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「湯町窯のエッグベーカー」
英国の気品まとう民藝の名品でごはんをつくろう。前編

2021.4.16
「湯町窯のエッグベーカー」<br>英国の気品まとう民藝の名品でごはんをつくろう。前編

湯町窯(ゆまちがま)のエッグベーカーがあれば、魅惑の“半熟目玉焼き”がお手のもの。でも、陶器でありながら直火使用がOK、さらにそのまま食卓へ運んでうつわとしても使える優秀さは、目玉焼き専用にとどめておくにはもったいない。卵をこよなく愛する料理研究家、平野由希子さんがエッグベーカーのさらなる可能性に迫ります。

平野由希子(ひらの・ゆきこ)
料理研究家、J.S.A(日本ソムリエ協会)認定アドバイザー。料理研究家としての活動にとどまらず、大井町「8huit」、根津「76vin」の2店のワインバーを手掛けるなど多方面で活躍中。2015年、フランス政府より農事功労章シュヴァリエ勲章を叙勲

エッグベーカーは、イギリスがルーツです

島根県松江市で大正11年に開かれた窯元「湯町窯」でつくられる民藝の名品、エッグベーカー。美しい目玉焼きを簡単につくることができる、優れものだ。コロンとした愛らしいルックスと、温かい色使いにどこかヨーロッパの雰囲気を感じる人も多いだろう。それもそのはず、これはイギリス人陶芸家バーナード・リーチの指導を受けて誕生したうつわなのである。リーチは河井寛次郎や濱田庄司らとともに、大正年からはじまった「民藝運動」を展開したことで知られる人物。もともと火鉢などをつくっていた湯町窯の先代も彼らに共鳴し、食器や花器などの制作をはじめた。エッグベーカーもその時期に産声を上げ、いまも当時そのままの姿で、つくられ続けている。

まずは、基本の目玉焼きからはじめましょう

1 卵をひとつ、割り入れる
家庭用のガスコンロに魚や餅用の網をのせ、その上にエッグベーカーを置く。そのまま油をひかずに卵をひとつ割り入れる。好みによって油をひいてもいいし、バターを入れれば風味がアップする。

2 蓋をする
すぐに蓋をして、そのまま3~4分火にかける。このとき火力の調整が大切になってくるが、炎がエッグベーカーの底からはみ出ない大きさに留めるのがコツ。つまり、ごくごく弱火で加熱する。

3 白身の具合をチェック
蓋をとり、白身の様子をチェック。蒸らしに入るタイミングを見計らう。写真のように周りが白くなってきたくらいが目安になる。このとき黄身が、まったく固まっていないことが半熟に仕上げるコツ。

4 出来上がり!
再び蓋をし、火を止める。そのまま受け皿の上にのせ、そのままの状態で5分を目安に蒸らし、うつわの余熱で半熟目玉焼きを仕上げる。蓋を開ければ、顔がほころぶかわいらしい一品の出来上がり。

今回紹介したエッグベーカーはDiscover Japan公式オンラインショップにてご購入いただけます。普段の食卓の風景が変わる逸品を。

 

英国の気品まとう
民藝の名品でごはんをつくろう。

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food:YukikoHirano text:DiscoverJapan photo:SatoshiNagare styling:YukiNakabayashi
2016年別冊「ベスト・オブ・ニッポンのうつわ」


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