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新潟・越後妻有「大地の芸術祭 2022」
中里エリアの作品・作家マップ|前編

2022.7.8
新潟・越後妻有「大地の芸術祭 2022」 <br>中里エリアの作品・作家マップ|前編

世界最大級の国際芸術祭「大地の芸術祭」。22年目となる今年は、38の国・地域から263組の作家が参加。300点以上の作品の中から、目玉となる新作と必見の常設作品をエリアごとに取り上げる。

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大地の芸術祭とは・・・
「人間は自然に内包される」をコンセプトに、国内外の著名なアーティストと地域住民が協働し、210の常設・既存作品に加えて、新作・新展開作品が123点追加。約760㎢にわたる広大な6つのエリアで11月13日(日)まで開催される。

中里エリア

信濃川をはじめとする川が流れ、日本三大峡谷に数えられる清津峡、国の名勝・天然記念物に指定されている七ツ釜など、豊かな水が生み出した美しい自然景観が特長。150年以上前から伝わる田代神楽でも知られている。水に恵まれる環境を生かした雄大なアートの数々を楽しもう。

[常設]
①『たくさんの失われた窓のために』(2006)
内海昭子/日本

photo: T.Kuratani

窓から見える風景を通して
越後妻有の自然を再発見

棚田を望む丘の上に配された大きな窓。吹き渡る風に白いカーテンがたなびき、窓の外には越後妻有の風景が広がる。越後妻有の自然に圧倒されたという作家が、その自然をもう一度発見するためにつくり上げた作品

住所|新潟県十日町市桔梗原キ1463-1 桔梗原うるおい公園内
開館時間|屋外展示のため日中
公開期間|~11月13日(日)
休業日|火・水曜

[常設]
②『田の玉/白羽毛』(2015)
青木野枝/日本

photo: Ishizuka Gentaro

鋼鉄の球が自然の中に軽やかに浮かび上がる
錆を化粧にしたコールテン鋼板を円形に切り出し、球状につなぎ合わせた巨大な作品。素材の重さを感じさせない軽やかさがある。長年にわたり、白羽毛(しらはけ)集落と交流を深めてきた作家が住民と協働で設置した

住所|新潟県十日町市白羽毛
開館時間|屋外展示のため日中
公開期間|7月30日(土)~10月14日(金)
休業日|火・水曜

[常設]
③『中里かかしの庭』(2000)
クリス・マシューズ/イギリス

photo: ANZAÏ

風景に溶け込むカラフルなかかし
長年、川の氾濫に悩まされてきた中里地区東田尻集落の「田尻の河原」。いまではのどかで美しい田園風景が広がる。その緑の中に、カラフルなかかし18体が点在する。伝統的な鹿の子模様風のデザインも特徴

住所|新潟県十日町市西田尻辛168 瀬戸口温泉近く
開館時間|屋外展示のため日中
公開期間|~10月31日(月)
休業日|火・水曜

[常設]
④『磯辺行久記念 越後妻有清津倉庫美術館[SoKo]』(2015)

“展示しながら、保管する”倉庫美術館
旧清津峡小学校の体育館を山本想太郎さんが改修設計して、大型のアート作品の保管庫とギャラリーを兼ねた美術館としてリニューアル。2017年には校舎棟を改修し、作家・磯辺行久さんの作品を所蔵展示する美術館に

住所|新潟県十日町市角間未1528-2
開館時間|10:00~17:00(10・11月は~16:00)
料金|個別鑑賞券500円(SoKo入館料)または作品鑑賞パスポート提示
公開期間|~11月13日(日)
休業日|【春】月~金曜(祝日は除く)/【夏】火・水曜/【秋】月~金曜(祝日は除く)

[常設]
⑤『磯辺行久の世界―記号から環境へ』(2018)
磯辺行久/日本

photo: Nakamura Osamu

半世紀にわたる作家の仕事の全貌を紹介
『SoKo』で開催される企画展。1950年代から制作を行う作家の多岐にわたる活動を紹介する。作家は自然環境、特に川と人間との関係をテーマに、第1回目の「大地の芸術祭」からダイナミックな作品を展開している

住所|新潟県十日町市角間未1528-2 [SoKo内]
開館時間|10:00~17:00(10・11月は~16:00)
料金|個別鑑賞券500円(SoKo入館料)または作品鑑賞パスポート提示
公開期間|~11月13日(日)
休業日|【春】月~金曜(祝日は除く)/【夏】火・水曜/【秋】月~金曜(祝日は除く)

[新作]
⑥『大地のコレクション展2022』(2022)
大岩オスカールほか/ブラジル・アメリカほか

倉庫美術館ならではの
展示スペースを生かした企画展

『SoKo』で開催される企画展のひとつ。「大地の芸術祭」に参加する作家の平面作品を中心に、多種多様な表現、大小さまざまの作品を展示する。展示作品は購入することもできる

住所|新潟県十日町市角間未1528-2 [SoKo内]
開館時間|10:00~17:00(10・11月は~16:00)
料金|個別鑑賞券500円(SoKo入館料)または作品鑑賞パスポート提示
公開期間|7月30日(土)~11月13日(日)
休業日|【夏】火・水曜/【秋】月~金曜(祝日は除く)

[新作]
⑦『プールの底に』(2022)
Joylabo/アメリカ・ドイツ

プールに響く音が見せる白日夢のような世界
廃校に残されたプールの底に置かれた、翼の生えた黄色いピアノ。ピアノは、本来の音のほかに、幼少期の夏を思い起こさせる世界各地の音を奏でる。ピアノからそびえる木の枝には、鑑賞者が記した白日夢の葉が茂っていく

住所|新潟県十日町市角間未1528-2 [SoKo内]
開館時間|10:00~17:00(10・11月は~16:00)
料金|個別鑑賞券500円(SoKo入館料)または作品鑑賞パスポート提示
公開期間|7月30日(土)~11月13日(日)
休業日|【夏】火・水曜/【秋】月~金曜(祝日は除く)

 

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《新潟・越後妻有 大地の芸術祭 2022》
1|越後妻有里山現代美術館 MonET 前編後編
2|越後まつだい里山食堂 前編後編
3|旅の最後は“祈り”のアート『手をたずさえる塔』へ
4|アート里山をめぐる 前編後編
5|ジェームズ・タレルの泊まれるアート『光の館』
6|総合ディレクター・北川フラム氏に聞いた、アートの力で地域の魅力を掘り起こす秘訣とは?
7|十日町エリアの作品・作家マップ 前編後編
8|川西エリアの作品・作家マップ 前編後編
9|中里エリアの作品・作家マップ 前編後編
10|松代エリアの作品・作家マップ 前編後編
11|松之山エリアの作品・作家マップ 前編後編
12|津南エリアの作品・作家マップ 前編後編
13|6エリア別 作品・作家見どころガイド
14|出展アーティスト4名に聞く作品に込めた思い

text: Miyu Narita map: Alto Dcraft
Discover Japan 2022年6月号「アートでめぐる里山。/新潟・越後妻有”大地の芸術祭”をまるごと楽しむ!」

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