〈2026〉夏に訪れたい和菓子店4選
|菓子研究家・福田里香のおすすめ
小誌で長年愛される連載「民芸お菓子巡礼」を手掛ける、菓子研究家の福田里香さんに夏に食べたい、贈りたい涼菓を教えていただいた。訪れてこそ味わえるご当地スイーツから取り寄せできる銘菓まで、目にも涼しいラインアップをご紹介。
菓子研究家
福田里香(ふくだ りか)
小誌連載「民芸お菓子巡礼」を16年間手掛ける。書籍や雑誌を中心に、商品開発や執筆など幅広く活躍。菓子に宿る土地の文化や物語を掘り起こし、その背景まで発信している。

「和菓子は、見た目の涼やかさやつるんと口の中でとろける食感に涼を感じます。たとえば富山『五郎丸屋』の薄氷のように、銘菓が夏仕様になったものは特別感があり、贈り物や手土産にいただくとうれしいもの。納涼祭やお盆などの行事には、東京『日本橋 長門』の久壽もち、京都『老松』の夏柑糖のように、老舗の品格が漂う情緒的なお菓子が喜ばれます。余談ですが、お菓子の褒め言葉は、『美味しい』ではなく『かわいい!』なんです。暑い夏に思わずかわいい!と言いたくなるお菓子は、その佇まいでも涼を運んでくれます」
01|「紀の善」抹茶ババロア

復活した老舗甘味処の名物スイーツ
「東京・神楽坂で長い歴史を刻んできた甘味処。ある日突然閉店するも、2025年夏に神楽坂に戻ってこられ、厨房で25年以上腕を振るってきた製餡職人がいまも伝統の味を守っています。看板商品の抹茶ババロアも健在です。その昔、フランス菓子であるババロアに、イチゴやチョコレートならともかく和素材の抹茶を合わせるという発想が斬新でした。しかもそこに小倉あんと生クリームが添えてあるのですから。最強の三位一体です」

抹茶ババロア
価格|1000円(テイクアウトも同様)
取り寄せ|不可
紀の善
住所|東京都新宿区神楽坂2-12-15 1F
営業時間|月~金曜11:00~18:00(L.O.17:00)、土・日曜、祝日~19:00(L.O.18:00) ※テイクアウトは全日11:00~19:00。在庫がなくなり次第終了
定休日|不定休
Instagram|@kinozen_official
02|「伊勢屋」くずまんじゅう

地元の名水で仕上げる福井ならではの味
「『地元菓子』(新潮社)の表紙でひと目惚れしたお菓子です。『伊勢屋』の近隣地下30mから湧く冷水を用い、本葛100%で生地を練り、こしあんを包み、小さな椀に入れて蒸す。それを店先に引き込んだ湧水に椀ごと浸け、注文が入ってからガラス器に盛ってくれます。絹のようなのど越しで、味わいは一瞬の白昼夢。こしあんはこのお菓子のためにあるのではと感嘆します。取り寄せ不可なので、福井に旅行の予定がある方はぜひ味わってほしいです」

くずまんじゅう
価格|195円(1個)
取り寄せ|不可 ※販売は9月末まで
伊勢屋
住所|福井県小浜市一番町1-6
Tel|0770-52-0766
営業時間|8:30~17:30
定休日|水曜
https://obama-iseya.com
03|「虎屋菓寮 赤坂店」宇治みぞれ 白小倉餡入

白小豆ならではの美味しさを愉しむ
「夏、出掛けた先でお茶をするときに重宝するのが『虎屋菓寮』です。都内だけでも何店舗かあって、青柚子、あんず、秋は栗といったその店限定の味や、小さなポーションを用意しているのがおもしろいところ。覚悟を決めてフルポーションを食べるのは宇治みぞれです。貴重な白小豆でつくる白あんの上にたっぷり氷をかき、宇治抹茶と和三盆糖でつくる濃厚な抹茶蜜をかけたもので、オプションで白玉と練乳、あれば青梅を付けていただきます」
宇治みぞれ 白小倉餡入
価格|1980円(小サイズ1650円)
取り寄せ|不可
虎屋菓寮 赤坂店
住所|東京都港区赤坂4-9-22
営業時間|11:00〜17:30(L.O.17:00)
定休日|毎月6日(12月は営業)
www.toraya-group.co.jp ※提供は9月30日まで
04|「寒天工房 讃岐屋」 あんみつセット 小倉餡

上質な天草寒天をたっぷりいただく
「近くのスーパーで簡易包装のお得なセットを売っていて、夏の間、買い続けていました。地味だけど、美味しいんです。現在のあんみつや豆かんは、明治時代から日本人に愛されてきた甘味。私は寒天の素朴な味わいが好きです。『讃岐屋』は香川から上京された老舗で、寒天は上質な一番天草を用い、いまでも職人が手づくり。だから食感と風味が抜群にいい。お客さまが来るときなどは、一緒にあんみつをつくれるのも楽しいですよ」
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お徳用あんみつセット(簡易包装)小倉餡
価格|4320円
内容|みつまめ寒天、小倉あん、黒みつ、求肥餅、赤えんどう豆
賞味期限|到着後4日
取り寄せ|可
注文方法|WEB
寒天工房 讃岐屋
住所|東京都新宿区高田馬場3-46-11
Tel|03-5489-5489
営業時間|11:00~17:00(喫茶12:00~15:30)
定休日|水曜
www.sanukiya.co.jp
text: Yukie Masumoto photo: Shiho Akiyama
2026年7月号「納涼、しましょ。」































