イザナギとともに多くの神様を生み出す
「伊邪那美神」
日本人なら知っておきたいニッポンの神様名鑑
まだ日本という国がなかった頃、国生みの神イザナギとイザナミによって多くの神々が誕生しました。彼らにはそれぞれ役割や力が与えられ、日本国を統一していきます。では、どのような神様がいるのかご存じでしょうか? 主要な神様のプロフィールを、祀られている神社やご利益とともに紹介する本連載。今回はイザナギの妻、イザナミです。
伊邪那美神(イザナミ)
イザナギの妻で、多くの神々を生み落としたことから、子宝や安産祈願の神として信仰されている。イザナミが祀られている神社では、ご祭神としてイザナギも一緒に祀られることも多い。また、イザナミは、黄泉津大神(よもつおおかみ)の別名を持ち、黄泉国、すなわち冥界の女王という側面も持ち合わせている。
古事記|伊邪那美神
日本書紀|伊弉冉神
基本属性「最古の夫婦神」
たくさんの神様を生むが、ヒノカグツチを生んだことで死んでしまう。黄泉の国に行ってからもイザナギに会うために努力をする健気な妻だった。
代表的ご利益「子授かり」
国生みの女神であり、多くの神様を生んだことから、子授かりのご利益があるとされている。その他にも恋愛成就、夫婦和合、安産祈願がある。
代表的神社
「自凝島神社」
神社のある場所が、イザナギとイザナミが国生みでつくり上げた最初の国土、淤能碁呂(おのころじま)であるといわれる。せきれい石と呼ばれる石があり、つがいのせきれいが止まり御祭神の二神に「交(とつぎ)の道」を教えたとされている。
自凝島(おのころじま)神社
住所|兵庫県南あわじ市榎列下幡多415
Tel|0799-42-5320
読了ライン
日本人なら知っておきたいニッポンの神様名鑑
・天之御中主神/アメノミナカヌシ、高御産巣日神/タカミムスビ、神産巣日神/カミムスビ
・表筒男命/ウワツツノオ、中筒男命/ナカツツノオ、底筒男命/ソコツツノオ
監修者
東條英利(とうじょう・ひでとし)
カルチャージ代表取締役。神社ライター
日本の素晴らしさの再発見と日本人の基礎教養力向上を目的に、執筆・講演活動を行う。全国の神社情報専門ポータルサイト「神社人」を主宰し、現在までに訪れた神社の数は数千社以上。著作に「日本人の証明」(学研パブリッシング)、神社関連書籍や雑誌の監修などを手掛ける。フェイスブックやアメーバブログを日々更新中。
東條英利公式サイト
神社人
text=Hidetoshi Tojo, Hisanori Kato, Takehiro Nanbu
illustration=Hitomi Iha
2013年4月号「新しい歌舞伎入門」