2025年、デザインで楽しむお正月
新年に新調したいもの|後編
茶碗/箸/包丁/グラス/カトラリー
2025年を迎える準備はしましたか? 大掃除を終え、おしゃれなお正月飾りで玄関や家の中を彩れば、歳神様(としがみさま)を迎える準備は万端。
新年を迎えるタイミングで、日常で使うものを新調すると縁起がよいとされています。せっかくなら、使い心地のいいものやずっと欲しかったものを、この機会に手に入れては?
使うほど食卓に馴染む有田焼
「大日窯」のうつわ
大日窯のアイコンとも呼べる飯碗(くらわんか碗)。小ぶりでぽってりと厚く、使うほどに手にしっくりと馴染む。厚手で重心が低く高台が広いため安定感があり、数十年使用しても割れない堅牢さも自慢。有田では酒や汁物にも使われてきた歴史から、いまでも大きな飯碗を汁碗として使う文化が残るそう。こちらの飯碗は大日窯にしか出せない海老茶に似た赤が特徴。山から採取した原料でつくられる天然の呉須の色合いも柔らかな印象。
大日窯
初期有田を踏襲し、1958年の創業以来、天然素材と手仕事にこだわったうつわをつくり続ける有田の窯元。2代目・久保徹の急逝後、妻のトシエさんは廃業を予定していたが、2022年に今泉貴子さんとともに再出発した。
食事の味さえ変える職人技の箸
「大黒屋」の江戸木箸
安定感のある使い心地が特徴の五角研ぎ出し箸。素材は水に強く加工性や仕上がりがよい「鉄木」。五角形であることで、人間工学的に箸を持つ3本の指が奇数の五角面に収まり、正しい持ち方に指を導いてくれる。また五角箸は縁起担ぎで“合格箸”などといわれるので、受験生へのプレゼントにもおすすめ。
大黒屋
木箸職人の竹田勝彦さんが1987年に開業。「江戸木箸」の製造・販売を行う。握りやすくてつまみやすく、食べることに集中できて食事が美味しくなると定評がある。素材によっては先端がつぶれても修繕可能。
機能性とデザイン性を兼ね備える
「淺野鍛冶屋」の包丁
日本で昔から馴染みのあるかたちの包丁。全体的に身幅が広いため安定した力加減で作業ができ、刀匠の手で生まれた切れ味の鋭さによって根菜や葉ものもサクサク切れる。どんな素材にも対応する鍛造包丁で、三層鋼によりさびにくい。
「かわいくて使いやすい包丁を」との発想から誕生。握りやすく力が伝わりやすい形状で、カーブを利用してみじん切りもしやすい。光触媒コーティングの自浄作用によりいつも衛生的。木製スタンド付きなので、仕舞い込まずオブジェのように置いておきたい。写真の若草色と向日葵色のほか、空色、朱鷺色、月白色もある。
淺野鍛冶屋
刀匠・房太郎こと淺野太郎さんが、岐阜県関市に伝わる刀鍛冶の伝統を生かし、驚くほどなめらかな切れ味と機能美を備えた包丁を生み出す。現在は岐阜県羽島市を拠点に、海外で刀鍛冶の魅力を広める一方、SNSでの情報発信も行う。
人気モデルとうつわ職人、小誌がコラボ
「Kanoco × 224porcelain ×Discover Japan」
モデル・Kanocoさんと肥前吉田焼の「224porcelain」、Discover Japanがタッグを組んで完成した「理想のどんぶり」。特徴は、3通りの使い方ができるところ。蓋付きのどんぶりとして使ったり、蓋をどんぶりの受け皿にしたり、蓋を裏返して取り皿に使ったりと、シーンに合わせて使い分けて。モダンな佇まいで幅広い料理に合う。
Kanoco × 224porcelain ×Discover Japan
独特の存在感が人気で数々のブランドとコラボレーションも行うモデル・Kanocoさん。そして佐賀・嬉野の肥前吉田焼の未来を開拓し続ける「224porcelain」。小誌の企画で夢のコラボレーションが実現した。
シンプルで飽きのこないフォルム
「Sghr スガハラ」のシャンパングラス
シンプルで飽きのこない、ベーシックなフォルムのシャンパングラス。細い脚からボディが立ち上がる上品なシルエットが、クリスマスやニューイヤーパーティなどのスペシャルなシーンを盛り上げてくれる。このほか、新年の食卓にふさわしいガラスの徳利や猪口などもぜひチェックを。
Sghr スガハラ
1932年に東京・亀戸にて創業し、現在は千葉・九十九里に工房をもつ「菅原工芸硝子」。創業時より一貫して職人の手作業で制作し、ガラスならではの表情を生かした多彩な製品を展開。日常に寄り添うガラス製品をつくる。
独特な風合いをもつ鋳肌で、食卓が華やぐを
「FUTAGAMI」のカトラリー
真鍮鋳肌を持ち手に生かしたカトラリーシリーズ。鉛フリーの真鍮を使用し、口に当たる部分は磨いて銀メッキを施しているのも安心。鋳物ならではの立体感や細かな凹凸の鋳肌の質感は手に馴染みやすく、使うほどにゴールドの色みが濃くなっていく経年変化も。クリスマスの食卓など特別なシーンで使って食卓を華やげて。
FUTAGAMI
1897年から富山県高岡市で続く「二上」は、仏具を中心に伝統工芸品を手掛けてきたが、2009年に新ブランド「FUTAGAMI」を設立。真鍮やブロンズなどの銅合金を中心に、生活用品、住宅関連品並びにインテリア用品などを展開している。
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お正月は、厄災を払い幸福をもたらす歳神様を迎える行事。つくり手の想いが込められた美しいデザインの正月飾りを飾れば、自分自身も気持ちよく歳神様をお迎えできるはず。現代の生活に馴染む正月飾りで、晴れやかに新年を祝ってみては?
Discover Japan Lab.
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 1F
Tel|03-6455-2380
営業時間|11:00~21:00
定休日|不定休
Imstagram|@discoverjapan_lab
※サイズ・重量は掲載商品の実寸です。同じシリーズでも個体差があります。
text: Miyo Yoshinaga photo: Yuko Okoso
2025年1月号「ニッポンのいいもの美味いもの」