阿寒湖のアイヌ文化にニューノーマル視点で触れる旅
雄大な自然を有する阿寒湖温泉は、釧路市の北部、阿寒摩周国立公園内に位置する温泉地。国の特別天然記念物「阿寒湖のマリモ」が生育する阿寒湖、日本百名山に数えられる阿寒岳(雌阿寒岳、雄阿寒岳の総称)などでは、湖や森、山で数多くのアウトドア・アクティビティが体験できる。
ときに優しく、ときに厳しい自然と向き合ってきたアイヌ民族の生き方が、これからの新しい生活様式や、価値観を見直すヒントになるかもしれない。アイヌ文化で神聖とされている数字は「6」。今回は6つの「感覚」という切り口で、阿寒湖アイヌコタンを紹介する。密を避けた阿寒湖への旅をしてみよう。
阿寒湖温泉・阿寒湖アイヌコタン
アイヌ文化の6つの感覚
①触れ合う
阿寒湖アイヌコタンでは、アイヌ文化の伝統を受け継ぐ人々が民芸品店や飲食店を営んでおり、想いを込めて創作を行う様子を間近で見ることができる上に、店先で気軽に会話を楽しむことができる。アイヌ民族の伝統的なものの見方は私たちの生き方に新たなヒントをくれるかもしれない。
②つくる
アイヌ民族は木彫や刺繍などを生活の中で自然と受け継いできた。阿寒湖アイヌコタンが輩出した著名な工芸作家の作品は、民芸品店や宿泊施設のギャラリーでその作品を鑑賞できる。
現在は、受け継いだ技術をベースに、その手仕事を進化させ、そのインスピレーションを深化させ、新しいものづくりに向かって進んでいる。「AKAN AINU ARTS & CRAFTS→ NEXT」というプロジェクトが進行中で、その中で現代の工芸作家の活動を垣間見ることができる。
③食べる
アイヌ民族の考え方では、動物の肉や魚、木の実や山菜などの食材は、カムイ(神)から与えられるものとされている。自然の恵みに対して感謝し、食材を余すところなく使って調理する。
阿寒湖アイヌコタンには、自ら採取した山菜などを使ったアイヌ料理を提供する店がある。素材の旨味と塩、昆布で味付けをした「オハウ」(スープ)や、鹿肉を使ったメニューなどが楽しめる。飲食店の情報はウェブサイトから見ることができる。
④受け継ぐ
アイヌ民族には、アイヌ古式舞踊が祖先から伝承されている。阿寒湖アイヌシアター「イコロ」では、アイヌ古式舞踊と現代舞踊、デジタルアートを融合させた阿寒ユーカラ「ロストカムイ」のほか、「アイヌ古式舞踊」や「イオマンテの火まつり」など、伝統的な舞踊の公演を行っている。
⑤解き放つ
アイヌ民族は、カムイへの祈りや感謝を神事や踊りに込め、気持ちを解き放ってきた。2021年2月中旬には、伝統的な音楽と和人の音楽のセッションで気持ちを解放する「ウタサ祭り」を予定。幻想的な空間で、音楽や踊りで気持ちを交じり合わせるステージは必見だ。
⑥自然と生きる
アイヌ民族は、自然に語りかけながら植物を採取し、大切な人を想いながら自然をモチーフにした文様を木彫や刺繍で描くなど、自然と人との関係性を大切にしてきた。ガイドツアー「Anytime, Ainutime!」では、アイヌ民族の案内人による自然散策や伝統工芸を体験することができる。アイヌ民族とともに過ごし、自然の見方や考え方をリアルに体験しよう。
阿寒湖温泉へのニューノーマルな旅での特典
阿寒湖温泉を含む釧路市では、参加宿泊施設の利用者に抽選でプレゼントが当たる「#トク旅くしろキャンペーン」を実施中。
また、釧路、阿寒への魅力を伝えるショートムービー「くしろうの出会い」篇を特設ウェブサイトにて公開している。
この機会に、阿寒湖温泉へアイヌ文化に触れる旅をしてみてはいかがだろうか。