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「寺町通」洛中一の寺院街から商業の道へ
京都御所周辺完全攻略

2019.9.24
「寺町通」洛中一の寺院街から商業の道へ<br>京都御所周辺完全攻略
京料理 二條ふじ田/写真は季節の先付とお造り。昼のコースは4320円、夜は特別料理をあわせて5種類あり、「花」(6480円~)

平安京の最東にあって道幅32mもあった東京極大路が、元の姿。光源氏のモデルとして名高いの河原院をはじめ、貴族や武家の屋敷が並ぶ高級住宅街だった。

ところが15世紀の応仁の乱などにより、街路のほとんどが失われてしまったそう。その後、豊臣秀吉が都市整備を行った際、洛中に散在していた多くの寺院をこの通りに移転させたのが寺町通のはじまり。寺院とともに商家や職人も集まり、賑わいが生まれていった。

全長|約4.6㎞ 北は鞍馬口通から南は五条通まで
開通|天正年間(1590年以降)。元は平安時代の東京極大路
主な建築物・史跡|藤原定家一条京極邸址、大久保利通邸址、紫式部邸址、本能寺、三嶋亭など

京料理 二條ふじ田

和菓子屋で培った感性の京料理

老舗の和菓子屋「二條若狭屋」の次男として培った美意識は、彩り、盛り付け、器使いに凝縮され、美しい京料理として供される。また、地下からくみ上げて使用する水の良質さは、出汁の旨みにも表れる。コース最後には和菓子と抹茶が付くのもうれしい。

京料理 二條ふじ田
住所|京都市中京区二条通寺町東入ル榎木町76
Tel|075-213-0511
営業時間|17:00~22:00(最終入店20:30)
定休日|水曜

京寿司處 末廣

見事な切り口を見せる、あなご箱ずし8切(129
6円)。タレをたっぷりつけ、一尾まるっと使用した贅沢な逸品
頼山陽も愛した京寿司の名店

天保年間から続く京寿司の老舗。文人、頼山陽も贔屓にし、名代 さばずしは宮家にも愛された。人気のあなご箱ずしは、軽く炙った穴子を、海苔を挟んだ酢飯とともに木型に入れて仕上げる。

京寿司處 末廣
住所|京都市中京区寺町通二条上ル要法寺前町711
Tel|075-231-1363
営業時間|11:00~19:00(売り切れ次第終了)
定休日|月曜(火曜不定休あり)

一保堂茶舗

寺町通のランドマーク的存在

創業享保2年の京銘茶の老舗。喫茶室「嘉木」では、お茶の淹れ方を習うことも。
玉露 甘露(左)4320円、煎茶 芳泉(右)2160円。

一保堂茶舗
住所|京都市中京区寺町通二条上ル
Tel|075-211-4018
営業時間|9:00~18:00、喫茶室10:00~17:30
定休日|なし

≫「御幸町通」へ

 《京都御所周辺完全攻略》
1|河原町から目ぬき通りへ「河原町通」
2|洛中一の寺院街から商業の道へ「寺町通」
3|御所参内のために秀吉が新設「御幸町通」
4|平安京ではこの道が〝富小路〟「麩屋町通」
5|名付けの由来に謎が残る通り「富小路通」
6|邸宅街から商業地への変遷の道「高倉通」
7|車関連の業者が軒を連ねた道「車屋町通」
8|一方通行規制はこの通りから「東洞院通」
9|ここは〝町〟と〝野〟の境目だった「堺町通」
10|2本の通りの間にできた道「間之町通」
11|金座・銀座が置かれた金融通り「両替町通」
12|商工業の中心地として発展「室町通」
13|戦国時代は馬が駆ける道だった「柳馬場通」
14|市電開通で拡張した経済道路「烏丸通」
15|釜を鋳造した〝釜座〟に由来「釜座通」
16|衣服との深いかかわりから命名「衣棚通」
17|良質の水に恵まれ染色業が発展「西洞院通」
18|茶の湯文化が息づく通り「小川通」
19|主要道路として千年の歴史あり「油小路通」
20|平安時代から続く商業の中心地「新町通」
21|かつて禁裏との境界だった通り「二条通」
22|京の東西を一つにつなぐ大動脈「丸太町通」
23|御所御用の職人が暮らした通り「竹屋町通」
24|新旧ショップが集う家具屋街「夷川通」
25|歴史ある場所からカルチャー発信基地まで「御所北」
26|知る人ぞ知るお店が並ぶ「御所東」
27|御用達の老舗からフランス雑貨まで「御所西」
28|「神宮丸太町駅」界隈で出合う美食
29|「烏丸御池駅」界隈の美食巡り
30|「今出川駅」界隈で出会う名品

2019年10月号 特集「京都 令和の古都を上ル下ル」

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