余市町「美酒美食の町」へ邁進。
《Yoichi LOOP》がレストランガイドのゴ・エ・ミヨに初掲載!


「ワインで地方創生」に取り組む北海道余市町のレストラン「Yoichi LOOP」が、フランスの美食ガイド『ゴ・エ・ミヨ2025 日本版』の新たな掲載店として選ばれた。パリで創刊され、料理界で高い信頼性を保ち続けているゴ・エ・ミヨ。今回の「Yoichi LOOP」の受賞により、余市町内の掲載店は2018年に掲載されたイノベーティブレストラン「余市SAGRA」とあわせて2店舗となった。今後、より一層の「美酒美食の町」としての地域づくりに期待が集まる、余市町の試みとは?
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町の風土が育む食材やワインから生まれる
「Yoichi LOOP」の“魅せる”料理
フランス発祥のレストランガイド『ゴ・エ・ミヨ』は、2人のジャーナリスト、アンリ・ゴとクリスチャン・ミヨによって1972年に創刊。現在は世界15ヵ国で展開されており、日本版は2017年に発刊された。
料理の評価のみならず、それぞれの地域で育まれた食材やその調理法、ワインや日本酒などが、現代の感覚をどのように反映しているかに注目する独自の姿勢を貫いており、世界の美食家に信頼と影響を与え続けているガイドブックだ。
その歴史ある『ゴ・エ・ミヨ2025 日本版』で、「Yoichi LOOP」は「2トック(コック帽の数)=料理人の個性を感じるレストラン」として紹介された。

「Yoichi LOOP」は2020年秋、「ワインを楽しむホテル」として余市駅前にオープン。まるでワイナリーの空き部屋に泊まるかような空間と、余市町をはじめ、周辺地域や北海道産の季節の食材を使い「その瞬間の最高」を表現したコース料理、ワインの町として評価が高まり入手困難ともいわれる余市町産のワイン。これらのマリアージュを堪能できるスポットとして観光客や来街者を魅了している。
2025年1月には「Le Musée CONCEPT-C」のシェフを務めた成田汐哉シェフが2代目の料理長に就任。札幌市出身で、ニセコ「KAMIMURA」や東京「カンテサンス」、札幌「Le Musée IDEA」などで研鑽を積んだ。前任の仁木偉シェフの「余市料理」のスピリットを引き継ぎつつ、より五感にうったえる、フレンチをベースとしたオリジナリティーあふれる“魅せる”料理を展開。


オープン当時からソムリエ・サービスマネージャーとして「Yoichi LOOP」を率いてきた倉富さんは、「11年間のフランス修行時代、ゴ・エ・ミヨは憧れを持って手にした本でした。そこに掲載されるとは感慨深い想いでいっぱいです」と笑顔を見せる。
「授賞式の会場では、Yoichi LOOPの立ち上げ時にオーナーから “都会ではなく、地方で輝こうよ”といわれた言葉を思い出しました。これからもここ余市町の風土が育む食材やワインと共に、お客様に特別な時間を提供していきます」と力強く語る。

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世界レベルのワイン産地を見据え、
仏・ジュヴレ・シャンベルタンと親善都市協定を組む

余市町は1980年代より、ワイン用ブドウの栽培が盛んで、町内には50軒を超える農家がある。近年は、冷涼な気候とブドウの生育期の雨の少なさから、国内有数のワイン産地として注目を集め、町内のワイナリー数は20カ所を超える勢いだ。
また、2025年2月にはフランス・ブルゴーニュ地方の銘醸地ジュヴレ・シャンベルタン村と親善都市協定を締結。気候や土壌などの共通点を活かし、「ブドウ及びワイン産業の発展」や「ガストロノミー及び食文化の促進」、「学術・イノベーション分野の協力」など、ワイン文化を通じた相互交流を図ることで合意し、余市産のブドウやワインの国際的な価値の創出に力を注いでいく。

齊藤啓輔町長は、こうした唯一無二の取り組みによって、日本における「世界レベルのワインの産地」として、他の追随を許さない地域づくりの牽引してきた。自らも日本ソムリエ協会のワインエキスパートや、国際資格「WSET」のLevel3を保持するワインラバーだ。
ワイン産業を地域創生の起爆剤をして位置付けるだけでなく、地域資源をいかした「ガストロノミーツーリズム」の推進にも力を注ぎ、今後も美食と観光を融合させた地域づくりを見据えている。
「Yoichi LOOPのゴ・エ・ミヨ掲載は、ガストロノミーツーリズムの推進に大きな追い風となるでしょう。余市町は世界市場を見据えたワインづくりで注目されるだけでなく、日本を代表するウイスキーの産地でもあります。美酒美食の町・余市のこれからの展開にご期待ください」と齊藤町長は語る。
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text:Homma Tomoko