TRADITION

秋田県・羽後町《西馬音内盆踊り》
しなやかな舞とかがり火に魅了される
|一生に一度は行きたいニッポンの祭り㉑

2024.8.10
秋田県・羽後町《西馬音内盆踊り》<br><small>しなやかな舞とかがり火に魅了される<br>|一生に一度は行きたいニッポンの祭り㉑</small>

間もなく夏本番! 全国各地から祭り囃子や威勢のいい掛け声が聞こえてくる季節です。そんなニッポンの夏の風物詩「祭り」。なかでも一生に一度はこの目で見たい祭りを、日本の祭りや伝統芸能などに詳しい文筆家の大石始さんの解説でご紹介。地域の風習が刻まれた祭りを通して郷土文化に触れる旅をしませんか?

今回は、優雅で抑揚のある動きが特徴の「音頭」、輪廻転生を意味するといわれる動きがある「がんけ」の2種類の振り付けからなる秋田県・羽後町「西馬音内(にしもない)盆踊り」をひも解きます。

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※2024年8月16日(金)〜18日(日)にかけて開催予定。詳しくは記事下部をご覧ください。

都の文化と地域の伝統が融合して生まれた

日本三大盆踊りのひとつに数えられる「西馬音内盆踊り」。かがり火にぼんやりと照らし出されながら、編み笠や頭巾を被った男女が静かに踊るその光景は、どこかミステリアスなものだ。静けさのある囃子とゆったりとした踊りは息をのむほどの美しさ。

西馬音内はかつて北前船によって京都や大阪とつながっていたことから、都の文化が地のものと混ざり合い、独自の盆踊りが形成された。西馬音内という魅力あふれる土地の歴史とともに味わいたい盆踊りだ。

大石 始の見どころ!
端縫い衣装と編み笠
幻想的な雰囲気を醸す装い

衣装の美しさも目を引く。目だけを出した彦三頭巾、複数の布をつなぎ合わせた端縫い衣装、顔を覆い隠す編み笠、鮮やかな藍染め浴衣。興味のある人は、100年以上前の衣装などを展示した西馬音内盆踊り会館にも足を運んでいただきたい。

訪れたらぜひ堪能したい! 西馬音内そば

西馬音内では古くから蕎麦店が立ち並び、現在も観光客から人気を集めている。つなぎに布海苔を使ったコシの強い麺が主流。冬でも冷たいつゆをかけて食べる「冷やがけ」が特徴だ。羽後町観光物産協会のウェブサイトに提供店一覧が公開されている。

開催期間|2024年8月16日(金)〜18日(日)
開催場所|秋田県雄勝郡羽後町 西馬音内本町通り
交通|電車/JR湯沢駅から車・タクシーで約15分 車/東北中央自動車道湯沢ICから約15分

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沖縄県・沖縄市
《沖縄全島エイサーまつり》

 
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監修・文=文筆家 大石 始さん
地域と風土をテーマにする文筆家。日本の祭りや伝統芸能などを中心に執筆している。旅と祭りの編集プロダクション「B.O.N」主宰。著書に『異界にふれる ニッポンの祭り紀行』(産業編集センター)など多数

《一生に一度は行きたいニッポンの祭り》
01|石川県・能登町「あばれ祭」
02|岐阜県・郡上市「郡上おどり」
03|和歌山県・那智勝浦町「那智の扇祭り」
04|神奈川県・茅ヶ崎市「浜降祭」
05|愛媛県・宇和島市「うわじま牛鬼まつり」
06|大阪府・大阪市「天神祭」
07|東京都・墨田区「隅田川花火大会」
08|愛知県・津島市「尾張津島天王祭」
09|熊本県・阿蘇市「阿蘇神社御田祭」
10|新潟県・長岡市「長岡まつり大花火大会」
11|岩手県・北上市「北上・みちのく芸能まつり」
12|群馬県・桐生市「桐生八木節まつり」
13|青森県・青森市「青森ねぶた祭」
14|島根県・松江市「松江水郷祭湖上花火大会」
15|秋田県・秋田市「秋田竿燈まつり」
16|青森県・五所川原市「五所川原立佞武多」
17|山口県・山口市「山口七夕ちょうちんまつり」
18|北海道・江差町「姥神大神宮渡御祭」
19|徳島県・徳島市「徳島市阿波おどり」
20|長崎県・長崎市「精霊流し」
21|秋田県・羽後町「西馬音内盆踊り」
22|沖縄県・沖縄市「沖縄全島エイサーまつり」
23|富山県・富山市「おわら風の盆」

Discover Japan 2024年8月号「知的冒険のススメ」

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