群馬県 草津温泉「奈良屋」
温泉ビューティ研究家・石井宏子さん厳選!
どうせ行くなら、いい湯に浸かりたい。自分にぴったりの温泉はいったいどこに。湯力の助けで元気になるにも、湯の道は多種多彩。活力系、癒し系、いま心惹かれるのはどっち?
湯力を実感できる温泉で、全身にエネルギーを注入したいなら、活力系の温泉へ。ステイホームですっかりなえてしまったやる気のスイッチを入れてくれる温泉だ。今回は、群馬県草津温泉の「奈良屋」を紹介。
湯守の手仕事で熟成されたまろやか湯を
こっくりまろやかな湯の感触に驚いた。草津の湯とはこんなになめらかだったろうか。「奈良屋」の湯は草津で最も歴史が古い白旗源泉を使っているが、共同湯で入ったときはもっとピリリとした印象だった。自然湧出する迫力の源泉は湯畑の奥にあり、パンチのある硫黄の香りとぐつぐつと沸き立つような迫力を眺められる。奈良屋では、その源泉を自然の傾斜で宿まで引き込み、敷地内の湯小屋に貯湯してひと晩寝かせている。これにより55~56℃ほどの源泉は46~47℃ほどになるそうだ。そして湯守が、湯口から注ぐ源泉の量によって絶妙な温度になるように調整し、大きな湯かき棒で丁寧に湯もみをして、やさしくなめらかな肌触りになるように整える。湯の職人の手仕事によって、うっとりする「まろやか湯」に仕上がるのだ。泉質は、酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉。血行促進して肌や身体に活力を与える、元気チャージの湯。ミルキーグリーンの湯に身をゆだね、硫黄の香りに包まれていると、ぐるぐると身体中の血が動き出し、すっと疲れが抜けていくようだ。華やかで美味しい夕食も楽しみのひとつ。食事処の個室ごとに料理人がやってきて、目の前で寿司を握ってくれる。
「かんの温泉」
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群馬県 草津温泉「奈良屋」
<温泉data>
泉質|酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉
泉温|50.0℃
湯の色|透明
加温|なし
加水|なし
かけ流し|〇
<宿data>
住所|群馬県吾妻郡草津町草津396
Tel|0279-88-2311
料金|1泊2食付2万9150円~(税・サ込)
IN|14:00
OUT|11:00
日帰り入浴営業時間|12:30~14:00(最終受付13:30)
風呂の種類|大浴場内湯男湯2、女湯4、露天風呂男女各1
定休日|不定休
夕食|会席(食事処)
朝食|和食膳(食事処)
昼食|なし
Wi-Fi|あり(全館)
おひとりさま利用|可能
アクセス|車/関越自動車道渋川伊香保ICから約1時間30分
電車/JR長野原草津口駅からバスで約25分の草津温泉バスターミナルから徒歩すぐ
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2|青森県 蔦温泉「蔦温泉旅館」
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4|北海道 然別峡温泉「かんの温泉」
5|鹿児島県 妙見温泉「妙見石原荘」
6|長野県 野沢温泉「村のホテル 住吉屋」
7|北海道 豊富温泉「川島旅館」
8|新潟県 栃尾又温泉「自在館」
9|徳島県 祖谷温泉「和の宿 ホテル祖谷温泉」
10|静岡県 桜田温泉「山芳園」
11|群馬県 法師温泉「法師温泉 長寿館」
text: Hiroko Ishii
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