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京都府文化観光大使に就任!
常盤貴子さん“とっておきの”京都の愉しみ方

2023.11.23
<small>京都府文化観光大使に就任!<br></small>常盤貴子さん“とっておきの”京都の愉しみ方

通うほどに好きになり、教えたくなる。京都の人と文化に魅せられた常盤貴子さんの“とっておき”をうかがいました。

常盤貴子さん
神奈川県に生まれ、小学校から中学校にかけて7年間を兵庫県西宮市で過ごす。1993年に俳優デビュー。京都の伝統文化を紹介する紀行番組『京都画報』にレギュラー出演中。今年、京都府文化観光大使に就任

着物姿で店に立つことも多いという仲本さんと、しばしアンティーク談議。「ここに来れば何かある、というお客さんの声がうれしくて」という仲本さんの言葉にうなずく常盤さん。現代の暮らしに取り入れて楽しめる、絶妙なセレクトが光る

月に1、2回は撮影で京都を訪れているという常盤さん。プライベートでも時間を見つけては、お気に入りの場所に足を運んでいる。京都に惹かれはじめたのは、20代前半の頃から。
 
「きっかけは、連れて行っていただいた先斗町のお茶屋さん。花街の景色が大好きになって。女としても俳優としても、知識や気持ちを高めてくれる場所ですね」。いまも女将さんとの交流は続いており、最近も京言葉を使うドラマ出演の際にアドバイスを求めたそう。
 
常盤さんが京都でよく買うもののひとつが、もともと大好きというアンティークのうつわ。まだ食器をあまり持っていなかった20代の頃から、コツコツと集めてきた。「ショップの人とお話しするのも楽しくて。このお皿、あそこで買ったなぁと思い出にもなりますね」。今回訪ねた聖護院の人気店「アンティーク ブルーパロット」も、好きな店のひとつだ。3階建ての広々とした店内に、うつわや家具、雑貨がところ狭しと並ぶ。「友人のスタイリストさんに教えてもらったお店なんですが、いつも宝探しの気分でワクワクします」と話しながら、早速カップやグラスなどを手に取る常盤さん。アンティークショップは価格がわかりづらいイメージもあるが、こちらではすべての商品が値札付き。「骨董ビギナーから通の人まで、気軽にお買い物を楽しんでもらえたら」と店主の仲本優樹さん。柔らかな語り口と豊富なアンティークの知識にファンが多い。

細やかな文様が美しく、価格も手頃な大正期の印判皿。幕末から昭和初期を中心に、コンディションのいい品が豊富に揃う。店名は映画『カサブランカ』に登場する酒場の名前にちなみ、「いつも賑わう場であるように」という思いでつけたそう

京都では食も楽しみという常盤さん。「『五』では、京都にこんなに美味しいお蕎麦があるんだってうれしくなったし、『招猩庵』のおばんざいの優しい味わいにはほっこりさせられます」。無類のコーヒー好きという一面も。「レトロ喫茶なら、昔ながらの雰囲気がすてきな『ユニオン』。自宅用のコーヒー豆は長年『玉屋珈琲店』で買ってます。ここが豆を卸している店でコーヒーを飲むと『玉屋さんだ!』ってわかっちゃうぐらい好き(笑)」
 
料理のクオリティはもとより、提供する“人”にも魅力を感じると話す。
 
「たとえば水炊きの『新三浦』。こちらの女将はいつも明るくて、本当にキュート。『SOMEWHERE』は隠れ家的なバーなのですが、飄々とした店主さんのトークがおもしろいんですよ。京都の人は美意識の高さがすごいし、他人を思いやる心も美しいなと思います。いけずってよく言われますが、その裏にある優しさが見えてくると、より京都がすてきに見えてくるんじゃないかな」とほほ笑んだ。

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アンティーク ブルーパロット
住所|京都市左京区聖護院円頓美町24-1
Tel|075-761-8681 営業時間|10:00〜19:00
定休日|水・第2木曜
 
五(いつつ)
大徳寺のほど近く、料亭「和久傳」による蕎麦と料理の店。「洗練されたお蕎麦の味わいに感激しました。大人の空間という感じの店内もすてき。蕎麦を使ったお菓子も美味です」
住所|京都市北区紫野雲林院町28
Tel|075-494-0500 
営業時間|11:30〜15:30(L.O.15:00)、17:30〜21:00(L.O.20:30) 
定休日|木曜
 
招猩庵(しょうじょうあん)
高瀬川沿いにある日本料理とおばんざい店。「目の前の大鉢からおばんざいを選ぶのが楽しい。春は窓からきれいな桜が見え、人をお連れしても喜ばれます。マスターのトークも最高」
住所|京都市中京区木屋町通二条下ル一之船入町537-7
Tel|075-221-3037 
営業時間|18:00〜23:00 
定休日|日曜、祝日(要予約)
 
ユニオン
烏丸御池エリアで70年にわたって親しまれる純喫茶。店内は山小屋を思わせる個性的なしつらえ。「テーブルによって雰囲気が違うのがおもしろい。コーヒーもとても美味しいですよ」
住所|京都市中京区室町通二条下ル蛸薬師町281
Tel|075-231-0526 
営業時間|8:00〜16:00 
定休日|土・日曜、祝日
 
玉屋珈琲店
1951年創業の焙煎所。焙煎したての各種コーヒーを手頃な価格で提供する。「好みに合ったブレンドをつくってくれるのがうれしい。いつも“貴子ブレンド”をお願いしています」
住所|京都市中京区堺町通蛸薬師下ル菊屋町520
Tel|075-221-2710 
営業時間|8:30〜17:30 
定休日|土・日曜、祝日(第3土曜は営業)
 
新三浦
1918(大正7)年創業の老舗水炊き店。「もともと水炊きが好物で、こちらの味も大好き。時々持ち帰りもさせてもらっています。路地を入るアプローチも京都らしくていいですね」
住所|京都市中京区木屋町通御池上ル上樵木町491
Tel|075-231-1297 
営業時間|16:30〜22:00 定休日|日曜、ほか不定休あり
 
SOMEWHERE
左京区高野の川沿いに佇むカフェ&バー。店主のダンさんがセンスあふれるメニューを手掛ける。「フルーツ×チーズなど素材合わせがおもしろいし、“映えないパスタ”も絶品です」
住所|京都市左京区高野西開町15
営業時間|17:00〜24:00 
定休日|木曜、ほか不定休あり 
※問い合わせはInstagramのDMにて

text: Aya Hojo photo: Mariko Taya
Hair & Make-up: Mika Akita dressing: Yukiko Hattori
衣裳協力=色無地・袋帯(吉祥五節句文)/日本きものシステム協同組合、帯揚げ・帯締め/衿秀

Discover Japan 2023年11月号「京都 今年の秋は、ちょっと”奥”がおもしろい」

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