ART

福岡県「チームラボフォレスト」
夏色のミュージアムで動物たちと出合う。

2021.8.4
<small>福岡県「チームラボフォレスト」</small><br>夏色のミュージアムで動物たちと出合う。

福岡県福岡市にあるチームラボの常設ミュージアム「チームラボフォレスト 福岡 – SBI証券」に、期間限定で夏のアートが登場。高低差のある立体的なアート空間を、ひまわりをはじめとした夏の花々で出来た動物たちが歩き回るなど、夏限定の装いを体感しよう。

「高速回転跳ね球のあおむしハウス」

最新テクノロジーを活用したアート集団、チームラボ。彼らが手掛けたチームラボフォレストは、「捕まえて集める森」と「運動の森」というふたつのエリアから構成されている。

前者は「捕まえ、観察し、解き放つ」をコンセプトに、自ら身体で探索し、発見し、捕まえ、そして、自ら捕まえたものをきっかけに興味を広げていくことを主眼とした新しい「学びの空間」だ。スマートフォンを片手に探索し、さまざまな動物を捕まえ、観察し、自分のコレクション図鑑作っていく。

後者は「身体で世界を捉え、立体的に考える」をコンセプトに、空間認識能力を鍛える新しい「創造的運動空間」。複雑で立体的な空間のなかで強い身体性をともない、身体ごとインタラクティブな世界に没入していくことが出来るエリアだ。

小さい頃は誰しもが、
捕まえたり採ったりすることに夢中だった。

「捕まえて集める森」

600万年とも言われる人類の長い歴史の中で、農耕と牧畜がはじまる1万年前まで、人類は長らく狩猟し採集して生きてきた。600万年のうちの599万年(99.8%)という人類の歴史の多くにおいて、森の中で、他者と共に自らの身体で歩き回り、動植物を捕まえたり採ったりする生活を通して、脳を発達させ進化してきた。人類は、森の中を探索し、捕まえたり採ったりし、観察し学ぶことで生き残ってきたのだ。

現代社会は、変化のスピードが激しく、予測不可能だ。このような社会に対応していくためには、一生学び続けていく必要がある。これからの時代に必要なことは、教わり記憶する従来型の「教育」ではなく、自らの興味による自発的な「学び」。つまり、自発的に学ぶための興味を持つことが何よりも大事である。

チームラボフォレストは、そんな人間が本能的に感じる楽しさである「捕まえる、採る」という行為をアートを通じて体験しながら、それらをきっかけとして興味を広げることが出来るミュージアムとなっている。

夏色に染まるアートたち

そんなチームラボフォレストでは、屋内のデジタル空間でありながらも季節感を感じられる夏季限定アートが楽しめる。

花々と生き物たちが織りなす、誕生と死滅

「うごめく谷の、花と共に生きる生き物たち」

高低差のある立体的な世界に生息しているのは、ひまわりや紫陽花をはじめとした夏の花々と、カエルやトカゲといった生き物たち。花々は誕生と死滅を永遠と繰り返しながら、生き物をかたち作り続けていく。

生き物たちは、ほかの生き物を食べて増えたり、食べられて消滅したりしながら、弱肉強食の世界のなかで共にひとつの生態系を作り上げていく。また人間が生き物の花を踏むと、花は散り、踏み続けて花が散りすぎるとその生き物は死んで消えていく。

コンピュータプログラムによってリアルタイムで描かれ続ける本作品は、人間の動きに影響を受けながら変化し続け、永遠に続く生態系を表現している。

人間が現れると生まれ、
触れると死んでいく蝶

「群蝶、儚い命」

人々が誰も入らなければ真っ暗闇で何も存在しないこの空間。ここに人間が足を踏み入れ、じっと静かにしたとき、人間の足元と壁に触れた手から群蝶が生まれ、空間を自由に舞う。しかし、群蝶は人間が触れると死んでしまう。

空間には人々が生んだ蝶だけが舞っており、人々が生んだ蝶よりも、人々によって死んでしまった蝶の方が多ければ、この作品はなくなってしまう。

高低差のあるふわふわな地形

「ふわふわな地形のつぶつぶの地層」

チームラボが開発した高低差のある立体的な「ふわふわな地形」。空間には色とりどりの粒が降り注ぎ、立体的な地形に沿って高所から低所へと流れていき、粒の重なりによって地層模様を描き出す。地面は人間がいる場所は沈み、沈んだ場所には粒が集まってくる。人間が歩くとそれらは弾けて混ざり、地層の模様が変化していく。

降り注ぐ粒は、朝昼夕夜の「1日」、四季の「1年」と、太陽・水・大地の色彩で変化する。

うごめく光の球からあおむしが生まれる!

「高速回転跳ね球のあおむしハウス」

多様な色に光る「高速回転跳ね球」で埋め尽くされた空間。高速に回転しながらうごめく光の球体は、人間が近づくと、回転を止め、踏みやすい状態になる。

人間が球体を跳んでいくと、球体はよりいっそう輝きを増す。同色を連続して踏むと、球体は中が弾けて空間に広がる。さらに同色の球体を連続して踏むと、あおむしが誕生! 最後まで連続して同色の球体を跳び続けると、空間にある同色の球体すべてが弾け、空間全体からあおむしが生まれる。

美しいアートに没入しながら興味を広げ、身体を動かすことで立体的な思考が育つ同ミュージアム。子どもだけでなく大人も脳が活性化される空間は、家族連れにもぴったりだ。ぜひこの夏限定のアートを楽しんでみてはいかがだろうか。

チームラボフォレスト 福岡 – SBI証券
住所|福岡県福岡市中央区地行浜2-2-6 ボス イーゾ フクオカ 5F
会期|常設 ※夏限定の景色は2021年7月17日(土)~
時間|平日11:00~20:00、土日祝10:00~20:00
休館日|BOSS E・ZO FUKUOKA公式サイトをご覧ください
※イベント開催などで変更する場合がありますので、来場前にウェブサイトを確認ください
料金|大人2200円、子ども800円
問|https://e-zofukuoka.com/inquiry/form
https://e-zofukuoka.com/teamlabforest/

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