新潟県の逸品、実は鯉でした。
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新潟県は錦鯉発祥の地
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日本庭園内の池を悠々と泳ぐ錦鯉の姿は、日本人にとってなじみ深い光景に違いない。だが一方で、錦鯉の発祥地を聞かれて即答できる人は少ないだろう。
錦鯉が生まれたのは、1800年代初頭の新潟県の中越地域。約3〜4mの豪雪に覆われる山間部では、棚田の最上段で雪解け水をためた池で真鯉を飼育し、冬季用の食糧を賄ってきた。偶然、その中に出現した体色の変わったものを選抜・改良したのが、錦鯉の起源とされている。その後、優れた鯉師と明瞭な厳しい四季によって華やかに変貌した錦鯉は、約半世紀ほどの短期間に100種類を超え、堂々たる地場産業の柱となった。
現在では、新潟県の鑑賞魚、長岡市・小千谷市の魚、日本農業遺産認定第1号にも認定され、錦鯉は多くの人々に愛されている。
生産数日本一!
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現在の品種、約100種類のほとんどを育成するのが新潟県の強み。全国の590ほどの経営体のうち、約320が新潟県に拠点を置く。いずれも家族単位など小規模な事業者が多いのは、各家庭の食糧であった当時の名残だとか。何世代にもわたる鯉師一家も決して珍しくない。
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日本酒のボトルデザインも変えた!
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錦鯉をあしらった日本酒が、「iF DesignAWARD 2016」のほか、世界最大級のパッケージデザインアワード「Pentawards」にて最高賞Platinum を受賞。日本酒におけるパッケージの常識を覆した。
〝ジュエリー・フィッシュ〞として外国人に大人気!
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取引先は世界約50カ国、輸出量は286 tに上る(平成28年度)。かの有名な女性歌手、レディー・ガガが74匹を購入したともいわれる。抜群の人気を誇るのは、日の丸を思わせる模様が特徴の「丹頂」。ちなみに、写真をご覧の通り、錦鯉は上から観賞するのが定番。
近年では、錦鯉を目当てに新潟県を訪れる国内外のファンも多い。鯉師の情熱を身に映した錦鯉は、新潟県の誇りをまとい、世界各国の池をあでやかに彩っている。
写真=hirosui(メインカット)