伊勢神宮の外宮と内宮の全体像を俯瞰してみよう
伊勢神宮入門 – 3
年末年始はもちろん、年を通して伊勢神宮へ参拝に出掛ける人は多いでしょう。しかし、伊勢神宮のことを知っている人はどれくらいいるのでしょうか? 参拝に行く前に、まずは神社の本宗である伊勢神宮のルーツから基礎知識、参拝の際に役立つ情報を紹介する本連載。今回は、内宮と外宮をはじめ125の宮社からなる伊勢神宮の全体像を俯瞰してみよう。
〈外宮〉
豊受大神宮(とようけだいじんぐう)
伊勢市駅から参道を分ほど歩いたところに外宮はある。火除橋を渡るとそこからが神域。神域は89haにも及び、木々に覆われすがすがしい空気が漂う。
まずは第一鳥居で一礼をして正宮へ。皇族が参拝するときは、第二鳥居の手前でご降車してお祓いをお受けになってから神域へと入られるそうだ。正宮で参拝できるのは外玉垣南御門(とのたまがきみなみごもん)まで。参拝後は、100段近い石段を上って、豊受大御神の荒御魂を祀る多賀宮へ。石段の手前に鎮座する土宮(つちのみや)や風宮(かぜのみや)にも立ち寄りたい。神楽殿付近には、外宮の摂社、末社、所管社のお祭りが行われる九丈殿と、雨天のときのお祓いなどが行われる五丈殿などがある。最後に見ておきたいのは、神さまのために毎日食事を調理する忌火屋殿(いびやでん)。二重板葺、切妻造の建物が特徴だ。
〈内宮〉
皇大神宮(こうたいじんぐう)
外宮から約5km離れた場所に内宮がある。内宮といえば長さ101.8m、幅8.42mの宇治橋だ。日常から神聖な世界への架け橋といわれ、橋脚には39本のケヤキを使い、欄干には16基の擬宝珠(ぎぼし)が置かれている。
橋を渡って向かいたいのは、五十鈴川のほとりの御手洗場(みたらし)。倭姫命がここで御裳(みも)の裾をすすいだといわれ、この水で清めてから正宮へ向かうのがよいだろう。神楽殿を通って正宮へ。こちらもやはり神々しい空気を感じることができる。荒祭宮、御稲御倉(みしねのみくら)、御酒殿(みさかどの)など見どころもたくさんあるので、ゆっくりと歩きたい。
神域の内はどうなっているの?
神宮内宮正宮配置図
瑞垣内は、正殿・西宝殿・東宝殿の3つからなる。周りには幾重にも御垣がめぐらされており、直接目にすることはできない。現在、図の「古殿地」を新御敷地として新たな建物を造営している。
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伊勢神宮
住所|三重県伊勢市宇治館町1
Tel|0596-24-1111(神宮司庁)
伊勢神宮入門
1|古事記からひも解く伊勢神宮のルーツ
2|知っているようで実は知らない神宮の基本
3|外宮と内宮の全体像を俯瞰してみよう
4|伊勢神宮の見どころを厳選して案内!
text=Ichiko Minatoya,Takehiro Nambu photo=Harumi Obama,Ko Miyaji,Haruo Nakano,Tsutomu Watanabe illustration=matya、A2WORKS
2017年 別冊「伊勢神宮と出雲大社」
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