万物の根源を示すといわれる三柱
「天之御中主神」「高御産巣日神」「神産巣日神」
日本人なら知っておきたいニッポンの神様名鑑
まだ日本という国がなかった頃、国生みの神イザナギとイザナミによって多くの神々が誕生しました。彼らにはそれぞれ役割や力が与えられ、日本国を統一していきます。では、どのような神様がいるのかご存じでしょうか? 主要な神様のプロフィールを、祀られている神社やご利益とともに紹介する本連載。今回は宇宙の起源とも伝えられる神々、アメノミナカヌシ、タカミムスビ、カミムスビです。
天之御中主神(アメノミナカヌシ)高御産巣日神(タカミムスビ)神産巣日神(カミムスビ)
古事記で、天地開闢の時に、最初に生まれたとされる三柱の神々。このためこれらの神々は、万物の根源を示すとされ、宇宙の起源とも伝えられる。中でもアメノミナカヌシは、妙見信仰や北極星信仰とも習合しその中心的役割を果たし、タカミムスビとカミムスビは、「結び」の語を含むことからも良縁を期待されるようになっていった。
古事記|天之御中主神・高御産巣日神・神産巣日神
日本書紀|天御中主尊・高皇産霊神・神皇産霊尊
基本属性「至高・根源の神、統治の神、生産の神」
基本属性は順番にアメノミナカヌシ、タカミムスビ、カミムスビを示す。すべての起源となる神々で、天の世界を統べる最高神。
代表的ご利益「健康長寿、良縁祈願、殖産振興」
ご利益は順番にアメノミナカヌシ、タカミムスビ、カミムスビ。良縁祈願は、恋愛だけでなく人や仕事などさまざまな事柄を結びつけるという意味がある。
代表的神社
「天之御中主神社(妙見神社)」
鎌倉時代の初期に、薩摩の人々を苦しみより救い、福寿増益を計ったことから、霊験あらたかな名社として拝められてきた。また、御鎮座800年を記念し、2005年の秋に新社殿を完成。社殿は本殿流造り、拝殿は八棟造りでとても縁起がいい。
天之御中主神社(妙見神社)
住所|鹿児島県鹿児島市宇宿6丁目7-1
Tel|099-264-0011
「東京大神宮」
明治天皇の御聖断を仰ぎ、東京にいながら伊勢神宮の神様への参拝が叶う遥拝殿として1880年に創建された。以来「東京のお伊勢さま」と親しまれている。結びの働きを司る神様も祀り、また神前結婚式創始の神社であることから縁結びでも有名。
東京大神宮
住所|東京都千代田区富士見2-4-1
Tel|03-3262-3566
読了ライン
日本人なら知っておきたいニッポンの神様名鑑
・天之御中主神/アメノミナカヌシ、高御産巣日神/タカミムスビ、神産巣日神/カミムスビ
・表筒男命/ウワツツノオ、中筒男命/ナカツツノオ、底筒男命/ソコツツノオ
監修者
東條英利(とうじょう・ひでとし)
カルチャージ代表取締役。神社ライター
日本の素晴らしさの再発見と日本人の基礎教養力向上を目的に、執筆・講演活動を行う。全国の神社情報専門ポータルサイト「神社人」を主宰し、現在までに訪れた神社の数は数千社以上。著作に「日本人の証明」(学研パブリッシング)、神社関連書籍や雑誌の監修などを手掛ける。フェイスブックやアメーバブログを日々更新中。
東條英利公式サイト
神社人
text=Hidetoshi Tojo, Hisanori Kato, Takehiro Nanbu
illustration=Hitomi Iha
2013年4月号「新しい歌舞伎入門」