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クルーズトレインで出会う新しいニッポン
列車はここまで進化した!上質な空間で巡る日本列島。

2019.10.24
クルーズトレインで出会う新しいニッポン<br>列車はここまで進化した!上質な空間で巡る日本列島。
重厚でクラシックな上質空間に酔いしれる
ローズウッドでまとめられた応接室と温かみのあるベッドルーム。手前のランプシェードは江戸から続く色鍋島の有田焼で、人間国宝・今泉今右衛門の作

近年、日本の旅が変わろうとしている。その一端を担うのがJR3社が運行するクルーズトレインだ。2013年に先手を切って運行を開始した「クルーズトレイン ななつ星 in 九州」をはじめ、2017年にはふたつの新たな列車が登場。鉄道戦国時代が始まっている。全2回の《クルーズトレインで出会う新しいニッポン》前編。

樹木の生い茂る近未来の森!
ゆるやかなカーブを多用した空間に、曲木を使った秋田木工のテーブルセットが静かに置かれている

クルーズトレインの旅へようこそ! 先の写真が、すぐに列車だとわかった方はどれほどいただろうか?

シックな装いの内観はJR九州が運行する「クルーズトレイン ななつ星 in 九州」、ひと際目を引くコンテンポラリーな空間は、2017年JR東日本が運行を開始した「TRAIN SUITE 四季島」だ。そして、同じく2017年の6月、運行開始した「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」。

海岸沿いを疾走する「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」
旅情感あふれる光景にかつてのトワイライトエクスプレスから受け継いだ艶やかなグリーンが映える

2013年の「クルーズトレイン ななつ星 in 九州」の登場から、独占状態だった豪華列車市場に相次いで新規参入したふたつの列車も、ニッポンの旅の魅力を存分に堪能できると話題だ。かつて寝台列車といえば、「トワイライトエクスプレス」や「北斗星」が人気だったが、クルーズトレインはそれらを覆す新しいトラベルプロダクツと考えられる。

一級の調度品が集められたインテリアに重厚で先進的なエクステリア、そして地産地消に根づいた料理と一流のおもてなし。そのどれもが人を惹きつけてやまない列車の旅は、もはや移動手段の枠を越え、乗ることそのものが目的となる新たな旅の方法論となるはずだ。北は北海道から、南は九州まで。奇しくも日本を縦断するかたちになったクルーズトレインの旅から、目が離せない。

文=瀬名清可 写真=山平敦史(TWILIGHT EXPRESS瑞風) 写真協力:JR東日本、JR西日本、JR九州
2017年11月号 特集「この秋、船旅?列車旅?」

《クルーズトレインで出会う新しいニッポン》
1|列車はここまで進化した!上質な空間で巡る日本列島
2|日本の名所を網羅!クルーズトレインでニッポンをいいとこどり

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