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山形県の“人”の魅力をひも解く!
最上三十三観音巡りと噂の“農泊”体験

2024.3.22 PR
山形県の“人”の魅力をひも解く!<br>最上三十三観音巡りと噂の“農泊”体験

山形県といえば、美味しい郷土料理や日本酒、温泉、歴史・文化、祭り、豊かな田舎暮らし…。それらの背景には雄大な自然の恩恵を受けながら、“人”によって脈々と受け継がれてきた独自の精神がありました。山形県民の魅力や秘密を探るべく、世界に誇る山形の精神文化「やまがた出羽百観音」のひとつ最上三十三観音霊場巡礼、田舎暮らしをしながら地元の人と交流できる注目の「農泊」を体験する旅へ。

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山形県民の精神性の礎を築いた
「やまがた出羽百観音」とは?

最上川舟下り。流れに身を任せながら山形の雄大な自然を堪能できる

東京駅から山形新幹線に乗って約3時間。車窓から朝日連峰や飯豊山地の雄大な山々の連なりを望み、旅路に思いを馳せていると、山形駅にたどり着く。
山形県は春のさくらんぼ狩りや秋の日本一の芋煮会をはじめ四季折々の祭り・イベントが開催される村山(むらやま)、ブナの原生林や最上峡の絶景に出合える最上(もがみ)、米沢牛や日本酒などグルメ観光が充実している置賜(おきたま)、日本の原風景が色濃く残る庄内(しょうない)という多彩な魅力に溢れた4つの地域に分かれ、江戸時代の幕藩体制のなごりから方言や文化に多少の違いがあるのも特徴だ。

世界にひとつだけの”空気”を御神体とする、村山地域の空気神社。ブナ林に置かれたステンレス板のモニュメントは空気を表現

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NHK連続テレビ小説『おしん』でも描かれていたように、山形県民は勤勉で実直、働き者で忍耐強いという印象が強い。これは米沢藩の上杉鷹山が行なった財政改革により、「清貧」という思想が脈々と息づいているからであろう。この気質もあって山形県では自然や食、伝統文化などが今日まで受け継がれ、現代の暮らしに寄り添うかたちで昇華されていると考えられる。

そんな山形県民の生き方を支えてきたのは、この地域に根付く精神文化ではなかろうか。それを代表するのが、「観音信仰」に由来する「やまがた出羽百観音」である。やまがた出羽百観音とは、最上、庄内、置賜の各三十三観音霊場の総称。観音様は参拝者の祈りに応じて三十三の姿で人々を救うとされることから三十三観音信仰となり、それぞれの観音様を祀る三十三か所の霊場巡礼の慣習が広まっていったという。

臥龍山 天徳寺の18代目住職・小川信昭さん。2024年6月には、息子であり副住職の智昭さんが19代目住職に就任するという

「病気平癒、受験祈願、子授け祈願など、お若い方からご年配の方まで地域の方々は事あるごとに参拝にいらっしゃいます。みなさん物心ついた頃から両親や祖父母に連れられ、観音様にお祈りをしていたので、自然と信仰心が芽生えているのでしょう」と、柔らかな口調で話してくれたのは、「臥龍山 天徳寺」の18代目住職、小川信昭さんだ。天徳寺は最上三十三観音の「番外 世照観音(よをてらすかんのん)」を祀る曹洞宗の寺。観音堂には慈愛に満ちた表情の「子安観音坐像」が安置され、参拝者の心に光を灯している。

天徳寺は「第31番 富沢観音」(浪高山 東善院光清寺)と「第32番 太郎田観音」(慈雲山 明学院)の間に位置。本堂や観音堂は2024年に建て替えられたばかり。前職で設計士をしていた智昭さんが設計を行う

観音巡礼の際に唱える天徳寺の御詠歌は、「『よをてらす ほとけのちかひ ありければ まだともしびも きえぬなりけり』」。御詠歌は観音様を祀る寺ごとに異なり、参拝者に優しく寄り添う。「この地域では法要の際も御詠歌を唱えます。どなたでも唱えられる御詠歌ですから」という信昭さんの言葉に、妻の順子さんが穏やかに続ける。「観音様は私たちの心の支え。昔、最上は非常に貧しい地域でした。だから集落の人々は観音様に祈り、自分たちの手で観音堂を建立したのです。立派なお堂ではなく、庶民的なお堂が多いのはそのためなんですね。それでもたくさんの方が参拝されるというのは、いろいろな苦労があったとしても、観音様の存在により救われているのだと思います」。

最上三十三観音「第1番 若松観音」を祀る「鈴立山 若松寺」。708年、行基によって創建されたと伝わる。古くから縁結びの神として親しまれ、室町時代に建立したとされる観音堂は国の重要指定文化財にも指定されている
「唐松山 護国寺」の境内に安置される最上三十三観音「第5番 唐松観音」。京都の清水寺を模した懸崖造りの観音堂で、朱色の柱と白い壁が山々の緑と美しく調和している。秘仏とされる観音像は弘法大師の作と伝わる

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喧騒を離れてのんびり旅、心身を満たす農家民泊

「Daichan Farm Guest House」の築180年の蔵で納豆汁作りを体験。志藤政利さん・仲代さん・一枝さんとともに囲炉裏端を囲む

人、食、自然など、山形県が有す本質的な魅力に触れたいと思うのなら、暮らすような旅を選択しよう。長期滞在をせずとも、1泊2日だって存分にその土地を味わえる旅がある。

「地域の中に身を置いて滞在する『農泊』であれば、山形県ならではの生活や風習、文化、食事などをまるごとお楽しみいただけます。県内には農山漁村の各所に農家民宿やゲストハウスが点在しており、どこも実に個性豊か。宿のお手伝いを通じ、自分たちが普段食べているものと、農業や漁業との密接なつながりも感じられることでしょう。地域の方との交流はもちろん、自然とともに生きてきた山形県民のありのままの暮らしをご体験いただけるはずです」と山形県グリーン・ツーリズム推進協議会会長、八木文明さんはいう。

農泊や滞在中のアクティビティなど、土地の魅力を味わう体験を促進する、山形県グリーン・ツーリズム推進協議会会長・八木文明さん

2018年には山形県内で農家民宿を営む同協議会のメンバーが「農家のお宿の会」を結成。農業体験や郷土料理、くだもの狩り、ネイチャーアクティビティなど、山形県でしかできないユニークな体験を多数提供している。そのうちのひとつが、村山地域で農家民宿「Daichan Farm Guest House」だ。運営するのは農業歴450年の歴史をもつ果樹農家「だいちゃん農園」。10代目園主・志藤政利さん、妻の一枝さん、母の仲代さんたちが、アットホームなもてなしでゲストを出迎えている。

よくすった納豆と里芋、ごぼう、人参などが入った納豆汁は山形の郷土料理。材料はすべて自家製の有機野菜だ

「Daichan Farm Guest House」の責任者である一枝さんは、この宿の名物女将。語学が堪能でエネルギッシュな一枝さんと話しているだけで元気がもらえ、一枝さんに会いに来るリピーターが多いというのも納得だ。「農業をしていると、作物はもちろん土や植物の鋭気までいただける。人間の本来のあるべき心に戻れる気がするんです。1泊2日でもそんな大地の恵みを感じていただき、心の肥やしにしてもらえたら嬉しいですね。それに山形には『この人にまた会いたいな』と思える魅力的な人たちが、本当にたくさんいるんですよ」と、太陽のように明るい笑顔を見せる。

「Daichan Farm Guest House」では、山菜採り、郷土料理の「納豆汁」づくり、味噌・甘酒づくり、りんごや米などの農業体験、さくらんぼ・りんご狩りをはじめ、春夏秋冬ごとに多種多様な体験を提供。農家民宿によって体験できる内容はさまざまで、地域ごとの農家民宿に宿泊するのも楽しい。さらに白川湖でのサップやカヌー、トレッキング、スノーシュー、雪山の氷瀑といった、四季折々の自然を満喫できるアクティビティを組み合わせれば、旅はより豊かなものとなるだろう。

白川湖でのサップ体験
庄内地域の羽黒山の参道で石段詣を体験。神秘的な杉木立に囲まれた石段を歩けば、心も身体も生まれ変わったように気分爽快

訪れるたびに多様な出会いをもたらしてくれる山形県の旅。新幹線の車窓を流れる景色は新鮮さから、故郷へ帰ってきたかのような安心感へと変わっていくだろう。なぜならば「おかえりなさい」と温かく迎えてくれる人たちが、山形県で待っているのだから。

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「番外 世照観音」臥龍山天徳寺
住所|山形県最上郡最上町向町1495
時間|7:00〜17:00
Tel|0233-43-3935
https://www.mogami33.com/guide/n34.html

「第1番 若松観音」鈴立山若松寺
住所|山形県天童市山元2205-1
時間|4〜9月7:00〜17:00/10〜3月8:00〜16:00
Tel|023-653-4138
https://www.mogami33.com/guide/n01.html

「第5番 唐松観音」唐松山護国寺
住所|山形県山形市釈迦堂7
Tel|023-629-2405
時間|8:00〜17:00
https://www.mogami33.com/guide/n05.html

だいちゃん農園
住所|山形県西村山郡朝日町玉ノ井202
時間|8:00~17:00
定休日|不定休
予約方法|ウェブサイト
Tel|0237-68-2301
https://www.daichanfarm.com

やまがた的グリーン・ツーリズム
http://www.gt-yamagata.com

photo:Kenji Okazaki text:Nao Omori

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