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「L’évo レヴォ」富山県利賀村
忘れられない1泊2日に。

2021.4.6
「L’évo レヴォ」富山県利賀村<br>忘れられない1泊2日に。

地産地消がうたわれて久しいなか、かつてここまで土地と料理が融和したレストランがあったでしょうか。2020年12月末、富山県の山奥にある人口500人の村に移転オープンしたミシュラン星つきレストラン「L’évo」では、店名の通り、究極に「進化」を遂げた富山尽くしの料理を堪能することができます。「富山が自分の料理観を変え、利賀村(とがむら)が価値観をさらに変えてくれた」と語るのは、オーナーシェフの谷口英司さん。富山に惚れ込み、利賀村に惚れ込んだ、谷口シェフの理想がかたちになったこのレストランには、とっておきの体験が待っています。今回は、谷口シェフに伺った利賀村、L’évoの魅力を3つの記事でご紹介します。

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五感を研ぎ澄ませて
「何もしない」を楽しむ

L’évoに泊まったならば、試してほしい過ごし方がある。それは「何もしない」こと。私たちの生活には常に、喧騒がつきまとう。しかし、利賀村のL’évoには、山間を吹き抜け、木々を揺らす風、川のせせらぎ、鳥のさえずりなどの音しかない。こうした環境で、谷口シェフの料理に集中できることは、この上ない幸せだ。携帯電話の電源さえも切って、五感を研ぎ澄ませて1泊2日の滞在を楽しみたい。

1日3組が宿泊できるコテージには、もちろんテレビはないが、風景を切り取る大きな窓がある。チェックインしたら、夕食までの時間をゆったりと過ごそう。サウナ小屋でひと汗流すのもいい。サウナは薪焚き式で、1組ごとに完全予約制なのでプライベートに楽しむことができる。

夕食後には、空を見上げてほしい。晴れていれば、またたく星が驚くほどたくさん見られるに違いない。

ぐっすりと眠った翌朝には、周辺の散歩がおすすめだ。野生動物と出合えるかもしれない。身体が目覚めてきたら、宿泊客のみが食べられるL’évoの朝食が待っている。地元の食材と利賀村の郷土料理の知恵をふんだんに使った谷口シェフ特製の朝食は、どこか懐かしい味わい。

富山県の南砺地方の精神風土を表す「土徳」という言葉がある。L’évoの運営会社「Dotok」の名を土徳からつけたという専務の澤千恵さんに、土地に漂う空気が風土となり、目に見えない力で人を育てるという意味だと教えてもらった。L’évoでいただく料理やL’évoで過ごす時間には、そんな目に見えないエネルギーが満ちている。

シェフの理想がかたちになった
オーベルジュで過ごす

オーベルジュL’évoでは、食事はもちろんのこと、五感を研ぎ澄ませて滞在したい。利賀村のL’évoならではの楽しみを紹介する。

3つの貸し切りコテージ

1日3組限定の宿泊施設は、コテージタイプで、大きなベッドがあるシンプルなコテージと、畳の寝間があるコテージ、テラス付きのラグジュアリーコテージの3部屋。村内の空き家の建具をアップサイクルした家具を配置する。設計は、隈研吾事務所出身で富山市に拠点を置く齋田武亨さん。

サウナ小屋

本場フィンランド式の薪焚きサウナでは、サウナストーンに水をかけるロウリュもできる。冬場には、サウナで火照った身体を小屋の外に積もった雪でクールダウンすることも可能だ。

レセプションルーム

レストランフロアに続くレセプションルーム。ローテーブルはShimoo Design、チェアはスイスの建築家でル・コルビュジエのいとこ、ピエール・ジャンヌレ作品の復刻版。

レストランフロア

オープンキッチンのダイニングはカウンター4席、ホール3卓、個室2室の合計26席。階下には、ジビエの熟成庫やワインセラー、ディジュスティフを楽しめるスペースがある。

翌朝にも感動が待っている

宿泊者のみが食べられる朝食は、利賀村で受け継がれてきた朝ごはんをイメージしたワンプレート。味噌汁には南砺市の種麹店の麹を使い、村で有機農業に励む「みつ子おばあちゃん」の赤カブ漬けや、郷土料理のジャガイモの甘い煮っころがえしの「かっちり」など、一つひとつに利賀村や富山を感じることができる。

細部に光る富山のものづくりの技

Shimoo Designによるレストランフロアの什器には、モメンタムファクトリーOriiのマテリアルが
富山のガラス作家、ピーター・アイビーさんの照明
氷見のフィッシュレザー作家の野口朋寿さんが、黒鯛の皮を使い群遊をイメージした照明

L’évo
住所|富山県南砺市利賀村大勘場田島100
Tel|0763-68-2115
客室数|貸し切りコテージ3棟
レストラン開始時間|ランチ12:00/12:30、ディナー18:00/19:00 ※要予約。提供はコース料理のみ。2万円(税・サ別)
定休日|水曜 ※8月上旬に夏季休業あり
コテージ宿泊料|タイプ別に4万円、5万円、7万円(税・サ別、朝食別途3500円)
IN|15:00 OUT|11:00
Wi-Fi|レストラン棟のみあり ※客室は春頃に開通の計画
施設|レストラン、ラウンジ、サウナ(宿泊者限定)
アクセス|新幹線/富山駅から車・タクシーで約1時間30分、新高岡駅からJR高山本線で越中八尾駅まで30分の後車・タクシーで約1時間
飛行機/富山空港から車・タクシーで約1時間10分
車/富山ICから約1時間15分、砺波ICから約1時間、福光ICから約45分、五箇山ICから約30分
※宿泊者に限りJR越中八尾駅まで送迎可(別途料金)

text: Tomoko Honma photo: Atsushi Yamahira
Discover Japan 2021年4月号「テーマでめぐるニッポン」


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