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奥飛騨の名湯宿「元湯 孫九郎」で
鮮度抜群の温泉にとろける【後編】
温泉ビューティ研究家・石井宏子さん厳選!

2022.6.17
奥飛騨の名湯宿「元湯 孫九郎」で<br>鮮度抜群の温泉にとろける【後編】<br><small>温泉ビューティ研究家・石井宏子さん厳選!</small>

温泉は生きている地球そのものだ。マグマのエネルギーに温められ、その土地の栄養を溶け込ませて全力で私たちを癒してくれる。唯一無二のありがたい生命の源だ。

飛騨山脈は日本列島を東西に分画するホットスポット。高温で湯量豊富な温泉が湧いている奥飛騨温泉郷はスゴイ温泉の宝庫だ。温泉ビューティ研究科の石井宏子さんが、湯力を存分に満喫できると評判の福地温泉「元湯 孫九郎」を訪れた。

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夕食は古民家の食事処で。飛騨の郷土料理や、山の幸を味わいながら飲む地酒がたまらない。飲み比べを注文すると、超辛、フルーティ、濃厚と酒の味わいも多彩だ。雪の下から掘り出した大女将の大根が甘くて美味しい。温泉しゃぶしゃぶで味わう飛騨牛は旨みが口の中でとろけていく。目の前で焼き上げたイワナにかぶりつき、芳醇な地酒をぐびり。てりてりの五平餅のもっちりした食感とちょっと焦げた甘辛味噌が濃厚な原酒に合う。と、飛騨の恵みをマリアージュして楽しんだ。湯煙立つ朝の露天風呂はことのほか美しい。朝食の後、もうひと風呂と、内風呂に浸かって出発したら、家までずっとぽかぽかだった。

<奥飛騨の滋味を愉しめる夕食>

籠盛りの前菜は、いきなり地酒が進んでしまう丁寧な品々が並ぶ。郷土料理「こも豆腐」は、湯葉と豆腐のいいとこ取り、のような味わい。なつめ甘露煮、にしん昆布巻、たたきごぼう、筍木の芽みそ、むかごみぞれ和え、子持ちこんぶ
食前酒の梅酒「寅年の芳男じいさん手作り」。なんと、芳男じいさんとは孫九郎の会長(大旦那)。裏方として宿を支えている
春の訪れを感じる菜の花ごまあえはやさしい味わい。奥飛騨の春はまだ浅く、5月の連休前にようやく桜の開花を迎えるそうだ
お造りは川魚尽くし。脂ののったひだ寒ますはこの季節のごちそう。鯉は酢味噌で、かわふぐ(なまず)の湯引きは旨みのある白身
蒸し物は、大女将が育てた大根を雪の畑から掘り出して調理する。旨みと甘みがにじみ出し、熱々のカニあんがからんで美味しい
「飛騨高山 陣屋とうふ」のおとうふグラタン。ホワイトソースとチーズが濃厚な美味しさ。中は豆腐なので、身体にいいと言い訳ができる
サクっと揚がったワカサギがほろ苦で美味。肉厚の地元産シイタケと、珍しいリンゴの天ぷら。はふはふと揚げたてを味わえる
A5等級の飛騨牛を自家源泉のしゃぶしゃぶでいただく。肉の旨みが増して、野菜まで甘く感じられるのは温泉のおかげと感激の一品
飛騨産コシヒカリのご飯は、ふっくらつやつや。飛騨名産の赤かぶや漬物も自家製。きのこ汁仕立ての煮麺は〆の和みにぴったり
イワナの塩焼きは、テーブルに仕込まれたコンロで焼いて仕上げる。芳ばしい香りが漂ってきて焼き色がついたら熱々にかぶりつく
五平餅をついて握るのは大旦那、揚げて甘辛味噌を塗るのは大女将、焼いて仕上げるのは目の前で、と美味しさをつくる連携で完成
デザートは地元の小豆でつくったぜんざい。小豆の香りとほどよい食感が残っていて、甘さ控えめ。ほっこりと心温まる味わいだ
別注料理の五等級飛騨牛ステーキ陶板焼き。飛騨に来たのだから、肉もたっぷり満喫したいという願いがかなうジューシーな美味しさ

飛騨の暮らしの温もりを感じる食事処
養蚕をしていた家を食事処で活用、囲炉裏のそばには神棚があった柱の名残りも。魚や五平餅を焼きながら地酒をちびちびと。ほどよい距離感で人の気配があり幸せを感じる

奥飛騨の地酒とともに
じっくり素焼きしたイワナに熱々の酒を注ぐ骨酒は縁起もの。地酒飲み比べは、純米鬼ころし超辛、フルーティな純米吟醸蓬莱、濃厚な原酒飛騨娘

朝ごはんも囲炉裏端の雰囲気で
源泉で炊いた粥でゆっくりと内臓を温めてはじまる幸せの朝食。分厚い鮭は目の前でこんがり焼き、飛騨山椒がピリリと利いた自家製朴葉味噌も絶品

元湯 孫九郎
住所|岐阜県高山市奥飛騨温泉郷福地1005
Tel|0578-89-2231
IN|15:00 
OUT|10:00
日帰り入浴|不可
風呂の種類|男女別内湯、男女別露天風呂、貸切風呂2
定休日|水曜(変動あり)
夕食|和食(食事処) 
朝食|和食(食事処) 
昼食|なし
Wi-Fi|あり 
おひとりさま利用|可
アクセス|車/中央長野自動車道松本ICから約1時間15分 
バス/高山濃飛バスセンターからバスで約1時間10分
施設|食事処、ラウンジ、売店

 

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text: Hiroko Ishii photo: Kenta Yoshizawa
Discover Japan 2022年5月号「ニュー・スタイル・ホテルガイド2022」

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