ART

新潟・越後妻有「大地の芸術祭 2022」
川西エリアの作品・作家マップ|前編

2022.7.6
新潟・越後妻有「大地の芸術祭 2022」<br>川西エリアの作品・作家マップ|前編
photo: ANZAÏ

世界最大級の国際芸術祭「大地の芸術祭」。22年目となる今年は、38の国・地域から263組の作家が参加。300点以上の作品の中から、目玉となる新作と必見の常設作品をエリアごとに取り上げる。

大地の芸術祭とは・・・
「人間は自然に内包される」をコンセプトに、国内外の著名なアーティストと地域住民が協働し、210の常設・既存作品に加えて、新作・新展開作品が123点追加。約760㎢にわたる広大な6つのエリアで11月13日(日)まで開催される。

川西エリア

信濃川西岸の河岸段丘上に広がる地域。平坦な地形を利用した稲作が盛ん。妻有郷随一の豪農商・星名家の屋敷であり、ジェームズ・タレルさんが作品『光の館』のモデルとした星名邸(国重要文化財)があることでも知られる。子どもも大人も楽しめる屋外作品を満喫しよう。

[新作]
①『里山アートどうぶつ園-どうぶつたちのソーシャルディスタンス』(2022)
約25名作家のプロジェクト/日本

若手作家約25名による
動物彫刻作品が広い芝生に点在

動物をモチーフにした作品が芝生の上に点在する『里山アートどうぶつ園』。2022年夏に発表される新作は、野生動物とちょうどいい距離で共存してきたこの地域の人々のように、里山の動物にとってのソーシャルディスタンスを表現する

住所|新潟県十日町市上野甲2930-3 ナカゴグリーンパーク内
開館時間|10:00~17:00
公開期間|7月30日(土)~9月4日(日)
休業日| 火・水曜

[常設]
②『グリーン ヴィラ』(2003)
たほりつこ/日本

photo: ANZAÏ

宇宙へのメッセージたる
ダイナミックなアースワーク

縄文遺跡が点在する丘陵地を舞台にした地上絵。越後三山を望むこの地の風景から、作家が感じた縄文的エネルギーを象徴する「火」、「水」、「農」、「藝」、「天神」という5つの象形文字が刻印されている

住所|新潟県十日町市上野甲2924-28 ナカゴグリーンパーク内
開館時間|屋外展示のため日中
公開期間|~11月13日(日)
休業日|火・水曜

[常設]
③『レイチェル・カーソンに捧ぐ~4つの小さな物語』(2000)
藤原吉志子/日本

photo: ANZAÏ

環境問題について問い掛ける
4つの小さな物語

故・レイチェル・カーソンは、1960年代に化学物質による環境汚染を告発したアメリカの海洋生物学者。4つの小さな物語を表象する「神殿」、「鳥男」、「ロバ」、「ウサギ」の姿には、環境汚染を続ける社会への痛烈な批判が込められている

住所|新潟県十日町市上野甲2924-28 ナカゴグリーンパーク内
開館時間|屋外展示のため日中
公開期間|~11月13日(日)
休業日|火・水曜

[常設]
④『ベリー・スプーン』(2003)
トゥー・ザ・ウッズ/日本・オーストリア

ベリー栽培を通した場づくり
ベリーを育てることで人々が楽しく集い、かかわり合える果樹園をつくるアートプロジェクト。農業体験やイベントなどを通して、人々の生きる喜びの糧となる場づくりに取り組んでいる

住所|新潟県十日町市上野甲2896 ナカゴグリーンパーク内
開館時間|10:00~16:00
※ジャムづくりのワークショップは10:30~(ベリーがなくなり次第終了)
料金|ワークショップは500円
公開期間7月30日(土)~8月29日(月)
休業日|火~木曜

[常設]
⑤『庭師の巨人』(2000)
エステル・アルバルダネ/スペイン

photo: ANZAÏ

自然という庭をつくった巨人が山中に眠る
キャンプ場へと続く散策道に点在するのは、顔、両手足と5つに分けられた巨人の身体。山中に眠る巨人の身体はどこかなまめかしい。巨人に導かれるように散策しながら、自然とのかかわりについて考えさせられる作品

住所|新潟県十日町市上野甲2924-28 ナカゴグリーンパーク・節黒城跡キャンプ場
開館時間|屋外展示のため日中
公開期間|~10月31日(月)
休業日|火・水曜

[常設]
⑥『森の番人』(2000)
吉水 浩/日本

photo: ANZAÏ

伝統的な織物から取り入れた色彩にも注目
豪雪地でよく見られるかまぼこ屋根から連想したアーチをふたつ合わせて、川西地区の川の字を表している。キャンプ場への道の終点にあり、ナカゴグリーンンパークに立つ斎藤義重さんの作品『時空』と対になって、門の役割を果たす

住所|新潟県十日町市上野甲2924-28 ナカゴグリーンパーク・節黒城跡キャンプ場
開館時間|屋外展示のため日中
公開期間|~10月31日(月)
休業日|火・水曜

[常設]
⑦『詩人の瞑想の路』(2000)
ジョゼ・デ・ギマランイス/ポルトガル

photo: ANZAÏ

点在する作品と出合いながら
森の散策を楽しむ

森の中や水辺など、キャンプ場へと続く散策道に作品が点在する。散策道の先に開ける広場には5つのカラフルな彫刻が並び、それぞれの作品は、鴨長明、世阿弥、井原西鶴、良寛、夏目漱石など、歴史上の人物に捧げられている

住所|新潟県十日町市上野甲2924-28 ナカゴグリーンパーク・節黒城跡キャンプ場
開館時間|屋外展示のため日中
公開期間|~10月31日(月)
休業日|火・水曜

 

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text: Miyu Narita map: Alto Dcraft
Discover Japan 2022年6月号「アートでめぐる里山。/新潟・越後妻有”大地の芸術祭”をまるごと楽しむ!」

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