北海道・江差町《姥神大神宮渡御祭》
かつてのニシン景気をいまに伝える
|一生に一度は行きたいニッポンの祭り⑱
間もなく夏本番! 全国各地から祭り囃子や威勢のいい掛け声が聞こえてくる季節です。そんなニッポンの夏の風物詩「祭り」。なかでも一生に一度はこの目で見たい祭りを、日本の祭りや伝統芸能などに詳しい文筆家の大石始さんの解説でご紹介。地域の風習が刻まれた祭りを通して郷土文化に触れる旅をしませんか?
今回は、ヤマと呼ばれる豪華な山車の競演に圧倒される北海道・江差町「姥神大神宮渡御祭(うばがみだいじんぐうとぎょさい)」をひも解きます。
※2026年8月9日(日)〜11日(火)にかけて開催予定。詳しくは記事下部をご覧ください。
ニシン漁業と交易で繁栄した面影を残す
陸奥国松前一の宮と伝えられる姥神大神宮の例大祭で、夏の北海道を代表する祭りのひとつ。姥神大神宮が1644(正保元)年に現在の場所に移されて以降、江差町(えさしちょう)の短い夏を彩る風物詩として現在まで続いてきた。
江差町はかつてニシンの漁場として栄えた地であり、北前船の交易港でもあった。そのため、江差にはさまざまな文化が持ち込まれてきた。この祭りが祇園祭の流れをくんでいるのは、北前船経由で持ち込まれた京都の文化の影響があるともされる。
祭りの主役は13台の山車と3基の神輿。クライマックスは、町内をめぐった神輿が姥神大神宮の拝殿までの階段を駆け上がる宿入之儀(やどいれのぎ)と、13台の山車が集結する最終日夜の祭り囃子競演だ。
大石 始の見どころ!
歴史上の人物の人形を乗せた由緒正しい「ヤマ」

江差では山車のことを「ヤマ」と呼ぶ。屋台の上にはトドマツを立てて神の依代とし、それぞれのヤマには武田信玄、神武天皇、水戸黄門、日本武尊、伊達政宗などの人形が乗せられている。ヤマごとの魅力を楽しめるのも見どころのひとつだ。ヤマがお供するのは3基の神輿。最も古いものは1694(元禄7)年に制作されたもので、祭りとしての歴史の長さを現代に伝えている。
北海道最古の神社「姥神大神宮」

祭りの舞台となる姥神大神宮は、神宮号を勅許された北海道最古の神社とされている。創建年は不明ではあるものの、社伝では鎌倉時代の創建と伝えられる。江差港を望む小高い丘の上に鎮座しており、ニシン漁の守り神として地域住民によって大切に守られてきた。境内にはニシン漁の始祖として信仰を集める折居姥(おりいうば)も祀られている。
姥神大神宮渡御祭
開催期間|2026年8月9日(日)〜11日(火)
開催場所|北海道桧山郡江差町字姥神町99-1 姥神大神宮ほか
交通|バス/JR函館駅前バスターミナルから江差ターミナル行き乗車、姥神町フェリー前で下車、徒歩約3分 車/JR函館駅から約1時間30分
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《徳島市阿波おどり》
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監修・文=文筆家 大石 始さん
地域と風土をテーマにする文筆家。日本の祭りや伝統芸能などを中心に執筆している。旅と祭りの編集プロダクション「B.O.N」主宰。著書に『異界にふれる ニッポンの祭り紀行』(産業編集センター)など多数
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