TRADITION

実は謎が多いワタツミ。その実体は海の神!?
「綿津見神」
日本人なら知っておきたいニッポンの神様名鑑

2020.12.16
実は謎が多いワタツミ。その実体は海の神!?<br>「綿津見神」<br><small>日本人なら知っておきたいニッポンの神様名鑑</small>

まだ日本という国がなかった頃、国生みの神イザナギイザナミによって多くの神々が誕生しました。彼らにはそれぞれ役割や力が与えられ、日本国を統一していきます。では、どのような神様がいるのかご存じでしょうか? 主要な神様のプロフィールを、祀られている神社やご利益とともに紹介する本連載。今回は謎に包まれた神、ワタツミです。

≪前の記事を読む

綿津見神(ワタツミ)

ワタツミの名をもつ神は複数登場するため、その実態はよくわかっていない。オオヤマツミが山の神であることに対する海の神であるという認識が高く、一部には山幸彦・海幸彦伝承のトヨタマビメの父にあたるワタツミノオオカミが同神であるとも。海人族の阿曇氏はワタツミを祖神としている。

古事記|綿津見神
日本書紀|なし

基本属性「海の神」
代表的ご利益「豊漁祈願」

代表的神社
「沼名前神社」

1800年以上前に、神功皇后がこの地に社がないことを知り、この浦の海中より涌出た霊石を神璽として、綿津見命を祀り、海路の安全を祀られたことにはじまるとされる。鞆の祇園さんとも呼ばれ須佐之男命も祀る。家内安全、学業成就のご利益がある。

沼名前神社
住所|広島県福山市鞆町後地1225
Tel|084-982-2050

 

潮の流れを司る海の道先案内人「塩椎神」

≫次の記事を読む

line

日本人なら知っておきたいニッポンの神様名鑑

神様の基本をおさえよう

時代で変わる神様のカタチ

全国有名神社の由来とは?

伊邪那岐神/イザナギ

伊邪那美神/イザナミ

天照大御神/アマテラスオオミカミ

須佐之男命/スサノオ

月読命/ツクヨミ

火之迦具土神/ヒノカグツチ

天之御中主神/アメノミナカヌシ、高御産巣日神/タカミムスビ、神産巣日神/カミムスビ

思金神/オモイカネ

天児屋根命/アメノコヤネ

天手力男神/アメノタヂカラヲ

布刀玉命/フトダマ

玉祖命/タマノオヤ

天宇受売命/アメノウズメ

表筒男命/ウワツツノオ、中筒男命/ナカツツノオ、底筒男命/ソコツツノオ

大国主神/オオクニヌシ

宇迦之御魂神/ウカノミタマ

櫛名田比売/クシナダヒメ

少名毘古那神/スクナビコナ

事代主神/コトシロヌシ

多紀理毘売命/タキリビメ、市寸島比売命/イチキシマヒメ、多岐都比売命/タギツヒメ

建御名方神/タケミナカタ

建御雷之男神/タケミカヅチオ

瓊瓊杵尊/ニニギ

猿田毘古神/サルタヒコ

木花之佐久夜毘売/コノハナノサクヤヒメ

石長比売/イワナガヒメ

大山津見神/オオヤマツミ

綿津見神/ワタツミ

塩椎神/シオツチ

経津主神/フツヌシ

菊理媛神/ククリヒメ

大山咋神/オオヤマクイ

賀茂別雷神/カモワケイカヅチ

神武天皇/ジンムテンノウ

神功皇后/ジングウコウゴウ

応神天皇/オウジンテンノウ

倭建命/ヤマトタケル

菅原道真/スガワラノミチザネ

徳川家康/トクガワイエヤス

東郷平八郎/トウゴウヘイハチロウ

監修者
東條英利(とうじょう・ひでとし)
カルチャージ代表取締役。神社ライター
日本の素晴らしさの再発見と日本人の基礎教養力向上を目的に、執筆・講演活動を行う。全国の神社情報専門ポータルサイト「神社人」を主宰し、現在までに訪れた神社の数は数千社以上。著作に「日本人の証明」(学研パブリッシング)、神社関連書籍や雑誌の監修などを手掛ける。フェイスブックやアメーバブログを日々更新中。
東條英利公式サイト
神社人


text=Hidetoshi Tojo, Hisanori Kato, Takehiro Nanbu
illustration=Hitomi Iha
2013年4月号新しい歌舞伎入門

RECOMMEND

READ MORE