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「IRORI石巻」地域に開かれたクリエイティブ・ハブカフェ
東北・宮城の“建築 の聖地”をめぐる旅へ

2021.4.7
「IRORI石巻」地域に開かれたクリエイティブ・ハブカフェ<br><small>東北・宮城の“建築  の聖地”をめぐる旅へ</small>

自由でオープンな雰囲気は、石巻のおもしろい未来を描く精神から。絶えず人々が混じりあって生まれる有機的な活力があふれています。

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松村 豪太(まつむら・ごうた)
1974年、宮城県生まれ。NPO法人石巻スポーツ振興サポートセンターのクラブマネジャーなどを経て、震災後に「ISHINOMAKI2.0」を仲間と発足。ラジオ石巻のパーソナリティも務める

松村さんが石巻にもたらしたイノベーション

コーヒースタンド「IRORI+cafe」では、オリジナルブレンドコーヒーやスイーツ、地元クラフトビールなどを提供する

石巻駅から歩いて約10分。古くからの商店街が続く一角に、「IRORI石巻(いろりいしのまき)」がある。「まちのロビー」を掲げるそのスペースは、道に面した側がほぼガラス引き戸。とても開放的で、立ち寄る誰もが自然に受け入れられるような空気感が漂っている。その理由は、運営する「ISHINOMAKI 2.0」という団体の成り立ちが関係している。

震災の前の街に戻すのではなく、新しい未来を石巻でつくりたい。ISHINOMAKI2.0は被災した地元や東京などから集った若い世代の有志が中心となり、「世界で一番面白いまちをつくろう」を合言葉に誕生。2011年には夏祭りに関連したイベントを主催し、年末にはDIYで改装したオープンシェアオフィスをスタートさせた。代表理事を務める松村豪太さんは「クリエイティブ・ハブとしてさまざまな人や物事をつなぎ、石巻になかったものが生まれて広がってきた」と、この10年を振り返る。2016年に2倍の広さに拡大してリニューアルされたIRORI石巻では、コーヒーを片手に仕事をすることも可能。メンバーになれば、CUBEと呼ばれるブースや専用スペースを使用することもできる。さらにメインスペースでは、多種多様なトークイベントやワークショップ、ポップアップストアなどが頻繁に開催されているので、新たな出会いやつながりが期待できる。

キューブ型の半個室スペースで比較的閉じて使用できるタイプの「CUBE2」。WEBミーティングや勉強会などにも対応する

商店街の周辺でも、この10年で魅力的なスポットが現れてきた。至近距離にある「旧観慶丸商店」はそのひとつ。外壁がタイルで覆われた歴史的な洋風建築を残して、展示施設、文化発信拠点としてオープン。そのほか書籍の販売・貸出を行う「石巻 まちの本棚」や、ギャラリー「アートドラッグセンター」など、DIYによる軽やかで自由なスポットが生まれるのも、石巻ならではの動きだ。アートフェスティバル「Reborn-Art Festival」の第3回目も、2021年夏と2022年春に分けて開催され、IRORI石巻は玄関口としての役割も担う。建築だけでなく、アートをめぐる旅のカウンターとしても、立ち寄りたいスポットだ。

半個室スペースの「CUBE1」。鉄の柱と木の梁で組み、板の壁で囲われた空間は会議のほか、展示などにも利用されている
IRORIの奥は、定額のメンバーエリア。気軽に「基地」にでき、オフィスゾーンや会議スペースの利用などで特典がある
HALLの一角の棚では、石巻ならではのデザイングッズや土産物、ISHINOMAKI2.0オリジナルグッズなどを販売している

IRORI石巻
住所|宮城県石巻市中央2-10-2新田屋ビル1F
Tel|0225-25-4953
営業時間|10:00〜19:00(ホール貸出利用は22:00まで)
定休日|なし
http://irori.ishinomaki2.com

text: Jun Kato photo: Teruaki Tsukui illustlation: Takashi Kawakami
Discover Japan 2021年4月号「テーマでめぐるニッポン」


《東北・宮城の“建築の聖地“をめぐる旅》
1|復興応援!いま東北が面白い。
2|世界的建築家・坂 茂が手掛けた女川のシンボル
3|石巻のカフェ「IRORI石巻」でも建築が楽しめます
4|「石巻工房」の持って帰りたい“石巻デザイン”
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6|「フィッシャーマン・ジャパン」の帰っても取り寄せたい東北の美味

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