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「富小路通」名付けの由来に謎が残る通り
御所周辺完全攻略

2019.9.24
「富小路通」名付けの由来に謎が残る通り<br>御所周辺完全攻略

平安京の万里小路と富小路のほぼ中間に位置し、豊臣秀吉の「天正の地割」によって新設された道。本来の富小路は現在の麩屋町通にあたるが、その名が新しい道に付けられてしまった理由は謎だ。二条富小路内裏があったから、富小路家が屋敷を構えていたから、1708(宝永5)年の大火による混乱で名が入れ替わったからなど、由来には複数の諸説がある。

富小路通夷川下ルに石碑が残る二条富小路内裏は、隠岐へ流されていた後醍醐天皇が帰朝し、建武の新政を行った中心地でもある。江戸時代には塗師屋、白革屋、鍛冶屋などが集まる職人の町として栄えていた。

全長:約2.8㎞ 北は丸太町通から南は上珠数屋町通まで
開通:1590(天正18)年以降
主な建造物・史跡:富小路殿跡碑、徳正寺

 

Kyo gastronomy KOZO

「苔テラリウム」は、白味噌のマッシュポテトやフォアグラのクリームがベース。そのほか液体窒素の雪で演出したディッシュを含めたランチコースは5400円~

若くして野田耕三シェフが拓いた新境地は、調理を物理化学的に解し、分子ガストロノミーという技法で自然の風景を再現した、新感覚レストラン。和食をベースに、フレンチやガストロノミーが融合された一品に、目も舌も驚かされる。

Kyo gastronomy KOZO
住所:京都市中京区枡屋町325-3 森田ビル1F
Tel:075-211-1988
営業時間:ランチ12:00~14:30(12:00入店、一斉スタート)、ディナー18:00~22:30(18:00入店、19:30入店、二部スタート制)
定休日:月曜

ふじ亭

上の写真は、お造り、だし巻き、炊き合わせ、お吸い物に季節のごはんが付く京風弁当(1100円)
仕出し弁当は庶民の小さな幸せ

創業は明治初期、小浜から京都まで鯖街道を通って魚担ぎの行商をしているうちに、仕出し屋「ふじ亭」へ暖簾分け。以来ご近所に愛され続け、弁当やうな重、夏限定の鱧とじ丼がお手頃価格で味わえる。

ふじ亭
住所:京都市中京区竹屋町通富小路東入ル魚屋町439
Tel:075-231-2229
営業時間:11:30~14:00(夜は予約のみ)
定休日:月曜

京もつ鍋 兎ニモ角ニモ御所南本店

一人前1700円(鍋の注文は2人前〜)、飲み放題付き全7品のコース5000円

北海道直送の新鮮牛モツと、揚げ出し豆腐や生麩や湯葉などの京食材を、白味噌と醤油の特製出汁でいただく京モツ鍋が看板。コクと旨みが染み渡るも、3種の薬味で後味はスッキリ。うどんと、リゾットは〆に◎。

京もつ鍋 兎ニモ角ニモ御所南本店
住所:京都市中京区丸太町通富小路東入ル桝屋町337
Tel:075-606-5268
営業時間:17:00~23:00(L.O.22:30)
定休日:不定休
 《京都御所周辺完全攻略》
1|河原町から目ぬき通りへ「河原町通」
2|洛中一の寺院街から商業の道へ「寺町通」
3|御所参内のために秀吉が新設「御幸町通」
4|平安京ではこの道が〝富小路〟「麩屋町通」
5|名付けの由来に謎が残る通り「富小路通」
6|邸宅街から商業地への変遷の道「高倉通」
7|車関連の業者が軒を連ねた道「車屋町通」
8|一方通行規制はこの通りから「東洞院通」
9|ここは〝町〟と〝野〟の境目だった「堺町通」
10|2本の通りの間にできた道「間之町通」
11|金座・銀座が置かれた金融通り「両替町通」
12|商工業の中心地として発展「室町通」
13|戦国時代は馬が駆ける道だった「柳馬場通」
14|市電開通で拡張した経済道路「烏丸通」
15|釜を鋳造した〝釜座〟に由来「釜座通」
16|衣服との深いかかわりから命名「衣棚通」
17|良質の水に恵まれ染色業が発展「西洞院通」
18|茶の湯文化が息づく通り「小川通」
19|主要道路として千年の歴史あり「油小路通」
20|平安時代から続く商業の中心地「新町通」
21|かつて禁裏との境界だった通り「二条通」
22|京の東西を一つにつなぐ大動脈「丸太町通」
23|御所御用の職人が暮らした通り「竹屋町通」
24|新旧ショップが集う家具屋街「夷川通」
25|歴史ある場所からカルチャー発信基地まで「御所北」
26|知る人ぞ知るお店が並ぶ「御所東」
27|御用達の老舗からフランス雑貨まで「御所西」
28|「神宮丸太町駅」界隈で出合う美食
29|「烏丸御池駅」界隈の美食巡り
30|「今出川駅」界隈で出会う名品

2019年10月号 特集「京都 令和の古都を上ル下ル」

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