実は謎が多いワタツミ。その実体は海の神!?
「綿津見神」
日本人なら知っておきたいニッポンの神様名鑑
まだ日本という国がなかった頃、国生みの神イザナギとイザナミによって多くの神々が誕生しました。彼らにはそれぞれ役割や力が与えられ、日本国を統一していきます。では、どのような神様がいるのかご存じでしょうか? 主要な神様のプロフィールを、祀られている神社やご利益とともに紹介する本連載。今回は謎に包まれた神、ワタツミです。
綿津見神(ワタツミ)
ワタツミの名をもつ神は複数登場するため、その実態はよくわかっていない。オオヤマツミが山の神であることに対する海の神であるという認識が高く、一部には山幸彦・海幸彦伝承のトヨタマビメの父にあたるワタツミノオオカミが同神であるとも。海人族の阿曇氏はワタツミを祖神としている。
古事記|綿津見神
日本書紀|なし
基本属性「海の神」
代表的ご利益「豊漁祈願」
代表的神社
「沼名前神社」
1800年以上前に、神功皇后がこの地に社がないことを知り、この浦の海中より涌出た霊石を神璽として、綿津見命を祀り、海路の安全を祀られたことにはじまるとされる。鞆の祇園さんとも呼ばれ須佐之男命も祀る。家内安全、学業成就のご利益がある。
沼名前神社
住所|広島県福山市鞆町後地1225
Tel|084-982-2050
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日本人なら知っておきたいニッポンの神様名鑑
・天之御中主神/アメノミナカヌシ、高御産巣日神/タカミムスビ、神産巣日神/カミムスビ
・表筒男命/ウワツツノオ、中筒男命/ナカツツノオ、底筒男命/ソコツツノオ
監修者
東條英利(とうじょう・ひでとし)
カルチャージ代表取締役。神社ライター
日本の素晴らしさの再発見と日本人の基礎教養力向上を目的に、執筆・講演活動を行う。全国の神社情報専門ポータルサイト「神社人」を主宰し、現在までに訪れた神社の数は数千社以上。著作に「日本人の証明」(学研パブリッシング)、神社関連書籍や雑誌の監修などを手掛ける。フェイスブックやアメーバブログを日々更新中。
東條英利公式サイト
神社人
text=Hidetoshi Tojo, Hisanori Kato, Takehiro Nanbu
illustration=Hitomi Iha
2013年4月号新しい歌舞伎入門