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『そもざ』に『坐忘林』、そして羊蹄山
世界が憧れるニセコの夏遊び

2020.7.10
<b>『そもざ』に『坐忘林』、そして羊蹄山<br>世界が憧れるニセコの夏遊び</b>
自宅から車で約10分。そこから山道を歩いて30〜40分のところにある鏡沼は、一人でもよく訪れるスポット

いま海外からも熱い注目を浴びているニセコエリア。いち早くその魅力に気づいて移り住み、新たな魅力をつくり出しているショウヤ・グリッグさんに、彼がたどり着いた楽園を案内してもらう《世界が憧れるニセコの夏遊び》。第1回はショウヤさんがなぜニセコエリアに魅せられたのか、その理由を教えてもらいました。

クリエイティブ・ディレクター、写真家
ショウヤ・グリッグ

イギリス出身。13歳でオーストラリアに移住。北海道に憧れ1994年に移住。開業3年目にして日本を代表する宿となった「坐忘林」のクリエイティブにもかかわった

世界屈指のパウダースノーの名所として知られるニセコエリア。蝦夷富士と呼ばれる羊蹄山やニセコアンヌプリをはじめとしたニセコ山系に囲まれ、中央には尻別川が流れる5つの町にまたがるエリア(倶知安町、ニセコ町、蘭越町、共和町、岩内町)だ。

うち、倶知安町、ニセコ町、蘭越町がニセコ観光圏を構成し国際的リゾートエリアを形成している。特にスキーシーズンには、世界中から多くの人が訪れ、まるで異国のような雰囲気になる。冬のリゾートのイメージが強いが、実は夏も魅力的なのをご存じだろうか。

蝦夷富士として親しまれ、ニセコエリアの象徴といえる美しき山・羊蹄山。標高1898m。日本百名山でもある

クリエイティブディレクター、写真家、アーティストでもあるイギリス出身のショウヤ・グリッグさんは、北海道に魅せられ25年前に初来日、そして移住。14年前にニセコに居を構えた。その卓越した美意識で、日本を代表する宿となった「坐忘林」のプロジェクトにもかかわった。いまは自宅の隣にある「そもざ」という古民家を生かしたプロジェクトに邁進中だ。

なぜ北海道、そしてこの土地に惹かれたのだろう?

「24歳の頃、写真集で見た北海道の風景にしびれたんだ。自転車を担いできて、北海道中めぐったよ。地図もなく、自転車とテントしかなかったけどね」。

そもざの地下はアイヌの作家の作品をメインにしたコレクションが並ぶギャラリー

すっかり北海道に魅了されワーキングホリデーで札幌に移住、民家をDIYでリノベーションしてレストランをオープンさせた。そのセンスに惚れ込んだ人々からの依頼で空間デザインを手掛けるようになったそう。

「『そもざ』があるこの場所との出合いは10年前のこと。トレッキングをしていたとき、山の上から見ていいところだな、と思って。牧場があって、故郷のヨークシャー地方とか湖水地方の雰囲気に似てるなとも思ったんだ」。

土地を買ったけれど、当時のここは熊笹だらけ。木に登らないと周りが見えないくらいだったという。自ら重機を動かして切り開いた。「開拓するのが好きなんだ」と言う。

モダンアートのような2階の茶室

そのフロンティア精神と美意識でつくられた「そもざ」は、栃木で出合った約150年前の古民家を移築したもの。持ち主に何度も会いに行き、その熱意に納得してもらい譲り受けたという。

柱や梁は生かし、壁にはもとの茅葺き屋根に使われていた茅を混ぜ込んだ漆喰を用いており、オリジナルのスピリットを継承。そして鉄板やアンティーク素材をモダンアートのように組み合わせている。レストランとギャラリーで構成され、茶室もしつらえられている。宿泊できる棟も現在着工中。いずれ畑もつくり、馬や牛も飼いたいと語る。

古いものと新しいもの、和と洋、異なるものとの幸福な出合いが、新たな価値となる。ショウヤさんの美意識が隅々まで生きた空間に惹かれる海外からのゲストも多い。

text : Discover Japan photo : Mizuaki Wakahara
2018年8月号 特集「あの憧れの楽園へ。」


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《世界が憧れるニセコの夏遊び》
1|人気が高まるニセコエリアの夏の魅力
2|自然の中でインスピレーションを得る
3|夏ならではのアウトドア体験

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