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「ル・ゴロワフラノ」倉本聰が監修した富良野の一軒家レストラン【前編】
犬養裕美子のディスカバー ベスト・レストラン

2021.2.18
「ル・ゴロワフラノ」倉本聰が監修した富良野の一軒家レストラン【前編】<br><small>犬養裕美子のディスカバー ベスト・レストラン</small>

どんな小さな店でも、どんな辺鄙な場所でも、『ホンモノ』であれば、必ず人は引き寄せられる。今月も強烈な一店に出合いました!今回は、北海道富良野市のレストラン「ル・ゴロワフラノ」について、前後編記事でご紹介します。

犬養 裕美子(いぬかい・ゆみこ)
東京を中心に世界のレストラン事情を最前線で取材する。新しい店はもちろん、実力派シェフたちの世界での活躍もレポート。また、日本国内各地にアンテナを張り、料理や食文化を取材。農林水産省表彰制度「料理マスターズ」審査員

大塚 敬子(おおつか・けいこ)
子どもの頃から馬が好きで北海道の農業大学を卒業。パティシエールの修業中にシェフと出会い結婚。独立後はマダムとして活躍

東京から北海道へ引っ越しました!

大塚夫妻が馬を飼いはじめたのは、もう10年以上前から。けがをしてレースに出られなくなった競走馬が殺処分されることを知り、引き取ったのがはじまり。ルーカス、勇気、元気、灯ちゃんの4頭は東京からお引っ越し。北海道に来て灯ちゃんが、胡桃ちゃんを生む(現在、別の場所で修業中)。地震や台風など数多くの試練を乗り越え、いまはレストランのそばにようやく安住の地を得た。朝と夕方、遊ぶのは敬子さんも馬たちにも大切な時間。

人気フレンチが北海道へ移転し
イタリアンに変身?

2018年5月28日、新富良野プリンスホテルの敷地に一軒家レストラン「ル・ゴロワフラノ」がオープンした。地元の新聞やテレビでも話題となり、オープン初日から予約の電話が鳴りっぱなし。そのニュースを見ていた人からこんな質問が出た。「〝ル・ゴロワ〞って、フレンチじゃなかった?」。はい、その通り。1997年、表参道にオープンした店はカウンターフレンチの先駆けとして注目を集め、2006年には外苑前に移転。「北海道フレンチ」をテーマにした大塚健一シェフの料理とマダムの敬子さんのデザートとサービス。そんな居心地のよさに熱烈なファンが増えていった。ところが二人の揺るぎない人生設計は、北海道で大好きな馬といっしょに暮らすこと。‘16年5月、そんな夢を実現させるため店を閉め、北海道・富良野へ旅立った。二人を応援してくれたのは富良野在住の脚本家・倉本聰氏だ。その倉本氏のリクエストはなんと「イタリアンをやってくれ」だった。これには二人とも絶句したが、開店準備期間中にイタリア各地を回り、猛勉強。もともと素材に対して的確な調理法で心を込めて仕上げるのが大塚流。フレンチ、イタリアンの〝いいとこ取り〞ではなく〝いいとこ盛り〞となってよみがえった。

シェフの仕事を語るひと皿
旬菜ル・ゴロワサラダ

これぞ「ル・ゴロワ」のスペシャリテ。名物料理がダイジェストで楽しめるファン必食のひと皿。「北海道に来て、盛り込む野菜の数がどんどん増えている」と大塚シェフも驚くほど。まだまだ進化するサラダだ。使っている素材は、山本さんの王様トマト、北海シマエビ、ヤマメ、カリフラワーのピクルス、つぶ貝、水ダコ、人参、タラバガニのフリット、パテ・ド・カンパーニュ、ブロッコリー、ヒノナカブ、ボタンエビ、キクイモ、ホタテ貝のグリル、ミョウガ、黄人参、ワサビ菜、フリルレタス、ルッコラ、紫キャベツ、スイスチャード、白玉ネギ、黒ダイコン、クルミ。
※夜のプリフィクスの前菜で選べる(プラス800円)。

ぼたん海老のスパゲッティ

「北海道に来て一番驚いたのは、魚の鮮度の良さ。東京で仕入れていたときとは全然違う」。エビやカニも豊富に捕れるからこそ、かたちが不揃いでもソースやスープに贅沢に使える。このパスタソースもボタンエビのミソがベース。パスタや素材をシンプルに味わうイタリア的な技法もこだわらずに取り入れる。おまかせコース1万5000円より。

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ル・ゴロワフラノ
住所|北海道富良野市中御料新富良野プリンスホテル
Tel|0167-22-1123
営業時間|12:00~13:30(L.O.)、17:30~20:30(L.O.)
定休日|月・火曜、11/12~20(メンテナンスクローズ)以降は通常踊り
料金|ランチ/3600円、5000円、ディナー/おまかせ1万円、1万5000円、プリフィクス7800
www.princehotels.co.jp/newfurano/restaurant/contents/legaulois

text:Yumiko Inukai,photo:Muneaki Maeda
Discover Japan 2018年12月号『目利きが惚れ込む 職人の逸品』


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