スサノオの剣から誕生した水の神様
「多紀理毘売命」「市寸島比売命」「多岐都比売命」
日本人なら知っておきたいニッポンの神様名鑑
まだ日本という国がなかった頃、国生みの神イザナギとイザナミによって多くの神々が誕生しました。彼らにはそれぞれ役割や力が与えられ、日本国を統一していきます。では、どのような神様がいるのかご存じでしょうか? 主要な神様のプロフィールを、祀られている神社やご利益とともに紹介する本連載。今回はスサノオの剣から化成した三柱の女神、タキリビメ・イチキシマヒメ・タギツヒメです。
多紀理毘売命(タキリビメ)市寸島比売命(イチキシマヒメ)多岐都比売命(タギツヒメ)
アマテラスとスサノオが誓約を交わしたときに、スサノオの剣から化成した三柱の女神。元々、玄界灘の海上交通を守護する女神であったが、イチキシマヒメがインドの河神を元とする弁財天と習合したことにより、水の属性を強め、立地的に水にまつわる場所を中心に祀られるようになっていった。
古事記|多紀理毘売命・市寸島比売命・多岐都比売命
日本書紀|田心姫・市杵嶋姫命・湍津姫
基本属性「航海の神」
朝鮮への海上交通の平安を守護する玄界灘の神として大和朝廷によって古くから重視された。弁財天と同一視されることもあり、財宝の神ともいわれる。
代表的ご利益「航海安全」
水の女神とされているので、航海安全や海上守護のご利益があるが、財宝の神でもあるため、金運アップのご利益もある。
代表的神社
「宗像大社」
宗像大社は沖ノ島の沖津宮、大島の中津宮、九州本土の辺津宮の三宮の総称。総社・摂社において宗像三女神を祀っており、別名「道主貴(みちぬしのむち)」と呼ばれる。芸道・武道など国民に関わるすべての道を司る神とされる。
宗像大社
住所|福岡県宗像市田島2331
Tel|0940-62-1311
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監修者
東條英利(とうじょう・ひでとし)
カルチャージ代表取締役。神社ライター
日本の素晴らしさの再発見と日本人の基礎教養力向上を目的に、執筆・講演活動を行う。全国の神社情報専門ポータルサイト「神社人」を主宰し、現在までに訪れた神社の数は数千社以上。著作に「日本人の証明」(学研パブリッシング)、神社関連書籍や雑誌の監修などを手掛ける。フェイスブックやアメーバブログを日々更新中。
東條英利公式サイト
神社人
text=Hidetoshi Tojo, Hisanori Kato, Takehiro Nanbu
illustration=Hitomi Iha
2013年4月号新しい歌舞伎入門