《仙台七夕まつり》
伊達政宗が女性のためにはじめた!?日本一の七夕。
改めて知っておきたい日本の祭り
古くから日本人の暮らしに密着し、土地の風土や文化を表す「祭り」。祭りの中には旅行客が参加できるものも多く、地域の人々と同じ体験を共有できる。また参加することで日本の文化や歴史も学べる。祭りを目的とした旅は、普通の旅行では味わえない特別な体験をもたらしてくれる。
今回紹介するのは東北4大祭りのひとつ、宮城県の「仙台七夕まつり」。豪華絢爛な七夕飾りで知られるこの祭り、実は戦国武将の伊達政宗と深い関係があった!? 仙台七夕の由来や魅力についてひも解いていこう。
※2026年8月6日(木)~8日(土)にかけて開催予定。詳しくは記事下部をご覧ください

東北4大祭りのひとつ、仙台の七夕祭り。全国的に行われている民間の祭りだが、仙台では伊達政宗が女性に「日ごろの労働の苦労をねぎらい、楽しみを与える」という意味から盛大に行うようになったと言われている。
七夕祭りの由来とは?

そもそも七夕まつりとは、中国から伝わる織女と牽牛の物語がルーツにある。機織りが上手な織女にあやかり、織物や針仕事の上達を祈る行事「乞巧奠(きこうでん)」が日本に伝わり、七夕のもとになっている。
日本にもこの時期に、人里離れた水辺の小屋にこもり、乙女が祖霊に捧げる布を織る風習があった。布を織る乙女のことを「棚機女(たなばたつめ)」と言い、七夕の読み方のもとはこの乙女の呼び名に由来する。この風習は夏の水不足から作物が守られるように、夏の疫病から人々が守られるようにと、祖霊に祈る風習だった。
日本の七夕は、この布を奉げる風習と、中国から来た「乞巧奠(きこうでん)」が合わさった行事と考えられる。
もとは布にまつわる技術の上達を願う行事だったが、だんだんと拡大解釈されて、子どもたちが手習いの上達などを願うようになる。さらに時代が進むにつれ、仲が良い夫婦であった織女と牽牛にあやかり、恋愛成就を祈るようになっていった。
伊達政宗が七夕祭りを女性を慰撫する行事にしようと思ったのは、当時女性の仕事であった機織りと七夕という行事が深い関係にあったからだ。
明治維新後、一時的に七夕まつりは衰退したが、昭和2年に商家の有志たちが華やかな七夕飾りを復活。人々の祭り再興への気分を盛り上げたことから、仙台七夕祭りは往時の華やぎを取り戻す。第二次世界大戦中の昭和18、19年こそ火の消えたようになったものの、終戦の翌年昭和21年には焼け跡に竹飾りがたてられ、災厄に負けじとする仙台人の心を奮い立たせた。
10ⅿにもなる大きな吹き流しが並ぶ!
400年の歴史を誇る仙台七夕

古くは七夕にちなむ古歌を、五色の短冊に書き、紙でつくった飾り物とともに笹竹に結び付けて飾り、祭りの終了後川に流す習慣だった。ちなみに川に流すのは飾りや短冊を結んだ小枝の部分だけで、太い幹の部分は物干し竿として使ったそうだ。
仙台七夕まつりの名物は、5~10ⅿほどの高さの煌びやかな吹き流し。その頭に飾られるくす玉は、古くはザルに紙の花を飾り付けていたが、終戦直後の1946(昭和21)年頃、仙台商人の森権五郎という男性が、庭に咲く美しいダリアの花をヒントに軽い球体の竹籠を折り紙で飾るくす玉をつくり、その美しさから多くの人がそれを真似るようになって、現在では仙台七夕まつりの名物になったそうだ。
毎年新しくつくられる笹飾りは数ヵ月前から準備され、なんと一本数十~数百万円するものもあるという。吹き流しは5本1セットで作り、各商店会が工夫を凝らして当日まで飾り付けの詳細がほかに漏れぬように、秘密裏に用意するものらしい。
吹き流しは、「七つ飾り」と言って、短冊・紙衣・折鶴・巾着・投網・篭籠・吹き流しのうちのひとつ。すべて折り紙で表現される。
仙台七夕まつりでは、仙台七夕まつり協賛会が、商店会単位での飾り付けを審査して贈る「団体賞」や、各商店会が店舗の飾りつけを審査して贈る「個人賞」があり、6日の朝から飾り付けられたものをすぐに審査して、6日の午後には各賞が発表される。

現在は通常8月6日から8日まで行われる仙台七夕まつり。この3日間、街は願い事を短冊に託す人々のワクワクするような高揚感に包まれる。吹き流しや飾りは目に鮮やか、触れ合う音は耳に涼しい。東北の玄関口とも言われる仙台に、3日間で延べ100万人が集うともいわれる大規模な祭りになっている。
読了ライン





仙台七夕まつり
開催時期|8月6日~8日 ※22026年8月6日(木)~8日(土)にかけて開催予定
開催場所|仙台市中心部および周辺の地域商店街
Tel|022-265-8185
https://www.sendaitanabata.com
※開催内容は今後変更になる可能性があります。最新情報は公式ウェブサイトを確認ください
ライタープロフィール
湊屋一子(みなとや・いちこ)
大概カイケツ Bricoleur。あえて専門を持たず、ジャンルをまたいで仕事をする執筆者。趣味が高じた落語戯作者であり、江戸庶民文化には特に詳しい。「知らない」とめったに言わない、横町のご隠居的キャラクター。
参考文献=祭りの辞典(東京堂出版)、日本の祭り(実業之日本社)、日本の祭り 旅と観光(新日本法規出版)、暮らしのならわし十二か月(飛鳥新社)、年中行事覚書(講談社学術文庫)
・山王祭(東京・千代田区)
・あばれ祭(石川・能登町)
・蓮華会・蛙飛び行事(奈良・吉野町)
・郡上おどり(岐阜・郡上市)
・那智の扇祭り(和歌山・那智勝浦町)
・浜降祭(神奈川・茅ヶ崎市)
・うわじま牛鬼まつり(愛媛・宇和島市)
・天神祭(大阪・大阪市)
・貴船まつり(神奈川・真鶴町)
・隅田川花火大会(東京・墨田区)
・尾張津島天王祭(愛知・津島市)
・阿蘇神社御田祭(熊本・阿蘇市)
・長岡まつり大花火大会(新潟・長岡市)
・北上・みちのく芸能まつり(岩手・北上市)
・桐生八木節まつり(群馬・桐生市)
・弘前ねぷたまつり(青森・弘前市)
・青森ねぶた祭(青森・青森市)
・松江水郷祭湖上花火大会(島根・松江市)
・秋田竿燈まつり(秋田・秋田市)
・五所川原立佞武多(青森・五所川原市)
・山口七夕ちょうちんまつり(山口・山口市)
・仙台七夕まつり(宮城・仙台市)
・姥神大神宮渡御祭(北海道・江差町)
・よさこい祭り(高知・高知市)
・徳島市阿波おどり(徳島・徳島市)
・精霊流し(長崎・長崎市)
・西馬音内盆踊り(秋田・羽後町)
・大曲の花火(秋田・大仙市)
・岸和田だんじり祭(大阪・岸和田)
・沖縄全島エイサーまつり(沖縄・沖縄市)
・おわら風の盆(富山・富山市)
・時代祭(京都・京都市)
・土浦全国花火競技大会(茨城・土浦市)



































