ART

新潟・越後妻有「大地の芸術祭 2022」
津南エリアの作品・作家マップ|前編

2022.7.15
新潟・越後妻有「大地の芸術祭 2022」 <br>津南エリアの作品・作家マップ|前編

世界最大級の国際芸術祭「大地の芸術祭」。22年目となる今年は、38の国・地域から263組の作家が参加。300点以上の作品の中から、目玉となる新作と必見の常設作品をエリアごとに取り上げる。

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大地の芸術祭とは・・・
「人間は自然に内包される」をコンセプトに、国内外の著名なアーティストと地域住民が協働し、210の常設・既存作品に加えて、新作・新展開作品が123点追加。約760㎢にわたる広大な6つのエリアで11月13日(日)まで開催される。

津南エリア

新潟県の最南端にあたり、長野との県境に位置。雄大な河岸段丘が広がり、日本有数の豪雪地帯である一方、夏には高原性の爽やかな気候が続く。縄文時代中期の沖ノ原遺跡は、国の史跡に指定されている。縄文文化や音楽とともにアートに親しもう。

[新作]
①『妻有双六』(2021)
原 倫太郎+原 游/日本

photo: Kioku Keizo

越後妻有の自然や風景を体感しながら遊べる巨大すごろく
舞台は、小学校を改築した『かたくりの宿』。かつての姿をそのままに残す木造体育館に、ピアノやオセロ、跳び箱といった遊具や体育用具のほか、オリジナルの造形物を組み合わせた、巨大なすごろく場をつくり上げた

住所|新潟県中魚沼郡津南町大字結東450-1 かたくりの宿内
開館時間|11:00~16:00
料金|個別鑑賞券300円(かたくりの宿入館料)または作品鑑賞パスポート提示
公開期間|~11月13日(日)
休業日|火・水曜、9月30日(金)~10月2日(月)

[新作]
②『Light book-北越雪譜-』(2022)
松尾高弘/日本

photo: Ishizuka Gentaro

江戸時代の暮らしを再構築
『北越雪譜』は、江戸時代後期の商人・鈴木牧之が、地元・越後における雪国の暮らしをまとめた書物。その中から、越後妻有にまつわる文章と挿し絵を抜粋して作品化。光によって、書物に描かれた光景が現実空間に現れる

住所|新潟県中魚沼郡津南町大赤沢丁154 旧津南小学校大赤沢分校内
開館時間|10:00~17:00(10・11月は~16:00)
料金|個別鑑賞券500円(旧津南小学校大赤沢分校入館料)または作品鑑賞パスポート提示
公開期間|7月30日(土)~11月13日(日)
休業日|【夏】火・水曜/【秋】月~金曜(祝日は除く)

[新作]
③『記憶のプール』(2022)
松尾高弘/日本

光が過去の光景を描き出す
2021年春に閉校した津南小学校大赤沢分校を舞台に、1971年夏に撮影した写真にあったプールのミニチュアを大赤沢の土で再現。水中に現れる光のホログラフィーで、当時の光景を描き出し、記憶を呼び覚ます

住所|新潟県中魚沼郡津南町大赤沢丁154 旧津南小学校大赤沢分校内
開館時間|10:00~17:00(10・11月は~16:00)
料金|個別鑑賞券500円(旧津南小学校大赤沢分校入館料)または作品鑑賞パスポート提示
公開期間|7月30日(土)~11月13日(日)
休業日|【夏】火・水曜/【秋】月~金曜(祝日は除く)

[新作]
④『フロギストン』(2022)
山本浩二/日本

美しくも厳しい自然風景に溶け込む炭化彫刻
木材に彫刻を施した後で炭化させる炭化彫刻で知られる作家。本作は、新潟と長野の山間に点在する、12の集落からなる秋山郷で採取された樹木の炭化彫刻やその写真によって、旧津南小学校大赤沢分校の教室内に“恵みの山”を再現する

住所|新潟県中魚沼郡津南町大赤沢丁154 旧津南小学校大赤沢分校内
開館時間|10:00~17:00(10・11月は〜16:00)
料金|個別鑑賞券500円(旧津南小学校大赤沢分校入館料)または作品鑑賞パスポート提示
公開期間|7月30日(土)~11月13日(日)
休業日|【夏】火・水曜、【秋】月~金曜(祝日は除く)

[新作]
⑤『農具は楽器だ!』(2022)
岡 淳+音楽水車プロジェクト/日本

住民から譲り受けた農具で音楽を奏でる
地元で使われてきた農具や民具を楽器に変えて、津南中等教育学校の体育館に展示。農具の楽器を使ったライブパフォーマンスのほか、津南中等教育学校の生徒たちとのセッションイベントも予定している

住所|新潟県中魚沼郡津南町下船渡丁戊298-1 新潟県立津南中等教育学校内
開館時間|10:00~17:00
料金|個別鑑賞券300円または作品鑑賞パスポート提示
公開期間|7月30日(土)~8月28日(日)、9月4日(日)、10日(土)、11日(日)
休業日|火・水曜、8月26日(金)

[新作]
⑥『三箇の人々は自然の厳しさ恵みを生かし、郷土を育んできた』(2022)
磯辺行久/日本

郷土の歴史・自然を新しい文化につなげる
三箇(さんが)は、日本有数の豪雪地帯である、旧外丸村の北部に位置する辰之口・鹿渡・鹿渡新田の3集落の総称。人々は厳しい自然環境と共生しながら独特の文化を育んできた。その歴史・自然について伝える展示を行う

住所|新潟県中魚沼郡津南町三箇乙
開館時間|屋外展示のため日中
公開期間|7月30日(土)~9月4日(日)
休業日|火・水曜

[常設]
⑦『Air for Everyone』(2012)
アン・ハミルトン/アメリカ

©Oebie

ベルが奏でる音の線が集落と家とをつなぐ
かつて板金職人が暮らしていた空き家を舞台に、ベルやベルを空に飛ばすための道具をつくる職人の仕事場をイメージしたインスタレーション。ひもを引いたり、板を踏んだりすることで、柔らかなメロディーが響き渡る

住所|新潟県中魚沼郡津南町上郷上田乙1594
開館時間|10:00~17:00
料金|個別鑑賞券300円または作品鑑賞パスポート提示
公開期間|7月30日(土)~ 9月4日(日)
休業日|火・水曜

 

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《新潟・越後妻有 大地の芸術祭 2022》
1|越後妻有里山現代美術館 MonET 前編後編
2|越後まつだい里山食堂 前編後編
3|旅の最後は“祈り”のアート『手をたずさえる塔』へ
4|アート里山をめぐる 前編後編
5|ジェームズ・タレルの泊まれるアート『光の館』
6|総合ディレクター・北川フラム氏に聞いた、アートの力で地域の魅力を掘り起こす秘訣とは?
7|十日町エリアの作品・作家マップ 前編後編
8|川西エリアの作品・作家マップ 前編後編
9|中里エリアの作品・作家マップ 前編後編
10|松代エリアの作品・作家マップ 前編後編
11|松之山エリアの作品・作家マップ 前編後編
12|津南エリアの作品・作家マップ 前編後編
13|6エリア別 作品・作家見どころガイド
14|出展アーティスト4名に聞く作品に込めた思い

text: Miyu Narita map: Alto Dcraft
Discover Japan 2022年6月号「アートでめぐる里山。/新潟・越後妻有”大地の芸術祭”をまるごと楽しむ!」

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