ここぞというときに訪れたい
最強パワー神社5選
《いま行くべき神社ガイド》

日本全国には8万を超える神社があるといわれるが、中でもいま訪れるべき神社はどこなのか。宗教史研究家の渋谷申博さんに教えてもらった。
　
今回は「ここぞというときに訪れたい最強パワー神社5選」。最強の武神を祀る神社から、神剣を御神体とする英雄神ゆかりの神社、武士の崇敬を受けて全国で祀られた神さまの総本宮も。古くから霊威の強さで知られた、頼りになる５社をご紹介！

監修・文＝渋谷申博（しぶや・のぶひろ）さん
宗教史研究家。神道・仏教など宗教史にかかわる執筆活動をするかたわら、全国の社寺・聖地などでのフィールドワークを続けている。著書に『参拝したくなる！　日本の神様と神社の教科書』（ナツメ社）など多数

①鹿島神宮［茨城県・鹿嶋市］
必勝祈願はもちろん、地震除けのご利益も

御祭神の「武甕槌大神（たけみかづちのおおかみ）」は、天照大御神の命により地上を平定した武神。その活躍は『古事記』、『日本書紀』に記された。神武天皇の東征も守護したとも伝わり、その神恩に感謝するため神武天皇が、この地で武甕槌大神を祀ったのが当社のはじまり。以後、武芸の神、必勝の神として信仰されてきた。境内の要石は大なまずをおさえているとされ、地震を封じる社としても有名。

◎祀られている神さま
武甕槌大神（たけみかづちのおおかみ）

◎代表的なご利益
必勝／武芸上達／地震除け

鹿島神宮（かしまじんぐう）
住所｜茨城県鹿嶋市宮中2306-1
Tel｜0299-82-1209
参拝時間｜24時間
参拝料｜無料
https://kashimajingu.jp

②熱田神宮［愛知県・名古屋市］
三種の神器の剣を祀る、武将も愛した神社

英雄神「日本武尊（やまとたけるのみこと）」は、東国（現在の北陸を除いた近畿以東）に遠征した際に草薙神剣（くさなぎのみつるぎ）を携えていた。日本武尊が亡くなった後、妃の宮簀媛命（みやすひめのみこと）が熱田の地に、草薙神剣を祀ったことが熱田神宮のはじまり。以後、伊勢神宮に次ぐ神社として広く崇敬を受け、織田信長でさえも桶狭間の戦いの前に当宮に参拝して、戦勝を祈願した。

◎祀られている神さま
熱田大神（あつたのおおかみ）
※草薙神剣を御霊代とする天照大神

◎代表的なご利益
出世開運／家内安全／縁結び

熱田神宮（あつたじんぐう）
住所｜愛知県名古屋市熱田区神宮1-1-1
Tel｜052-671-4151
参拝時間｜24時間
参拝料｜無料
www.atsutajingu.or.jp

③諏訪大社［長野県・諏訪市など］
古代の信仰を伝え、生命の根源を守る

境内に４本の巨柱を立てる「御柱祭（おんばしらさい）」や鹿の頭を供える「御頭祭（おんとうさい）」などのお祭りが有名。諏訪大社を構成する上社本宮、上社前宮、下社秋宮、下社春宮の境内には古代人を畏怖させた霊威がいまも漂い、いにしえの信仰を現代に伝える。御祭神は風と水の守護神とされ、農業や狩猟といった生きる術を守り、豊穣を与える神として信仰されてきた。また、軍神としても崇敬を受けている。

◎祀られている神さま
建御名方神（たけみなかたのかみ）、八坂刀売神（やさかとめのかみ）

◎代表的なご利益
五穀豊穣／開運招福／商売繁盛

諏訪大社（すわたいしゃ）
住所｜［上社本宮］長野県諏訪市中洲宮山１
［上社前宮］長野県茅野市宮川2030
［下社春宮］長野県諏訪郡下諏訪町193
［下社秋宮］長野県諏訪郡下諏訪町5828
Tel｜［上社本宮・前宮］0266-52-1919
［下社春宮・秋宮］0266-27-8035
参拝時間｜24時間
参拝料｜無料
https://suwataisha.or.jp

④宗像大社［福岡県・宗像市］
大和朝廷も崇敬した、玄界灘の三女神が鎮座

宗像大社は3つの宮からなる。宗像市田島の「辺津宮（へつぐう）」、その10㎞ほど沖合の大島に鎮座する「中津宮（なかつぐう）」、玄界灘に浮かぶ沖ノ島が御神体の「沖津宮（おきつぐう）」だ。ここに鎮座する「宗像三女神」は天照大神と素盞嗚尊（すさのおのみこと）が誓約（うけい）をした際に生まれ、海外との交流・交易の無事を守ってきた。朝廷も深く崇敬し、遣唐使も渡唐の前に当社で航海の安全を祈った。
　
◎祀られている神さま
宗像三女神（むなかたさんじょしん）［＝田心姫神（たごりひめのかみ）、湍津姫神（たぎつひめのかみ）、市杵島姫神（いちきしまひめのかみ）］
　
◎代表的なご利益
交通安全／財運向上／学芸上達
　
宗像大社（むなかたたいしゃ）
住所｜福岡県宗像市田島2331
Tel｜0940-62-1311
参拝時間｜9:00〜17:00
参拝料｜無料
https://munakata-taisha.or.jp

⑤宇佐神宮［大分県・宇佐市］
全国にある八幡宮や八幡神社の総本宮

源氏をはじめ武士が守護神として崇敬したことから、八幡神を祀る神社は全国各地に広まり、その数は稲荷神社や天満宮を超えて最も多いとされている。その総本宮が宇佐神宮だ。その創建は神代にさかのぼり、大和王権に対する反乱「隼人（はやと）の乱」の鎮定や、東大寺大仏の建立を助けたことから、朝廷から重視されるようになった。国の危機を救う神とされ、国難が起こるたびに信仰が高まっていった。

◎祀られている神さま
八幡大神（はちまんおおかみ）

◎代表的なご利益
厄除開運／必勝／交通安全

宇佐神宮（うさじんぐう）
住所｜大分県宇佐市南宇佐2859
Tel｜0978-37-0001
参拝時間｜4〜9月5:30〜19:00、10〜3月6:00〜19:00
参拝料｜無料
www.usajinguu.com

読了ライン

 

大自然に心が洗われる絶景神社5選
 
≫次の記事を読む
 

Discover Japan 2023年8月号「夏の聖地めぐり。」