新潟・越後妻有「大地の芸術祭」
出展アーティスト4名に聞く
作品に込めた思い
世界有数の豪雪地帯として知られる新潟県の越後妻有(えちごつまり)エリア。過疎高齢化の課題を抱えていたこの地は、2000年より開催されている世界最大級の国際芸術祭「大地の芸術祭」によって世界中から注目を集める場所となった。4月29日から開催されている第8回を取材し、アートを道しるべに里山をめぐることで風土・文化を体感する旅の魅力を探る――。
「大地の芸術祭」に出展する作品の制作現場を訪れ、4名のアーティストに、越後妻有で表現したいことをうかがった。
大地の芸術祭とは・・・
「人間は自然に内包される」をコンセプトに、国内外の著名なアーティストと地域住民が協働し、210の常設・既存作品に加えて、新作・新展開作品が123点追加。約760㎢にわたる広大な6つのエリアで11月13日(日)まで開催される。
鮮烈な黄色の空間に吊るされているのは、この地でかつて使われていた農具。実際に振るわれていた姿で展示準備をする河口龍夫さんは語る。
「畑を耕し、命を紡ぐ農具は、生きる原点。いまは使われなくなった道具を通してこの大地の恵みをあらためて感じてほしいです」
地域の魂を宿した道具は、さまざまなアートに昇華する。深澤孝史さんは、十日町市七和地区の絆と自由を求める反骨精神を、除雪具で建てる6mのモニュメントで表現。津南町では、加治聖哉さんが地域の廃材に生命を吹き込み、等身大のサメと鰯の魚群が泳ぎ、タカアシガニが歩く水族館をつくる。
そして椛田ちひろさんが、家屋の建具にボールペンで描き出すのは、市ノ沢集落の“流れ”だ。「山々と川、古い道と新しい道、そして地域の文化はつながっている。そのイメージで、ひとつの集落の物語を描きたいと思います」。
住所|新潟県十日町市下条1-324(旧上新田公民館)
時間|10:00~17:00(10~11月は〜16:00)
料金|個別鑑賞券500円または作品鑑賞パスポート掲示
公開期間|~11月13日(日)
休業日|【春・秋】月~金曜(祝日は除く)/【夏】火・水曜
※詳細は公式ウェブサイトを確認
住所|新潟県十日町市新座甲392-1(七和防災センター)
時間|10:00~17:00(10~11月は〜16:00)
料金|個別鑑賞券300円または作品鑑賞パスポート掲示
公開期間|~11月13日(日)
休業日|【春・秋】月~金曜(祝日は除く)/【夏】火・水曜
※詳細は公式ウェブサイトを確認
住所|新潟県中魚沼郡津南町谷内7031(竜ヶ窪温泉 竜神の館内)
時間|10:00~17:00(10~11月は16:00まで)
公開期間|~11月13日(日)
休業日|火・水曜
※詳細は公式ウェブサイトを確認
住所|新潟県十日町市馬場壬848
時間|10:00~17:00(10~11月は16:00まで)
料金|個別鑑賞券300円または作品鑑賞パスポート掲示
公開期間|~11月13日(日)
休業日|【春・秋】月~金曜(祝日は除く)/【夏】火・水曜
※詳細は公式ウェブサイトを確認
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14|出展アーティスト4名に聞く作品に込めた思い
text: Ryosuke Fujitani photo: Norihito Suzuki
Discover Japan 2022年6月号「アートでめぐる里山。/新潟・越後妻有”大地の芸術祭”をまるごと楽しむ!」