島根県松江市
彩雲堂の「願ひ菓子」
《菓子研究家・福田里香の民芸お菓子巡礼》

民芸とお菓子の甘い関係をひも解いていく、お菓子研究家・福田里香さんの《民芸お菓子巡礼》。今回は島根県松江市にある老舗和菓子店・彩雲堂の「願ひ菓子」をご紹介。
福田里香(ふくだ・りか)
菓子研究家。書籍や雑誌を中心に活躍。14年間にわたり続いている本連載をまとめた書籍『民芸お菓子』が小社より発売中。

勾玉は先史・古代の日本における装身具の一種です。私が勾玉の存在を知ったのは1970年代の民藝関連の雑誌でした。当時、民藝運動の波が勾玉の美しさを再発見。目新しいアクセサリーとして勾玉モチーフがちょっとした流行となり、複製品が出回ったのもこの頃。
出雲大社を有し、神話のふるさとといわれる島根県出雲地方は、古代より勾玉の生産が盛んで、松江市玉造で産出する青瑪瑙を使った出雲型勾玉が有名。出雲民藝紙工房の製品には色とりどりの勾玉模様を散らした、かわいらしい柄の和紙「三椏原色 まがたま漉込み」があり人気です。

また、民藝と縁の深い老舗菓子舗「彩雲堂」は勾玉形の干菓子をつくっています。2013年、出雲大社の大遷宮に合わせて考案したひと口サイズのお菓子。「願ひ菓子」という菓銘は玉造温泉にある「願い石」という名石から着想を得ています。和三盆、いちご、柚子、抹茶、ココアの5種類のフレーバーの詰め合わせ。なめらかな口溶けが特徴で、お茶はもちろんコーヒーにもよく合います。
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彩雲堂
住所|島根県松江市天神町124
Tel|0852-21-2727
営業時間|9:00~18:00
定休日|木曜
https://www.saiundo.co.jp/
text: Ricca Fukuda photo: Wakana Baba
2025年4月号「ローカルの最先端へ。」