りしそうになるが、こちらのメインディッシュは何といっても炊きたてのご飯だ。朝食の開始時間に合わせて土鍋で炊き上げられ、ふくよかな香りの湯気でゲストを迎える。まずはそのまま澄んだ甘みと旨みを味わい、次に滋味深い料理とともに。1膳目を食べ終わった頃、「お代わりはいかがでしょう?」とさりげなく声を掛けてくれるのがうれしい。2膳目はどうやって食そうか悩ましいが、おすすめは卵かけご飯。濃厚な黄身の風味が口いっぱいに広がり、思わず笑顔になる。

「平均2〜3膳、多い方は4〜5膳召し上がりますね」と店長の山手陽介さんはほほ笑む。朝からこんなにお腹と心が満たされたのは、いつ以来だろう。

2階スペースは、暖かい季節には大きな窓を開放。白川のせせらぎを間近に感じながら、コーヒーやオレンジジュースをセルフサービスで楽しめる。祇園や岡崎など観光名所からほど近い立地なので、食後はそのまま散策に向かうのもおすすめ

大きなダイニングテーブルとオープンキッチンの開放的な1階フロアで、食事を堪能した後は2階へ。センスよくしつらえられたリビングは、親しい友人の自宅に招かれたような心地よさにあふれている。コーヒーなどセルフサービスのドリンクを手に、いい一日のはじまりを確信するはずだ。

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住所|京都府京都市東山区五軒町106-13三条通り白川橋下ル東側
Tel|075-533-7744 
営業時間|朝食8:00〜・9:00〜(2部制)、
昼食12:00〜14:30(L.O.14:00)、
夕食18:00〜22:00(L.O.21:00)
定休日|月曜(祝日の場合は翌日休)、ほか不定休あり

-おしながき-
◎丹の朝食 2750円
 ※コーヒーまたはオレンジジュース付き

 

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《京都で朝ごはん》
和食編| 丹花梓侘
麺編|早起亭うどん鶏そば223
カレー編|喫茶チロルSPICE GATE
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text: Aya Honjo photo: Sadaho Naito
Discover Japan 2023年5月号「ニッポンの朝食」

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