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渥美半島が農業王国なワケ。

2020.3.16 PR
<b>渥美半島が農業王国なワケ。</b>

かつて愛知県・渥美(あつみ)半島は、わずかばかりの野菜や穀類しか採れない、不毛の大地でした。しかし、いまや100品目に迫る農作物が生産される“農業王国”。そのカギは、先人の遺産と農業に適した温暖な気候、そして高い技術力をもつ生産者にありました。

渥美半島ってどんなところ?

国道259号線と国道42号線を半島先端方面へ周遊する国道は、「渥美半島菜の花浪漫街道」として日本風景街道の一つに認定されている

東京駅から豊橋駅まで、新幹線ひかりで約1時間半。愛知県内の中核都市である「豊橋市」、自然豊かな「田原市」の二市があるこのエリアは、“東三河”とも呼ばれている。イベントやスポットにも事欠かない、居住性にも優れた地域といえる。

見どころが満載の渥美半島!
〈見る〉
太平洋ロングビーチ、豊橋祇園祭、豊橋鬼祭、渥美半島菜の花まつり
〈食べる〉
手筒ちくわ、豊橋カレーうどん、渥美半島どんぶり街道
〈泊まる〉
ホテルアークリッシュ豊橋(豊橋市)、伊良湖ビューホテル(田原市)

生産量はトップレベル!
「農業」は渥美半島の代名詞

日本初の「ガラス温室」。米や麦よりも優れた現金収入を目的として、明治20年頃豊橋市で実用化されたのが、ガラス温室。ボイラーで昼夜の温度差を解消したことで、大葉や花卉、トマト、電照菊などさまざまな作物の生産が可能となった

渥美半島の車窓を彩るのは、新緑色の春キャベツや白菜、真っ赤に熟れたイチゴやトマトが実る温室群。広々とした田園風景に心躍らせながら、「豊橋市のミニトマトは香港にも輸出中」、「田原市の市町村農業産出額は800億円以上」といったニュースを聞くと、渥美半島は大昔から農業が盛んだったものと錯覚してしまう。

だが、かつての渥美半島で繰り広げられていたのは、海を埋め立てての新田開発、第二次世界大戦後の食料難対策としての農地開拓、大正時代の発案から完成まで半世紀を要した豊川用水の大工事という、苦難の歴史。現在ののどかな田園風景の源流には、水を求めてさまよい、困窮を極めた先人たちの苦労があったのだ。

 

半島先端まで約98㎞の「豊川用水」。奥三河にダム湖を設け、高低差を利用した「サイホン方式」で水を引くという壮大なアイデアは、昭和43年に実現。半島先端まで潤す豊川用水は見事農業の起爆剤となり、野菜、畜産の収益は2倍以上に膨れ上がった

肥沃な農地とライフラインが整った現在は、年間平均気温16℃という温暖な気候の中、職人気質あふれる農家が、粛々と大地に向き合う。一つひとつの農産物のクオリティは、各農家の高い栽培技術を裏づけている。

渥美半島に根づくものづくり魂と豊かな自然は、ワークライフバランスを求める若い世代にとっても魅力的。近年、急速に熱を帯びてきている、「移住」や「就農」というキーワードは、高まり続ける農業王国・渥美半島のポテンシャルを端的に示唆している。

渥美半島の次世代を担う、
注目の生産者

半島では、地の利ともいうべき高いポテンシャルを生かし、特色ある作物を手掛けている“とがった”農家も多い。こうした先輩農家との出会いは、農業の新たな可能性も感じさせてくれる。

「日本初!皮まで美味な 無農薬レモンです」
河合果樹園・河合浩樹さん

豊橋市出身、みかん農家の5代目。無農薬レモンのほか、オレンジとレモンの間の子・レモネーディアの生産、世界に2つしか産地がないベルガモットの栽培にも成功。飽くなき挑戦で、地域農業を牽引している

画家・山下清が描いた雄々しい『立岩』に見守られる、河合果樹園のビニールハウス。そこには、河合浩樹さんが手掛ける無農薬レモンが、たわわに実っていた。

「レモンに発生する虫をひたすら観察し、寝場所や隠れ家、食事場所を虫の気持ちになって考えました。結果、害虫やその天敵=益虫が見つかり、無農薬を実現できました。ただ、“虫眼”の会得だけでも、約3年はかかりましたがね」。目尻を下げる元昆虫少年は、果樹園経営者になったいま、虫との強力なタッグを組んだのだ。そんなレモンには、本場イタリアを知り尽くす欧米人ですら舌を巻く。「この皮の薄さとジューシーさは、まるでアマルフィで食べたレモンのようだ」と——。

河合さんが脚光を浴びる理由は、レモンだけではない。こだわりあふれる農家で構成する「豊橋百儂人」を率いて積極的に発信し、シェフと協力して、地域農業を盛り上げながら、後進の指導にあたる。「これからは、気候変動や消費動向なども踏まえ、5年、10年先を見据えないといけません。自身の栽培スタイルを地道に探求できる人が集まってほしい」。トップリーダーの優しくも鋭いまなざしは、渥美半島のみならず、農業の未来を見つめていた。

左)初恋レモンレモネーム。ミニサイズのレモン飴。舐めたときのジュワっとした食感が楽しい(480円)。右)初恋レモン。塩レモンパスタソースなどに最適。数カ月熟成させるとよりまろやかな味わいに(980円)

左)大人の初恋レモンペールエール。オレンジピールとレモン果汁が爽やかな風味を演出。女性にも好評(780円)。中央)初恋レモン果汁 レモネーディア 露纏 睦月の雫。レモネーディアの酸と甘みが凝縮。毎日少量ずつ飲めばヘルシーに(5400円)。右)初恋レモン レモネード。無農薬レモンの風味をてんさい糖が引き立てる。芳醇な味わい(324円)

「ハラペーニョの 理想的な産地です」
DIEZ cafe・小川 史さん

大阪府出身。会社員時代に体調を崩し、自身の価値観を見直す中でサーフィンに出合う。サーファーとして訪れたメキシコで出合ったハラペーニョは、現在の主力。田原消防特殊水難救助隊の講師としても活躍する。

趣味のサーフィンが高じて、美しいビーチがすぐ手の届く田原市に移住してきた、小川史さん。波間から日の出を見るのが毎朝の日課という、生粋のサーファーだ。
「渥美半島は、太陽がとにかくパワフルなところ。ここで農業をしていると、まるで太陽そのものを食べているように感じるんですよ」。農業の経験はなかったが、娘のアレルギーをきっかけに、充実の灌水設備や豊富な道具類、そして近隣住民の知識にも助けられて、土に触れた。メキシコで出合ったハラペーニョのほか、ルッコラやビーツを育てている。

「カフェでも使用するハラペーニョは、食材を引き立てるちょうど良い辛さが魅力。その栽培には、晴天の日が比較的多く、日照時間が長い環境がぴったりだったのです」。ハウス栽培となる冬には、鶏もハラペーニョのそばで放し飼いに。害虫を食べてフンをし、爪で地面にすき込んでくれるばかりか、余分な脇芽も食べてくれる。
「普通は丈の低いハラペーニョを棚仕立てにできたのは、鶏たちのおかげです。これからは、私たち移住者を優しく支えてくれた地域の皆さんに、何かしら恩返しがしたいですね」。エネルギーに満ちあふれた田原の太陽のごとく、小川さんは明るい笑顔を見せた。

左)ペーニョポンズ。ポン酢文化が盛んな大阪出身の小川さんが、手塩にかけて開発。外国人にも人気(1辛・2辛726円、3辛762円)。中央)紫蘇の実 ぺーニョポンズ漬け。紫蘇の実とハラペーニョの辛みが絶妙にマッチ。ご飯のお供にぴったり(小瓶605円、大瓶1650円)。右)ハラペーニョのピクルス。新鮮なハラペーニョの美味しさを封じ込めたピクルス。ほどよい辛みは、食材の旨みを引き立てる。ハンバーガーなどの肉料理に最適(小瓶605円、大瓶1650円)。

今回ご紹介したスポットはこちら!

道の駅とよはし
住所:愛知県豊橋市東七根町一の沢113-2
Tel:0532-21-3500
営業時間:24時間利用可能(ただしTomateは9〜19時、あぐりパーク食彩村は9〜18時 ※食彩村は、毎月第1水曜休館)
www.michinoeki-toyohashi.jp

河合果樹園
住所:愛知県豊橋市中原町南37-1
Tel:0532-41-2033
http://kawaikajuen.jp
※今回紹介した製品はすべて「道の駅とよはし」で購入可(品切れの場合あり)

DIEZ cafe
住所:愛知県田原市赤羽根町天神73
Tel:0531-45-3311
営業時間:10:00〜16:00
定休日:木・金曜

文=成清 陽 写真=林 和也 イラスト=吉本穂花
2020年4月号 特集「いまあらためて知りたいニッポンの美」


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