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神聖なパワーを感じる「日本三霊山」
《いま行くべき神社ガイド》

2023.10.3
神聖なパワーを感じる「日本三霊山」<br><small>《いま行くべき神社ガイド》</small>

日本全国には8万を超える神社があるといわれるが、中でもいま訪れるべき神社はどこなのか。宗教史研究家の渋谷申博さんに教えてもらった。
 
三大大仏、三大弁財天、三大稲荷、三大天神など日本の聖地は3つセットで語られることが多い。ここでは霊山に注目し、心身を清めてくれる3種類の「三大○○」を番外編としてご紹介。今回は「三霊山」。姿が美しい山や奇岩怪石の山、険峻な山は神が住む場所と信じられてきた。そうした霊山の中でも、日本を代表するものといえば、この3つだ。

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①立山[富山県]
死者と出会える? 山上の地獄と女人救済の聖地

写真提供=公益社団法人 とやま観光推進機構

富士山や白山と並ぶ三霊山として、立山が古くから信仰の対象になってきたことは、『万葉集』に立山の霊威をたたえる歌が載せられていることからもわかる。信仰を集めた理由のひとつに、死者の霊が赴くところと信じられたことがあり、中世には修験道場に。現在は、立山頂上峰本社などの三社殿から成り立つ「雄山神社」が鎮座している。
 
雄山神社 峰本社(おやまじんじゃ みねほんしゃ)
住所|富山県中新川郡立山町芦峅寺立山峰1
Tel|076-482-1059(芦峅中宮)
参拝時間|24時間
(7〜9月のみ拝殿開山8:30〜17:00)
参拝料|無料
www.oyamajinja.org

②白山[石川県、福井県、岐阜県]
謎の女神が鎮まる白き霊山

加賀国(石川県)・越前国(福井県)・美濃国(岐阜県)にまたがる白山はそれぞれの国に登拝口があり、信仰拠点があった。写真の加賀の「白山比咩(しらやまひめ)神社」は、菊理媛神(くくりひめのかみ)を白山の神として祀る。死者のいる黄泉国へ赴いた伊弉諾尊(いざなぎのみこと)に助言した謎の女神で、穢れを祓い、縁を結ぶ「和合の神」だ。

白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)
住所|石川県白山市三宮町ニ105-1
Tel|076-272-0680
参拝時間|24時間
参拝料|無料
www.shirayama.or.jp

③富士山[山梨県・静岡県]
かつては荒々しかった日本一の霊峰

日本の象徴ともいえる富士山。単に日本一高いというだけではなく、日本人が霊性を感じる山の理想的なかたちをしている。しかし、室町時代頃までの富士山は大噴火を繰り返す荒々しい山であった。ここから「浅間」とも呼ばれていた。「富士山本宮浅間大社」に代表されるように、富士山周辺に「浅間」が付く神社が多いのは、その鎮静を祈ったためだ。
 
富士山本宮浅間大社(ふじさんほんぐうせんげんたいしゃ)
住所|静岡県富士宮市宮町1-1
Tel|0544-27-2002
参拝時間|4〜9月5:00〜20:00、3・10月5:30〜19:30、11〜2月6:00〜19:00
参拝料|無料
http://fuji-hongu.or.jp/sengen

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宗派を越えて信仰されてきた「日本三大霊場」
 
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Discover Japan 2023年8月号「夏の聖地めぐり。」

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