新潟・越後妻有「大地の芸術祭 2022」
越後妻有里山現代美術館 MonET
旅のはじまりは「新定番」アートから|後編
世界有数の豪雪地帯として知られる新潟県の越後妻有(えちごつまり)エリア。過疎高齢化の課題を抱えていたこの地は、2000年より開催されている世界最大級の国際芸術祭「大地の芸術祭」によって世界中から注目を集める場所となった。4月29日から開催されている第8回を取材し、アートを道しるべに里山をめぐることで風土・文化を体感する旅の魅力を探る――。
十日町エリア
信濃川の東側に広がる織物産業と農業を主体に形成された地域。「越後妻有里山現代美術館 MonET」や、廃校の小学校を作品として再生した「鉢&田島征三絵本と木の実の美術館」などがある。
「大地の芸術祭」の主要施設のひとつ「越後妻有里山現代美術館 MonET」は、2021年にリニューアルオープンした現代美術界の世界的な注目スポット。多彩な「新定番」アート作品が展示されている。
MonETをめぐると、
地域の風土にも出合えます
2021年にリ・スタートを切った越後妻有里山現代美術館 MonETは、周辺を取り巻く環境や空間をも生かすサイトスペシフィック・アートの美術館としてより厚みを増した。それは、越後妻有ならではの風土の特性に深く向き合った作品や展示された場所の空間、時間の変容を鑑賞者に体感させる作品群を拡充したことによる。
上記のほか、信濃川と水から着想を得た、鏡面に映し出される波紋で表現される作品『Wellenwanne LFO』(カールステン・ニコライ)や、越後妻有の家屋と都会のビルをかたどった銀の小片が、粉雪のように舞い散る『浮遊』(カルロス・ガライコア)など鑑賞を通して地域文化が五感で楽しめる。
越後妻有里山現代美術館 MonET
住所|新潟県十日町市本町6-1
Tel|025-761-7766
開館時間|10:00~17:00(11月13日までは~18:00)
料金|常設展示/一般1000円、特別企画展/一般1200円(常設展示含む)または作品鑑賞パスポート掲示
公開期間|通年
休業日|火・水曜(祝日は除く)
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text: Ryosuke Fujitani photo: Norihito Suzuki
Discover Japan 2022年6月号「アートでめぐる里山。/新潟・越後妻有”大地の芸術祭”をまるごと楽しむ!」