奥飛騨の名湯宿「元湯 孫九郎」で
鮮度抜群の温泉にとろける【後編】
温泉ビューティ研究家・石井宏子さん厳選!
温泉は生きている地球そのものだ。マグマのエネルギーに温められ、その土地の栄養を溶け込ませて全力で私たちを癒してくれる。唯一無二のありがたい生命の源だ。
飛騨山脈は日本列島を東西に分画するホットスポット。高温で湯量豊富な温泉が湧いている奥飛騨温泉郷はスゴイ温泉の宝庫だ。温泉ビューティ研究科の石井宏子さんが、湯力を存分に満喫できると評判の福地温泉「元湯 孫九郎」を訪れた。
夕食は古民家の食事処で。飛騨の郷土料理や、山の幸を味わいながら飲む地酒がたまらない。飲み比べを注文すると、超辛、フルーティ、濃厚と酒の味わいも多彩だ。雪の下から掘り出した大女将の大根が甘くて美味しい。温泉しゃぶしゃぶで味わう飛騨牛は旨みが口の中でとろけていく。目の前で焼き上げたイワナにかぶりつき、芳醇な地酒をぐびり。てりてりの五平餅のもっちりした食感とちょっと焦げた甘辛味噌が濃厚な原酒に合う。と、飛騨の恵みをマリアージュして楽しんだ。湯煙立つ朝の露天風呂はことのほか美しい。朝食の後、もうひと風呂と、内風呂に浸かって出発したら、家までずっとぽかぽかだった。
<奥飛騨の滋味を愉しめる夕食>
飛騨の暮らしの温もりを感じる食事処
養蚕をしていた家を食事処で活用、囲炉裏のそばには神棚があった柱の名残りも。魚や五平餅を焼きながら地酒をちびちびと。ほどよい距離感で人の気配があり幸せを感じる
奥飛騨の地酒とともに
じっくり素焼きしたイワナに熱々の酒を注ぐ骨酒は縁起もの。地酒飲み比べは、純米鬼ころし超辛、フルーティな純米吟醸蓬莱、濃厚な原酒飛騨娘
朝ごはんも囲炉裏端の雰囲気で
源泉で炊いた粥でゆっくりと内臓を温めてはじまる幸せの朝食。分厚い鮭は目の前でこんがり焼き、飛騨山椒がピリリと利いた自家製朴葉味噌も絶品
「蔦温泉旅館」
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元湯 孫九郎
住所|岐阜県高山市奥飛騨温泉郷福地1005
Tel|0578-89-2231
IN|15:00
OUT|10:00
日帰り入浴|不可
風呂の種類|男女別内湯、男女別露天風呂、貸切風呂2
定休日|水曜(変動あり)
夕食|和食(食事処)
朝食|和食(食事処)
昼食|なし
Wi-Fi|あり
おひとりさま利用|可
アクセス|車/中央長野自動車道松本ICから約1時間15分
バス/高山濃飛バスセンターからバスで約1時間10分
施設|食事処、ラウンジ、売店
1|岐阜県 奥飛騨の名湯宿「元湯 孫九郎」序章 前編 後編
2|青森県 蔦温泉「蔦温泉旅館」
3|群馬県 草津温泉「奈良屋」
4|北海道 然別峡温泉「かんの温泉」
5|鹿児島県 妙見温泉「妙見石原荘」
6|長野県 野沢温泉「村のホテル 住吉屋」
7|北海道 豊富温泉「川島旅館」
8|新潟県 栃尾又温泉「自在館」
9|徳島県 祖谷温泉「和の宿 ホテル祖谷温泉」
10|静岡県 桜田温泉「山芳園」
11|群馬県 法師温泉「法師温泉 長寿館」
text: Hiroko Ishii photo: Kenta Yoshizawa
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