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料理ごとに選ぶ!冬野菜の王様、大根大研究【後編】

2020.12.6
料理ごとに選ぶ!冬野菜の王様、大根大研究【後編】

冬に食べ頃を迎える野菜で、真っ先に思い浮かぶのが大根。実は日本各地にこんなにたくさんの種類があるって知ってましたか?品種で選ぶ楽しみを、前後編記事にてお教えします。

≪前編を読む

これからの季節、重宝します
煮物料理で楽しみたい品種

ブリ大根におでん、ふろふき大根……。ダシの旨みをたっぷり含んだ大根を味わうひとときはまさに至福。さあ、どの大根でいきますか?

寒さに強く甘みたっぷり
冬の浦大根/三重県

宮重大根系の青首大根。肌がなめらかでツヤがあり、肉質はきめ細かく、甘みが特に強い品種として知られ、高級志向の大根として栽培されている。煮物にはもちろん、シャリシャリとした食感を生かし、地元では漬物にも使用されているとか。

おでん屋さんも一目置く存在
大蔵大根/東京都

江戸時代に現在の杉並区あたりで源内という農民がつくった「源内つまり大根」がルーツ。水分量が少なく煮崩れしにくいので、煮しめやおでんに最適。長さは約60㎝以上、寸胴なフォルムも存在感たっぷり。

京の伝統野菜は最高の味わい
聖護院(しょうごいん)だいこん/京都府

京都市左京区聖護院の地大根。「これでつくるおでんが最高!」とプロの料理人からも評判が高い品種。青首で、カブのような丸いかたちをしており、直径は20㎝ほど。肉質はとても柔らかく、辛みが少なく甘みが強いのが特徴。

煮物用大根の代表といえる存在
打木源助(うちきげんすけ)大根/石川県

金沢市の打木地区を中心に栽培される加賀野菜のひとつ。長さは約30㎝で、ややずんぐりとしたかたちが特徴。きめ細かい肉質で柔らかいが煮崩れしにくく、さらに火の通りも早いのでおでんをはじめとした煮物料理に最適。

世界一大きな大根は鹿児島にあった!

鹿児島県桜島で栽培される「桜島大根」。重さは軽いもので4㎏、大きなものは20㎏(!)にもなる、紡錘形の超ビッグな大根。起源は不明だが、江戸時代には栽培がはじまったことが確認されている。肉質は柔らかく、煮大根に適している。

辛みを生かした楽しみ方です
漬物が絶品!の品種

辛みに特徴のある大根は、昔から生産地で漬物にして食されてきたものが多い。よく見ると、かたちにも特徴があるものばかり!

かつては薬として献上されていた
信州鼠(しんしゅうねずみ)大根/長野県

江戸時代に長崎から伝来し、薬として献上されていたといわれる。長野県全域で栽培され、自家用の漬け大根や「おしぼりうどん」の浸け汁に使われている。長さは約20㎝の徳利形。肉質はキメが粗く水分が多い。甘みの後味に残る、締まりのよい辛みが特徴。

味もかたちも、個性あり!
亀戸大根/東京都

東京都葛飾区亀戸地区を中心に栽培され、別名「お多福大根」とも呼ばれる江戸の伝統野菜。現在では生産者が減り、幻の大根に。長さは約30㎝、肉質はきめ細かく、カブのような柔らかい食感。若干、薬のような味わいも特徴だ。

世界一なが〜い大根!
守口大根/愛知県

愛知県の漬物といえば「守口漬け」。その原料がこの長い大根だ。長いものは約2mにもなるとか! 一般の大根に比べて皮が薄く肉質が硬い。漬物専用として生産されているため、一般の人が買える店頭に並ぶことはまずないという。

まだまだあります!変わりダネ大根

松館しぼり大根/秋田県
「日本一辛い」といわれ、その味わいはまさに眠気も吹き飛ぶほど。鹿角市の松館地区を中心に栽培されている地大根。大根おろし専用として、地元では搾り汁にそばをつけて食べるのがスタンダード。しゃぶしゃぶなど、鍋の薬味にも最適。一度お試しあれ!

黒大根/神奈川県
見た目は真っ黒だが、切ると中身は白い。欧州をはじめとする外国では一般的だが、日本国内ではまだ珍しい存在。皮が厚く、土のような独特な香り、そして薬のような味わいが特徴。生で食べると辛みが強いが、火に通すことで緩和する。

≪前編を読む

text:Discover Japan special thanks:Sakafumi Matsumoto
2012年12月号 特集「冬の味覚でおもてなし」


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