都市緑化を目指す、
“まちづくり”最新事例集!①
|「みどりの価値を世界と共創・共有」、「複合施設の緑化」

日本のまちをみどり豊かな空間にするため、各地でさまざまな取り組みが進行中。人に、環境にやさしいまちづくりは、人と自然とが共存する持続可能な社会へとつながっていく。
今回は、「GREEN×EXPO 2027(2027年国際園芸博覧会)」と緑化をする複合施設の「グラングリーン大阪」、「大手町の森」をご紹介!
《みどりの価値を世界と共創・共有》
自然と共生する未来を発信する博覧会
GREEN×EXPO 2027(2027年国際園芸博覧会)/神奈川県横浜市

「GREEN×EXPO 2027」は、国内では1990年の「国際花と緑の博覧会」以来、37年ぶり2回目となる最上位クラスの国際園芸博覧会。気候変動や生物多様性の損失など、地球規模の課題に対して体験・実践を通じた意識・行動変容の場を提供し、新たなグリーン社会の実現への貢献を目指して「幸せを創る明日の風景」をテーマに開催。会場は水の流れや風の動き、みどりなどの自然資本を生かす。

みどりの力と産業活動の融合した姿を示す「Village出展」、庭園や花壇、生け花、盆栽など、プロの美と技術が競演する「花・緑出展」、海外からの国際出展などが会場内に展開される
会期中は企業出展や市民参加プログラムなど、多様な体験を通して自然と共生したコミュニティと持続可能な社会を体感。古くから循環型の社会経済を成り立たせてきた、日本人の自然との共生の考え方を再評価し、世界に発信する挑戦も。

「全ての生命はつながっている。植物を中心に」をコンセプトとするテーマ展示、日本の自然観を再考しつつ未来へつなぐ政府出展など、人も地球環境の一部として、いかに生きていくかを問い掛ける
開催場所|神奈川県横浜市 旧上瀬谷通信施設
開催期間|2027年3月19日(金)~9月26日(日)
問|2027年国際園芸博覧会協会
https://expo2027yokohama.or.jp
《複合施設の緑化》
自然と都市が融合する複合施設
グラングリーン大阪/大阪市北区

写真提供=グラングリーン大阪開発事業者
関西最大のターミナルであるJR大阪駅前に誕生し、進化し続ける都市公園を中心とした複合施設。約4万5000㎡と広大な「うめきた公園」、南街区、北街区と大きく3つのエリアで構成される。
歩行者デッキ「ひらめきの道」で結ばれるサウスパーク(南公園)とノースパーク(北公園)からなるうめきた公園には、飲食店、ミュージアム、体験型情報発信スペースなどを設けるほか、日常・非日常を問わず楽しめるプログラムなども展開予定。隣接する多種多様な施設の活動のにじみ出しや来街者の交流などを通じて、イノベーションの共創を図る。

複合機能を整備 公園を中心に南街区と北街区に分かれ、それぞれのエリアにホテル、中核機能施設、商業施設、分譲住宅が登場。南街区には総貸室面積約11万3000㎡の大規模オフィスも整備する
写真提供=グラングリーン大阪開発事業者
住所|大阪府大阪市北区大深町地内
営業時間|施設・店舗によって異なる
施設|うめきた公園、ホテル、商業施設、オフィス、中核機能施設、分譲住宅など
https://umekita.com
生物が集う都会のオアシス
大手町の森/東京都千代田区

高層ビルが建ち並ぶビジネス街にそびえる複合ビル「大手町タワー」の足元には、敷地面積の3分の1ほどを占める約3600㎡の「大手町の森」が広がる。本格的な自然環境を再現した“生きた”森には、稀少種を含む約300種もの植物や野鳥、昆虫が息づいている。
広大な緑地空間は周辺の水と空気の流れをも変え、木陰や樹木の蒸散作用などによるヒートアイランド現象の緩和や、土壌の保水作用によって、ゲリラ豪雨をはじめとする都市型水害の抑制など、都市の環境改善にも貢献している。
line

大手町タワーの地下2階から3層にわたる吹き抜け空間「森のプラザ」には、自然光が降り注ぐ。地下1階から外に出ることもでき、森を介して地上と地下の一体感を生み出している

“まちづくり”最新事例集!②
≫次の記事を読む
住所|東京都千代田区大手町1-5-5 大手町タワー
問|東京建物
https://the-otemachi-tower.com
text: Discover Japan, Natsu Arai
2025年3月号「ニッポンのまちづくり最前線」